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【免疫元気で犬がいい!】柴犬に多い免疫系の病気・健康を維持するための心得

2019/03/12

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重要な役割を持つ免疫だけに、その機能が崩れた時は危険な状況にさらされることになるのだ。ここでは免疫バランスが崩れた時に起こる体内変化、免疫力を維持するための心得を勉強していこう。
 

 

免疫が暴走する時

免疫が常にしっかり仕事をしてくれれば、健康を維持することができる。だが、その免疫が正しい仕事をしなくなったり、少なくなったりすると、たちまち病気が入り込んできたり、免疫そのものが病気を引き起こす原因になったりする。

免疫が不安定になる要因としては、まず老化が挙げられる。年をとると体の他の機能同様、免疫も低下していく。そのせいで悪性腫瘍を発症しやすくなる。免疫が戦えないから、症状が出るのである。

またストレスも免疫を左右する。ストレスの多い生活は、当然免疫に悪影響を及ぼす。とりわけ、成犬、老犬の皮膚感染症は免疫力低下のサインであることが多い。

 

柴犬に多い免疫介在性疾患

■免疫介在性溶血性貧血
症状は、貧血によって皮膚や粘膜が蒼白になったりする他、元気や食欲がなくなったり、呼吸が速くなったり、ついには立てなくなって横たわったままになってしまうなど、はっきりしたものが多い。 原因は悪性腫瘍の他、ウイルスや細菌、薬物などもあるが、不明のことが多く、それらに誘発されて発症する。

 
■甲状腺機能低下症
甲状腺のホルモンが欠乏することで発症する。皮膚が厚くなることで、表情が悲しげになったり、シッポに脱毛が見られるようになる(いわゆるラットテール)。甲状腺ホルモンはエネルギーやタンパク、脂質、ビタミンなどの代謝に作用するので、低体温や無気力、体重の増加や皮膚の乾燥と色素沈着などが見られるようになる。原因は甲状腺原発の他、下垂体や視床下部によるが、犬の場合は原発性がほとんど。そのうち自己免疫反応によって、甲状腺が破壊されるのがリンパ球性甲状腺炎。

 
■脂肪織炎
無菌性結節性脂肪織炎は免疫が関わっており、手術による外傷や膵炎、多発性関節炎などの病気が関連している可能性も高い。症状は持続する高熱、元気食欲の低下、皮膚や皮下のしこりで、ときにこれが破裂し、中からドロッとした変性した脂が出てくることがある。

 
■多発性関節炎
異物に対して抗体を作って破壊するのが免疫の仕事。しかし多量に作った抗体が異物とくっついたものの、それを処理しきれずに体内に残って関節内に入り込み、炎症を起こすのがこの病気。関節の痛み、跛行、発熱、筋萎縮、食欲不振などの症状が引き起こされる。治療はステロイドや他の免疫抑制剤を数ヶ月以上使用する。

 
■薬疹
薬の使用が原因で引き起こされる皮膚疾患。飲み薬だけでなく、注射を含むすべての薬物から発症する可能性がある。いくつかの発疹型があるが、一番多いのは赤いブツブツが全身に現れる紅斑丘疹型。その他、全身が赤くなる紅皮症型、じんましん型などがある。同じ薬でも違う症状が出ることもある。

 
■天疱瘡
自己免疫性の皮膚疾患。細菌やウイルス、アレルギー、紫外線などから引き起こされていると考えられている。夏場に発症、悪化することが多い。犬は落葉性天疱瘡の発症例が多く、眼や鼻、耳、肉球の間などに炎症が起こり、かさぶたや脱毛が見られるようになる。一度発症すると完治の難しい病気である。

 
■糸球体腎炎
腎臓の糸球体という部位に免疫が関与して炎症を起こす病気。フィラリアや子宮蓄膿症、免疫介在性溶血性貧血などの病気からも誘発される。尿中にアルブミンというタンパク質が多く出てしまうために血中アルブミン濃度も下がり、栄養状態が悪くなる。

 
■その他
筋力低下や嚥下障害を引き起こす後天性重症筋無力症、四肢の跛行や腎障害、皮膚疾患などの症状が現れるエリテマトーデス(紅斑性狼瘡)、血小板を破壊してしまう免疫介在性血小板減少症、好中球を破壊してしまう免疫介在性好中球減少症など、免疫異常による病気の多くは原因がはっきりしないことが多い。
 

免疫介在性疾患の治療方法
免疫抑制剤で免疫量を微調整しつつコントロールしていくことが基本。ステロイドがその代表的な薬。抗ガン剤も少量であれば免疫を調整できる。インターフェロンは一時的に免疫を上げる効果がある。ガンマグロブリンは現状でもっとも強力な免疫薬。

 

