犬びより

オナラは健康のバロメーター?頻度・ニオイ・音から分かる犬の病気

2019/07/09

「ぷっ!」という音が、愛犬がいる位置から聞こえてきて、思わず「ふふふっ」と笑ってしまった経験を持つ飼い主も多いのでは。そんなオナラが知らせてくれる体調の変化もあるらしい。いったいどんなオナラをすると、体調不良が考えられるのだろうか、探ってゆこう。
 

 

オナラのしくみ

犬のオナラ

オナラとは大腸の中で消化しきれなかったものが、細菌に分解された時にできるガスである。

食事をすると、食道、胃などを経て、やがて腸にたどりつく。食べ物を分解する細菌はほとんどのものが大腸にいるので、基本的にオナラは大腸で生成される。このシステムは、人間や犬、猫などのほとんどの動物が持つものだ。また、どんな細菌が何を分解しているかで、ニオイも変わってくる。肉ばかり食べている人と、ベジタリアンのオナラが発するニオイが違うのは、それが原因。

だが、オナラのガスの9割は食事中などに、飲み込んでいる空気とも言われている。人間も知らず知らずに空気を飲み込んでいるそう。体内にたまった空気を、放出するのがオナラなのである。

 

オナラのニオイ

■くさい場合
くさいオナラが出る理由は、犬それぞれ。理由として考えられるのは、まず食事。肉などの動物性タンパク質を食べると胃や腸で、アミノ酸やペプチドに分解される。そこで消化されずに大腸まで運ばれたタンパク質などが、大腸で処理できない量だと、硫化水素などが発生してくさくなる。下痢、消化不良などが起こっている可能性も。もちろん、もともと体質的にくさいオナラをしやすい犬もいる。

 
■いつもと違うオナラのニオイがする
上でも触れたように、オナラのニオイは食べるものにも左右される。人間の場合、香草やガーリックなどを食べると、オナラのニオイが変わることもある。にんにくがたくさん混入されたラーメンを食べると、次の日はオナラが大変くさくなることも。また、腸内バランスが変わってくると、同じ物を分解する場合でも、ニオイが変わることがある。下痢や消化不良などが起こっているか、起こる予兆かもしれない。

 
■オナラが無臭
基本的にオナラにニオイはあるので、完全に無臭なものはない。オナラは、うんちの近くで生成されたり、ストックされるので、うんちのニオイがするのが基本。それは、かわいいぬいぐるみのようなプードルでも同じである。オナラは皆平等にくさいものなのだ。ぷーっという音がしたけど、ニオイを感知しない場合、排出量が少なくて人間の鼻に届くまでに、ニオイの強さが弱まっていると考えられる。こういったニオイがきつくないオナラは気にしなくてもよい。

 

オナラの回数

犬のオナラ

オナラの回数が増えている時は、下痢などでお腹の調子がわるいか、あるいはこれから下痢になる可能性もある

腹痛の症状がある犬のレントゲンを撮ると、腸にガスがたまっている様子が写るのだそう。

ただ、人間も健康時でもオナラの多い人はいる。犬も同じ。一日20回出るのが普通の犬もいるし、10回が普通の犬も。

普段から愛犬の様子を観察しておこう。また、食事中などに、空気を大量に飲んでいる可能性も。

 

オナラの音

■大きいオナラの音
同じ量のガスでもゆっくりオナラを出せば音は小さいし、一気に出せば大きい。肛門の閉まり具合で、音の大きさは変わる。我々人間は、オナラは恥ずかしいものという意識があるので、音が出ないようにコントロールする。でも、犬は人間のような恥じらいは恐らくないので、コントロールしない。ただ、ガスが同じ場所に大量に溜まっていると、一気に排出し、大きな音がする可能性も。その場合、腸の状態は、あまりよくない。

 
■無音のオナラ
音もしないのに、くさいオナラのニオイだけが部屋中に充満することがある。考えられる理由は、上記でも述べたように、肛門の締まり具合。肛門が閉まっている時は「ぷっ!」という音が勢い良く出るし、開いている時はすーっと、ほぼほぼ無音で放出される場合もある。人間でいう、すかしっ屁というやつだ。ばれないようにオナラをする、なんていう気持ちは犬にはないだろうが……。

 

その他

■オナラと一緒に液体が一緒に出る
気がついたら謎の液体が、犬の肛門から出ていることがある。この謎の液体の正体は、何なのだろうか? その答えは、液体状のうんちである。オナラと一緒に出てきた、水っぽい便。お腹の調子がよい時は、こういう液体がオナラと一緒に出てくることはあまりない。液体が出て来た時は、下痢にむかう兆しなのかもしれない。あるいは、すでに下痢をしているという可能性が考えられる。お腹の調子が悪いかどうかを測る、ちょっとした目安になるかもしれない。

 
■うんちも一緒に出る
お腹の調子が悪くお腹が緩い時、または下痢の時はオナラと一緒にうんちが出る場合も。「うおーっ、これはちょっと恥ずかしいぞ!」と人間なら思う。ウンチを漏らすことが、未代までの恥となりかねないので、もちろんそうならないように人間は必死でコントロールするけど、犬はそこに恥じらいを感じる動物ではない。部屋の中でやられるとちょっと困ってしまうが、これも生理現象のひとつだし、犬にはまったく悪気はないので、大目に見てあげようではないか。大きな心で。

