犬びより

【日本犬の食物アレルギー】症状の出やすい部位、検査や治療方法は?

2019/03/11

食べることは健やかな命を育むのに必要不可欠。どんな食べ物にアレルギー反応を起こしてしまうのか早めに原因追及しよう。複雑で頑固なアレルギーを撃退する方法はコレだ!
 

 

季節を問わず発症するアレルギー

アレルギーのひとつである食物アレルギーは柴犬に比較的多く見られる。卵、牛肉、乳製品、鶏肉などのタンパク質がアレルゲンになりやすいと言われているが、食物すべてがアレルゲンとなり得る。それと保存料や着色剤などの食品添加物が原因となることもあるのだ。

そして、どんな犬でも食物アレルギーを引き起こす可能性がある。発症時期は生後2~3ヶ月で出る場合もあるが、多くは1歳頃。アレルゲンは個体差によって違い、決して安価な市販のドッグフードで発症するものではなく、ドッグフードはもちろん、手作り食であっても、それらに含まれる成分に反応するのである。

症状としては、皮膚のかゆみや脱毛、耳の炎症、頭を振る、前肢をしきりに舐める、床に顔をこすりつけるなど。まれに、嘔吐、下痢、痙攣などを引き起こす場合もある。特に耳を気にしたり、赤く腫れたりする外耳炎を繰り返し起こす場合は食物アレルギーが関連していると言われ始めている。耳は要チェックだ

そして、これらの症状は季節に関係なく1年中続く。こんな症状が現われても、原因が日常的に与えている食物であるとは気づきにくいのが現状だ。それは長期摂取によってアレルギー反応を起こす場合が多いからだ。また、脱毛する部位がアトピー性皮膚炎と酷似していて判断が難しいのだそう。

かゆみを抑えるために、抗ヒスタミン剤やステロイド剤を投与しても、なかなか改善されずに投与量を少しずつ増やして、結果、体を壊してしまうという悪循環に陥ってしまうこともあるのだそう。つまり、食物アレルギーの場合、薬に反応しにくく、薬物療法はあまり効果がない。ただし、掻き壊しなどから二次感染を併発している場合はその治療のために薬を使用することもある。また、異常なかゆみから眠れない、イライラしているなどの場合は、一時的に鎮静剤を投与して対応することもある。

 

アレルギー症状が出やすい部位

皮膚がやわらかく、敏感な場所ほど症状が現れやすい。頻繁に舐めたり、引っ掻いたりの行為を繰り返す。

・目の周辺
かゆみ、腫れなどから掻きむしり、赤くただれてしまうこともある。脱毛や色素沈着を起こす場合もある。

・口の周辺
かゆみから掻きすぎて、赤くただれ出血することもある。赤い発疹がいくつもできたりする。

・耳の周辺
耳の後ろを掻いたり、外耳が赤く腫れてかゆがったりする。耳垢も溜まりやすくなり、異臭も漂う

・肛門周辺
かゆくて舐め壊す。赤く腫れたり、脱毛する。

・脇の下、腹部
汗をかいたように湿っている。掻きすぎて赤くただれたり、炎症を起こす。黒っぽく色素沈着を起こすこともある。

 

長期的な食事制限テストでアレルゲンを追求

食物アレルギーを改善するためには、まずアレルゲンとなる食物成分の特定をすることが重要。それには食事制限テストが有効的だ。このテストを実施してみないと食物アレルギーかどうか断定することは難しい。

今まで一度も与えたことがない食物を与え、かゆみなどの症状が軽減するかどうかチェックする。かゆみが止まったら、今度は今まで与えていた食物を与えて、かゆみの症状を観察する。

症状が出たら、その食物がアレルゲンとなる。実施期間は2ヶ月以上。症状が落ち着いたら与えていた食物からひとつずつプラスしていくという、実に地道な努力と粘り強い根気が必要不可欠なのだ。また、ドッグフードを与える場合は、獣医師と相談してアレルギー用の処方食で対応するといい。手作り食でも動物病院の処方食でもテスト期間中は、栄養が足りなくなるため、獣医師のアドバイスを受けること。

テスト実施中は与えている食事以外は一切与えてはいけないのが鉄則。盗み食いをしたり、少しくらいならとオヤツや人間の食事などを与えてしまうようなルール違反をすると始めからやり直しになってしまう。また、食糞の癖があるならば散歩中や留守番時などの排泄物にも注意しなくてはならない。

このテストは、毎日のことのため家族全員が一致団結して協力しないと成功しない。かわいそうだなんて同情する必要はなく、盗み食いをさせない配慮も必要。アレルゲンをスムーズに突き止めるのは飼い主さん次第だ。

アレルゲンをある程度まで特定する検査として、血液によるIgE抗体測定検査がある。これは血液を採取してハウスダストマイト、花粉、食物などのアレルゲンが測定値により陰性から強陽性に分類されるもの。ただし、検査会社によって結果にバラつきがある

 

食事制限テストの流れ

時間と労力が必要な地道なテストだが、ひとつずつアレルゲンとなる食材を特定判別していくのに確実。

■ドッグフードの場合

病院処方食やアレルゲンフリーのドッグフード
↓1~2ヶ月実地
かゆみなどの症状が緩和されたら、そのまま継続。または、獣医師に要相談。

 
■手作り食の場合

肉や魚などのたんぱく質源1種類
野菜や穀物1種類
※今まで与えたことがない食材
↓1~2ヶ月実地
症状が緩和されたら、今まで与えていた食材をプラス
肉や魚1種類
↓2週間実地
症状が緩和されたら、さらに今まで与えていた食材をプラス
肉や魚1種類
↓2週間
1種類ずつ加えていき、症状が出たらその食物がアレルゲンと特定できる

※かゆみなどの症状が出たらテストを中止して獣医師に相談する

 

アレルゲンが特定できたら……

食事制限テストを実施して特定されたアレルゲンは、1種類とは限らない。数種類のこともある。もちろん、個体差によってアレルゲンはそれぞれ違う。これら原因物質がわかったら、その成分を含む食材は二度と与えないということが重要。

市販のドッグフードを与える場合は、ラベルの成分表記をしっかりチェックし、また防腐剤、着色料などにも注意したいもの。特定されたアレルゲンを除去した食事を与えることが食物アレルギーを回避することになり、予防にもなるのだ。

頑固で手強いアレルギーに勝つためには徹底した労力と長い時間が必要だ。飼い主さんは途中で手を抜くことなく、愛犬を苦しめるアレルゲンをひとつずつ突き止めて欲しい。愛犬に合った食物を必ずや手中にできる日を願って。

 
関連記事:
【ダニ・シラミ・疥癬】オールシーズン気をつけたい虫の対策!
 
人気のキーワード:
#しつけ #ごはん #シニア犬 #健康管理
#性格 #散歩 #気持ち #病気 #おでかけ
#ケア #子犬 #性別
 
Shi‐Ba vol.47『新連載・日本犬のアレルギーについて考える 食べ物アレルギー』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

facebookでシェア ツイートする LINEで送る
pick up!