みんなどんなものを食べている?正しいドッグフードの選び方は?

犬とドッグフード

健康が声高に叫ばれている昨今、犬だって例外ではない。食事に気をつけることこそ、健康で長生きする秘訣。正しい知識を学んでいこう。

 

ドッグフード用語辞典

1.総合栄養食
毎日の主要な食事として与えることを目的としたペットフード。そのフードと新鮮な水だけで、成長や健康維持に必要な栄養素を過不足なく摂取できる。

2.代謝可能エネルギー
フードに含まれるすべてのエネルギー量を「総エネルギー」というのに対し「代謝可能エネルギー」は体内に吸収され、活用されるエネルギーを指す。フードに記されている。

3.ドライフード
「水分含有率が6~10%、90%以上が乾物」のフードを指す。原材料は穀類、肉、家畜、または魚由来製品、乳製品。主食はドライフードがおすすめ。

4.パピー・アダルト・シニア用の特徴
アダルトを中心に考えると、パピーはエネルギー量、カルシウム、リン、脂肪、たんぱく質が多め。シニアは少なめ。シニアは老化に伴う機能低下を防ぐ成分入り。

5.ライフステージ
「犬の成長段階」のこと。主にパピー(成長期)、アダルト(成犬期)、シニア(高齢期)、妊娠期、授乳期に分けられている。犬種によってライフステージには差がある。

6.トッピング
ドライフードに加える缶詰や手作りの食品。ドライのみで充分栄養は摂れるが、トッピングをすると目先が変わるので、食欲増進剤の役割も。ただし、全量の10%以内に。

 

ドッグフードの種類

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市販されている食品にはドライ、半生、缶詰、フリーズドライなどがある。

主食として一般的なのはドライで、栄養的にも優れ、噛みごたえもあるので、歯の健康維持にも役立つ。また、基本的にそのままあげられるので、飼い主さんも手間がかからず、保存しやすいというメリットもある。

ただし、見た目の量が少なくシンプルなので、「物足りないのでは」とトッピングする方も多いが、これだけでバランスよく栄養を摂れるように調整されてある。良質なものを選んで、安心して使おう。

また、飼い主さん自身が調理する「手作り食」をあげているというケースも。愛犬の体調に合わせることができ、原材料を直接確認できるなどメリットも多いが、飼い主さんに犬の栄養に関する正しい知識がないと、栄養がアンバランスになる危険性もある。

 

ドッグフードの買い方と保存方法のコツ

フードはきちんとアフターケアをしてくれるお店で購入すると安心

直射日光の当たる場所に陳列してある、店の外に野積みにされているなど、管理の悪い店は避けた方が無難

インターネット購入する場合は、正規代理店を通しているかどうかなどをチェックし、品質管理ができる形で売られている商品を選ぼう。

かかりつけの動物病院を通して買うのも一手。ふだんから愛犬の状態を把握している獣医師であれば、フードを変えるタイミングや食べなくなった時の対処法もアドバイスもしてもらえる。

また、フードには酸化防止剤が入っているとはいえ、開封と同時に酸化が始まり、劣化する。

少々割高になるが、少量包装のものを使い切り、できるだけ短いサイクルで新しいものに、というのが理想的。

保存は袋の口をしっかりと閉じ、湿度の低い冷暗所で。ニオイが気にならなければ、冷蔵庫の野菜室に入れておくといいだろう。

 

食事を与える回数と時間は?

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理想としては1日2回。毎日ほぼ同じ時間に与えて、食生活のリズムを作ることが、消化機能や排泄習慣を良い状態に保つことにつながる。

さらに、毎日の生活に適度な運動(散歩)を取り入れていけば、食事の時には空腹感が得られて食欲が湧き、消化酵素も適切に分泌される。

健康のためには、規則正しい生活が不可欠なのだ。

 

ドッグフードの適量は?

