犬びより

【特別インタビュー】渋川清彦×大西信満×ドロンズ石本×佐藤二朗が『柴公園』を語る

2019/05/21

柴公園

「おっさん×柴犬×会話劇」という斬新な組み合わせが話題となり、リピーターが続出したドラマ「柴公園」。

ドラマ版で充分にダベリつくしたと思われた「柴公園」だが、まだダベリ足りないようである。

なんと劇場版でも新たな一面を見ることができるのだ。

今回は映画の公開を控えた「柴公園」より“あたるパパ”役の渋川清彦さん、“じっちゃんパパ”役の大西信満さん、“さちこパパ”役のドロンズ石本さん、“芝二郎”役の佐藤二朗さんの4名にインタビューに応えていただいた。

――ドラマ、映画と一気に撮り終えたそうですね。

渋川:はい。このボリュームを撮り終えたことにホッとしました。それが一番の正直な気持ちです。あたると会えなくなったのは多少の寂しさもありますけど、あたる役のきい君の居るZOOプロが家のすぐ近くなんです。なので子供を連れて会いに行きました。

佐藤:そうなんだ。覚えてた?

渋川:これが最初に行ったとき、ちょっと疑っているような感じがあったんです。そこから何かの拍子に、ぱんっと弾けて、ペロペロペロってきて。あ、思い出したんだなと思いました。

 
――大西さんは撮り終えてみていかがですか?

大西:僕も同じですね。台本が1日20ページくらいのボリュームある毎日だったので。しかも基本無駄話なので覚えにくいんです。突拍子もないこと、脈略のないことを言い出すから。それを無事にクリアできて、ちゃんと人に観てもらえるようになったことが嬉しいです。

 
――じっちゃんはまだ若い犬だったんですよね。

大西:幼犬でした。撮影のときは8か月くらい。しかもこういう撮影が初めてで、慣れていなかったので、固まっちゃったり動かなくなったりということがありました。

石本:でもじっちゃんは一番成長が見えましたよね。終わりの頃にはしっかりしてきてた。

 
柴公園
 
――石本さんはもともとワンちゃんが大好きだそうですね。

石本:はい。去年のクリスマスイブに会う相手がさちこだけだったんですが。

渋川:あ、石本さんから写真が送られてきましたよ。

佐藤:ははは。

石本:チキンをあげに行ったんです。撮影が終わる前から、「寂しくなりますよ」とずっと言われてたんですが、本当に完璧にロスになりました。僕もさちこの家の近くに住んでるので、すぐに会いに行けるんですけどね。

 
――飼いたいと思われたのでは?

石本:本当に思います。というか、さちこを飼いたいのかも。

佐藤:飼えばいいじゃないですか。『柴公園』の脚本を書いている永森裕二は、この映画に携わっているZOOプロから犬を譲り受けてますよ。

渋川:『幼獣マメシバ』の脚本家さんでもありますけど、そのときから飼い始めたって言ってましたね。

佐藤:そうそう、デレデレ。

 
――佐藤さんは3人とは違うポジションからの参加でしたが。

佐藤:そうなんです。なぜここにいるのか。ただまあ、芝二郎は僕にとっても思い入れのある役ですからね。またできて嬉しかったですよ。10年前と比べたら、白髪が増え、メタボが進化しましたが、今なりの芝二郎をやらせていただきました。

 
――すんなり戻れましたか?

佐藤:そうですね。戻れました。芝二郎は基本、あまり成長しないんですけど、ちょっとの成長の証として、今回は自分以外の人のために、ちょっとだけ何かをしてあげるみたいなところがあります。
 
柴公園
 
――客観的な立場でご覧になって、『柴公園』の面白さはどこだと思いますか?

佐藤:中年のおっさんが、ただだべっているっていうだけで面白いですよ。何しろ永森さんの書く脚本が面白い。

渋川:そうですね。永森さんは『幼獣マメシバ』を始めてから柴犬を飼い始めたので、あのときより知識も増えているし、リアリティもちゃんとあるとおっしゃってました。名前も知らない人と犬飼いというだけで話したり。そういうご自身の体験に色をつけたストーリーだと。

 
――ワンちゃんを飼っている人には「あるある」がたくさんありますし、そうしたエピソードを通じて、人の面白い部分も見えてきます。

渋川:そこに時代もちゃんと入れてるんですよね。タワーマンションだったり、開発されそうな公園だったり。批判とかではないんですけど、社会が見える。

佐藤:そうね。そういうものも付随してるね。だから俺みたいな犬にあまり興味がない人でも面白い。

大西:ははは。

佐藤:ほんと永森さんの「動物とおっさん」シリーズは、犬を擬人化したり、犬が大活躍したり、最後に死なせて涙を誘う、ということは一切せず、犬はそこにいるだけ。でもその存在がオッサンをほんの少し成長させる。それが本来の犬と人の関係……俺喋り過ぎ?

渋川:大丈夫です(笑)。

 
――撮影のときには何かご苦労はありましたか?