 

オナラから分かる?いろいろな病気

犬のオナラ

お腹の調子がくずれ、結果的にオナラが多くなったり、くさくなりうる病気や症状をあげてみた。動物病院に連れて行く目安になる。

■消化不良・吸収不良

・消化不良、吸収不良が考えられるオナラ
消化不良や吸収不良になると、胃で消化吸収されなかった食べものを腸内細菌が分解することになる。その分解の時に、オナラとなるガスが生産される。いつもと違う食べものを分解すると、いつもと違うニオイのオナラが出ることとなる。

・消化不良、吸収不良 原因と症状
消化不良、吸収不良のどちらか、または両方の症状があると、便がやわらかくなってしまう。原因は、消化不良の場合、腸内の消化力が十分でないので、食べ物を小腸が吸収できるレベルまで細かく消化できないため。吸収不良の場合は、吸収力が十分でなく、消化した栄養素が腸内に残ってしまうため、やわらかい便となって体内から出てくることになる

 
■食事性アレルギー

・食事性アレルギーが考えられるオナラ
1歳までに発症することが多く、便の回数が多くて、やわらかい便になるのが特徴。季節に関係なく、皮膚のかゆみも伴うようであれば、食事性アレルギーの可能性が高い。また、下痢などの症状以外に嘔吐などの症状がよく見られる。

・食事性アレルギー 原因と症状
原因は食べたもの。食事中にアレルギーの原因となるものが含まれていると、体は有害なものが消化管内に入ってきたと認識して、それらを吸収する前に体から排除しようとして下痢症状を示すことがある。

 
■腸内寄生虫

・腸内寄生虫の寄生が考えられるオナラ
寄生した場合、場合によっては下痢などになり、その結果としてオナラが出るということはある。だが、その症状はまれ。基本的にはオナラが出る症状はない。下痢と食欲不振などの「おかしいな」と思う症状が重なるようであれば検便で検査できるので、動物病院で検査してもらうとよいだろう。

・腸内寄生虫 原因と症状
寄生虫としてあげられるのは、回虫、鈎虫、鞭虫、条虫、コクシジウム、ジアルジア、トキソプラズマ、など。腸内に寄生して腸粘膜にダメージを与え、下痢や食欲不振をもたらすことがあるので注意が必要だ。寄生虫によって効果がある駆虫薬が異なるので、必ず便検査をしてから症状に合った駆虫薬を選択しよう。

 
■大腸炎

・大腸炎が考えられるオナラ
オナラのニオイはいつものうんちのニオイに近く、特に変化はない。大腸炎になった場合の特徴的な症状のひとつは、下痢になったり、腸内にガスがたまる症状が起こったりするので、オナラの回数がいつもより多くなる可能性があること。しかし、オナラの回数だけからは大腸炎だと判断はできない。異常にオナラの回数が多くなったと感じる場合は動物病院へ。動物病院では便の形状、回数、1回の量、出血の有無、などから総合的に判断する。

・大腸炎 原因と症状
大腸炎=下痢というぐらい、ほとんどのケースで下痢の症状が出てくる。便の回数が増え、ゼリーのような粘液交じりの便が出たり、最初は普通の便なのに途中からゆるい便になったり、時には血が混じることもある。大腸炎の原因は、様々なことが考えられるが、人の食べ物を食べて起きることが、最も多い原因のひとつ。慣れないものが体内に入ることで、腸が驚き、下痢を引き起こす。また、知らない来客が来た、旅行へ行った、急な温度変化があったなど、いつもと違う生活によるストレスが原因になることもある。

 
■その他

今回示している病気以外にも、消化管に関する病気は多くある。

その病気の判断をオナラだけで断定することは難しいが、いつもと違うオナラをしていたり、下痢があったりする場合は、判断基準のひとつとなることもある。

 

オナラは診断のヒントになることもある?

犬のオナラ

さてさて、いったいオナラからわかる病気なんてあるのだろうか?基本的に、オナラのニオイは? 回数は? という問診だけで、診断を下すことはない。

だが、オナラの回数が増えたり、オナラのニオイの変化から消化不良や過度のストレスの蓄積や、あるいは腸内のバランスが崩れ、これから消化管の異常な症状が起こることなどを予想することはできる。他にも、食事性アレルギーが起こっている可能性も。アレルギー反応を起こす物を食べると、それを体外に出そうとする働きで、下痢をしたり、それに伴いオナラが変化する可能性が高い。

また、何か口の問題(口内炎、咳)が起こっていると痛みや不快感から唾液が多くなり、唾液と一緒に空気を飲み込む回数が増えてオナラが増えることもあるそう。

大腸炎などでお腹の調子が悪くなると、オナラに影響が出ることも。

何かオナラに異変があれば早めに動物病院へ。早めに行けば行くほど、改善が早くなる。目安として、オナラのニオイがくさい、いつもとニオイが違う、などの点を基準にしよう。動物病院では体調の落ち方や他の症状(下痢、元気がない)なども見て診断するが、オナラの変化などはひとつの目安になる

 
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プードルスタイル vol.16『そのオナラ、大丈夫?ぷぷっ、ぷーオナラ』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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