アレルギー・アナフィキラシーショック

この2つも免疫異常が原因。アナフィラキシーショックは、ワクチンや薬物でも起こることがある。

■アトピー性皮膚炎
アレルギーの代表とも思われているアトピー性皮膚炎だが、アレルギーに含めるかどうかは議論が分かれているという。病態からすると、アレルギーかどうかは微妙。アトピー性皮膚炎は、食物アレルギーを併発するとさらに悪化するので要注意だ。

 
■花粉症
スギに代表される花粉症は、もっとも発症例の多いアレルギーで、これに悩まされている方は実に多い。人の場合はくしゃみや涙目などの症状がメインであるが、犬の場合は痒みとして現れる。スギ花粉の季節に痒がりだしたら、要観察である。

 
■食物アレルギー
症状は、かゆみ、外耳炎、皮膚炎、脱毛、下痢などであり、いずれの症状も季節は関係しないことと治りにくいことが特徴。診断は、血液などによるアレルギー検査と除去食試験を行って原因食材をはっきりさせる。 治療は原因食材を与えないことである

 
■ハチや蛇の毒
人間はハチや毒蛇に咬まれるとアナフィラキシーショクを起こすことが多いが、犬はほぼそれはない。しかし、噛まれた脚が壊死することはある。ハチの場合も、集団で刺されるとショック状態になるが、1匹ならまず大丈夫。

 

免疫力を維持するための心得


 
免疫をコントロールすることは難しいが、維持に努めることはある程度はできるのだ。

■シニア犬に感染症が出たら要注意
年を取って、今まで防げていた感染症を発症してしまった。それは免疫力が落ちていると考えるのが妥当。免疫による防御機能は、老いとともに衰えていく。10歳を過ぎるとガンを発症しやすくなるのも、免疫力の低下、あるいは破綻である。飼い主はより一層の配慮をもって、愛犬との生活を送らねばならない。

 
■夏と冬の散歩は時間帯を選ぶ
室内飼いの場合、肌で季節感を感じられないから、皮膚や毛のバリア機能が低下する。夏、涼しい室内から暑い屋外へ散歩に連れて行くのは、バリア機能が低下している犬には負担が大きく、病気も起こりやすくなる。冬も同様。室内と屋外の気温差が大きくない、負担のかからない時間帯を選んで散歩したい。

 
■過度に清潔にしない
体が異物と感じるものに対して、免疫は攻撃を仕掛ける。とすると、無菌の状態で暮らしていれば、日常に漂うものはほぼすべて異物と感じるわけだ。つまり、あまり清潔にしすぎていると、何でも異物となってアレルギーを引き起こしやすくなる。また、獲得免疫を妨げることにもなるので、清潔もほどほどに。

 
■犬にとって快適な接し方を考える
リラックスとストレスは反比例と考えていいだろう。犬にとって快適な生活環境であれば、リラックスして日常を過ごすことができる。ストレスは軽減する。何がリラックスを妨げるのか。それは限りないが、例えば嫌な音、嫌いな犬が近くにいるなどもリラックスを妨げる大きな要因となる。

 
■体にいい食べ物でも無理強いしない
まず、免疫力を高めると言われている食べ物やサプリメントにどれほどの効果があるのかは、正確にはわかっていない。そのような食べ物を「体にいいから」といって無理に食べさせては逆効果になることも。精神面も免疫には大きく作用するので、無理に与えるのは免疫力強化には逆効果になる可能性が高いのだ。

 
■ストレスは極力かけない
免疫はストレスによって大きく左右されるという。ストレスがなくなれば免疫力は上がる。これは人間でも同じ。何故なのか、はわかっていない。でも効果は実証されているので、ストレスはかけないほうがいい。無理矢理抱っこしたり、しつこくかまったりは犬にとっては大きなストレス。

 

痒みが止まるとアレルギーがよくなる!?

痒みもアレルギーの症状の1つ。治療の末、その痒みがなくなった。すると今まで改善しなかった他の症状も改善したという例があるという。

つまり、痒みというのはストレスの中でも最も強いものであり、これが解消されたことでストレス減、免疫アップとなり他の症状も改善に至ったのではないかと考えられなくもないのだ。

 

犬らしく健康的な生活が免疫には一番いいのかも

免疫というなかなか一筋縄ではいかないテーマを、ごく簡単に見てきたわけだが、少しはおわかりいただけただろうか。

専門的な知識は置いておいて、つまるところ何が大切なのかと言われれば、「犬らしい健康的な生活」と言えるのではないかと思う。ストレスを与えず、安定した環境の中で暮らし、適度な運動を続け、飼い主との良好な関係を築き、ある程度は食材にも気を遣う。

また、人間にも言えることだが、菌を排除しすぎてもダメということ。免疫が異物と感じるものが多くなりすぎて、過剰に仕事しすぎるのも免疫を不安定にさせるのだ。不衛生はもっとダメなんだけど、そこはバランスよく。

 
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Shi‐Ba vol.93『外敵から健康を守るデリケートな仕組み 免疫元気で犬がいい!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。