大西:とにかく脚本が面白いので、それをいかにちゃんとできるかというところでしたね。

石本:結構アドリブもありましたよね。

佐藤:そうなの?

渋川:セリフはそのままじゃなかったですか?

 
――動物が絡むからですかね。

渋川:あぁ、そういうのはね。

石本:そう。やっぱり犬が行きすぎたりとか、そういうときに「待て」とかいうのはどうしても出るんですけど、そういう対応が三者三様で出ていて、またいい色になっていたかなと思います。

 
柴公園

――佐藤さんは、ほぼあたるパパとの絡みでしたが、きっちり脚本通り話されていたとか。

渋川:はい。

佐藤:そこは声を大にして言ってください! そうじゃないと思ってる人が多いんですよ。

石本:すげー前のめりになってる。急に!(笑)

大西:ははは。

佐藤:渋川さん、どうぞ。

渋川:本当にそうなんです。こちらは勝手なイメージで色んなことをされてくるのかなと思っていたら、きっちりセリフ通り演じられて。

佐藤:セリフを?

渋川:一字一句。

佐藤:ね。

石本:うるさいなぁ(笑)。

佐藤:いや、だってみなさん誤解してるから。
 
柴公園
 
――渋川さんのナレーションもよかったです。

石本:僕思ったんですけど、このシリーズってあのモノローグがあるから成立するというか。

 
――哲学的になりますね。

佐藤:永森マジックね。半分くらいはったりですよ。

石本:あはは。

佐藤:それをなんとなくそれっぽく、哲学っぽく。

渋川:見えます、見えます。問答みたいに。

石本:あれなかったら、ただだべってるだけになりますもんね。

大西:あはは、確かに。

石本:やっぱりあれが必要なんだろうな。

渋川:ですね。ちなみにナレーション関連を録った日は、実はひどい二日酔いだったんです。

大西:前の日に打ち上げだったんですよね。僕も完成した映像を見たときに、あ、キーさんちゃんと喋れてるって思いました。

渋川:打ち上げで飲んでるときは監督もプロデューサーも、二日酔いくらいのほうが力が抜けていいんじゃないですか?とか言ってたんですけど、いざ現場に行ってピリっとした空気になってるとそうもいかないっていう。

佐藤:分かります。なんでああいうとき、周りは、二日酔いのほうが力が抜けて~とかって言うんですかねぇ。実際には具合悪いし、むしろ力が入るっていうね。
 
柴公園
 
――役柄的には新しいキャラクターができたなという実感はありますか?

渋川:そういうのはないですね。

石本:僕から見たら渋川さんも大西さんも最高ですよ。このふたりがこんな感じになるんだって。僕はずっとコメディのほうでやってますけど、こういうちゃんとした芯のある役者さんがこんなおっさん役で。

佐藤:渋川さんっていうと怖いイメージがあるからね。僕も「初めまして」のときはちょっと緊張したんですけど、本当にこのまま。で、「よーい、スタート」って撮影が始まってもこのまま。すげーと思いましたね。いい意味でその辺のおっさん。

石本:おっさん感がね、最高です。

佐藤:最上級の誉め言葉です。

 
――石本さんのさちこパパもとても自然な感じでした。

石本:僕はあのまんまです。僕最初に勘違いしていて、自分はじっちゃんパパだと思って読んでて、大変だなと思ってたんです。でもあたるパパもじっちゃんパパも魅力的で、みんなやりたかったです。さちこパパは一番普通ですから。本当にお二人の個性が強いし、ほかのキャラクターもみんな個性が強いと思いました。
 
柴公園
 
――映画では桜井ユキさん演じるポチママも結構出てきますね。

渋川:あたるパパもポチママも、どっちももじもじしててね。

佐藤:もじもじしてるよね~。

 
――最後にひと言ずつお願いします。

渋川:DVDも出てますし、ドラマ版からぜひ見てもらいたいのですが、ドラマの流れから、またちょっと動きがあります。ポチママとのエピソードも、ドラマを見ていたら、すごく少しずつですけど、段階があるので。あとはそうだな、それこそ二朗さんがいっぱい出るので、そこが映画版の魅力じゃないですかね。

佐藤:なんだそれは。

大西:ドラマはひたすら無駄話で、それが映画版になると、ちょっと背景が見えてくるというか。シリアスというほどではないんだけど、この人たちにも色々あるんだなというのが見えてきま
す。ドラマを楽しんでいただけた方なら、映画も絶対楽しめると思います。

石本:映画になると、よく急展開が、なんて言ったりしますが。急展開なんてまったくありません。そこを楽しんでもらいたいですね。

佐藤:本当にドラマ、映画を通じてずっとだべっている。そういう意味では地味ですよね。レインボーブリッジを封鎖しないし、殺人鬼も産業スパイも爆発しない。だけど、いろんな大きな事件が起きる映画に引けを取らないくらい、気持ちの動き具合はあるかなと思います。

 

 
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(C)2019「柴公園」製作委員会

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