ペットフードのラベルには、必要なエネルギー量が表示されている

体重に当てはまるエネルギー量をもとに、現在の体型、運動量を合わせて考慮し、与えるフードの量を決めよう。

肥満気味の場合は肥満度に合わせて10~25%減らし、逆に痩せ気味ならば10~25%増やした量をあげてみる。

また、体型や運動量は季節などによって変化するので、よく観察して調整していくことが大切。

 

ドッグフードの与え方の注意点

フードを1日中置きっ放し、という家がある。飼い主さんにしてみれば「一気に食べられないので、いつでも食べられるように」という親心かもしれないが、これではメリハリがつかない。

食べ物に対する危機感がなくなり、たとえ冬場であっても衛生的に問題がある。

出してから10分程たっても食べないようならさげてしまうこと

逆に水はいつでも好きな時に好きなだけ飲めるよう、新鮮なものをたっぷり用意しておこう

また、ドライフードに手作りのトッピングを加える時は味付けは必要ない。

 

ドッグフードの疑問

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Q.犬種別のフードをあげたほうがいい?

犬種によって体格は違い、体質の違いもあるが、現在決定的なデータはない。

犬種別のフードが一般的なフードとどう違うのかというと、遺伝的にかかりやすい病気を予防するための成分が添加されている、その犬種の被毛の長さによって必要なたんぱく質の量を調整してある、などの工夫がしてある。

現在特別な問題がなければ、良質な総合栄養食で大丈夫。

Q.複数のフードをミックスしても平気?

総合栄養食としてドライフードは、「これと水を摂取すれば健康を維持するために必要な栄養とエネルギーを満たすことが可能」という状態に調整されてあるもの。

メーカーにより栄養濃度が異なるため、異なったフードをミックスすれば、必要なエネルギー量がわかりにくくなる。

下痢をしたとかアレルギー症状が生じるなど健康上の問題が起きたときにも、原因究明が困難に。

缶詰は同量当たりの栄養濃度が低いので、嗜好性のために少量(10%以内)を混ぜることは問題ない。ただし、その分ドライフードを減らすことを忘れずに。

Q.愛犬に1番合うフードとは?

まず、フードのラベルに書かれている原材料名表示と代謝可能エネルギー量を確認すること。原材料にきちんとしたものが使われているかどうか吟味して選び、実際にそれを愛犬に食べさせてみて判断しよう。

健康状態がよく、体調が維持できれば、合っていると判断できる。値段の高いフードがベストとはかぎらないが、良質で安全な原材料を使用すれば当然販売価格も高くなる。原材料と価格を見比べて検討しよう。

飼い主さん自身が基本的な栄養の知識を身に付けていなければ、いいフードは選べない。獣医師の意見も参考にしながら勉強していこう。

Q.味噌汁ぶっかけご飯は与えても大丈夫?

犬の食事に必要な栄養素は、たんぱく質、脂肪、そして炭水化物。

味噌汁ぶっかけご飯では、炭水化物が多くて、必要なたんぱく質と脂肪が足りず、健康な体を維持することができない。ご飯主体では総エネルギー量も不足してしまう。

塩分が多いことも問題。人間と同じ味付けは、犬にとって塩分が多すぎる。ずっと味噌汁ぶっかけご飯のみを与え続ければ、栄養不良や腎臓疾患などの原因となることがあるので、やめたほうがよいだろう。

手作り食は、多様なメリットがある反面、市販のペットフード同様な科学的栄養調整はできない。飼い主さんの正しい知識はもちろんのこと、愛犬の体調に応じた微調整が必要となる。

 

愛犬の状態を充分に観察して

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一昔前と違って今はさまざまなメーカーから多種類のフードが発売されている。

全国どこにいても通販やネットで簡単に購入できるようになり、どれを選んだらいいのか迷ってしまう飼い主さんも多いはず。

愛犬に合うものを選ぶには、ラベルの表示を参考にしつつ、愛犬の様子をよく観察することが何より大切だ。

一番長く一緒の時間を過ごす飼い主さんが、与えたフードの量、食欲、体重の増減、ウンチの量や形状、被毛の様子、元気かどうか、などをチェックしていれば、変化に早めに気づき、フードを変更したり、獣医師に相談するなど臨機応変な対応ができるだろう。

飼い主として犬の栄養についての基本的な知識は身につけておいてほしいもの。人間と犬で異なる部分を理解することが大切だ。

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Shi‐Ba vol.26『みんなどんなものを食べているのかな ドッグフード国勢調査』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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