『社会化』がへタレ系日本犬を救う!子犬・成犬の社会化方程式!

愛犬の社会化を進めれば、犬にも飼い主にも多くのメリットがある。お互いの生活の質を高めるためにも、すべての犬には社会化を進めて行きたい。

 

子犬の社会化

▼社会化を始めるぞ! と気合いを入れる必要はない

日本犬の社会化

まず最初は日常生活で接することが多い、身近なものから慣らしていく。見る、聞く、近づく、触る、というように、少しずつステップアップすることが大切。生後4ヶ月までの社会化期の子犬は、警戒心より好奇心が強いので、積極的に社会化を進めていこう。ただし、強すぎる刺激は子犬の心身に負担をかけてしまうので注意。

 

子犬の社会化の方程式

経験+対処法=社会化
生後4ヶ月までの社会化期の子犬は好奇心旺盛。いろいろなものと積極的に触れ合わせて経験を積ませる。
 
家族以外の人に慣れる

日本犬の社会化
 
友人を自宅に招く

食べ物をあげてもらう

握った手を犬のあごの下に出してもらう

胸元を優しく撫でてもらう

友人(子犬にとって見知らぬ人)を自宅に招く。子犬は離れて友人を観察。次に食べ物をもらい、慣れてきたら友人のにおいを嗅がせる(友人は手を軽く握って子犬のあごの下へ)。次に撫でよう。

見知らぬものに慣れる

・旅行用のバッグを置く
・大きいぬいぐるみを置く
・カサカサ音がする袋を置く

ご家庭にあるものから子犬が今まで見たことがないもの(旅行バッグや袋)を部屋に置く。不意の動きや大きな物音がしないように環境を整えてから子犬を連れてこよう。

いろいろな音に慣れる

静かな環境音を小さく流す

静かな環境音をやや大きく流す

大きめの環境音を流す

環境CDや動画サイトなどを利用して、いろいろな音を聞かせる。最初は足音などの静かな音を小さく流して、徐々に電車や花火などの大きめな音に変えていこう。

触られることに慣れる

手に食べ物をのせて与える

食べさせながら背中を撫でる

食べさせながら足先を撫でる

子犬は食べ物を指でつまんでも出しても気づかないことがあるので、手のひらにのせて与える。食べさせながら背中、徐々に足先や尾などの先端を撫でよう。

外の環境に慣れる

スリングに入れて近所を歩く

少し賑やかな駅前を歩く

賑やかな幼稚園の前を歩く

スリングは子犬の反応を見やすく、子犬が不安を感じた場合は早めに中断するなどの対処ができる。人と密着することで子犬も安心感を得られる。静かな場所から徐々に賑やかな環境へ移動しよう。

しつけ教室を見学する

スタッフに食べ物をもらう

スタッフに抱っこしてもらう

しつけ教室や犬の幼稚園を見学に行こう。犬に慣れているスタッフに食べ物をもらう、撫でてもらう、抱っこしてもらうなど、子犬に触れ合いの経験を積ませることができる。

動物病院の受付に行く

スタッフに食べ物をもらう

スタッフ&獣医師に撫でてもらう

ワクチンの接種などで通院している動物病院に慣れるために、子犬をスリングに入れて連れて行こう。最初は受付を眺めるだけでもOK。少しずつスタッフや獣医師と接していこう。

首輪(ハーネス)とリードに慣れる

日本犬の社会化
 
首にリボンを結ぶ

首輪(ハーネス)をつける

首輪(ハーネス)にリードをつけて室内を歩かせる

最初はリボンを首に軽く結ぶだけでOK。3ヶ月を過ぎた頃に首輪(ハーネス)をつけて、慣れたらリードを引きずらせて室内を歩く練習。散歩デビューの前から慣れておけば、スムーズに散歩に行ける。
人の格好に慣れる

家族が洋服を変える

帽子をかぶる

サングラスをかける

見慣れないかぶりもので変装する

見慣れない格好の人を怖がらないように慣れる練習。外出していろいろな格好の人を見せることは刺激が強すぎるため、自宅で家族が服装や持ち物を変えて見せよう。洋服や帽子、サングラスなどの日常的にあるものを利用すると、適度な刺激になる。

いろいろな床・地面に慣れる

自宅の砂利道を歩く

自宅のテラスを歩く

庭の芝生を歩く
 

成犬の社会化

苦手なものがあるなら社会化不足が考えられる

日本犬の社会化

社会化期を終えた生後5ヶ月以上の子犬と成犬は、好奇心よりも警戒心が強くなっている。成犬の社会化の方程式を参考に慎重に進めていきたい。
生後4ヶ月までの社会化期にいろいろなものに慣れる練習ができればいいが、迎えた時期によっては間に合わない場合もある。しかし、成犬でも社会化はできる。方程式を参考に、飼い主が様子を見ながら進めてあげたい。また、日本犬は見知らぬ人や犬に警戒する犬もいる。犬は吠えるもの、苦手なものがあっても仕方がない、とあきらめるのはまだ早い! これらは社会化不足で解決できるかもしれない。日常生活の中から克服させたいものを厳選して、社会化を行おう。

 

成犬の社会化の方程式

苦手なもの+すごく好きなもの=社会化
生後5ヶ月以上の子犬や成犬は、苦手なものと大好きなものを組み合わせて慎重に行う。

犬・人に慣れる

愛犬が警戒しないくらい遠くからみて食べ物を与える

少しずつ近づいて食べ物を与える

すれ違いながら食べ物を与える

見知らぬ人や犬を食べ物がでる合図に変える。フレンドリーな性格に変える必要はない。苦手だった見知らぬ犬や人に過剰に反応しないで落ち着いてすれ違うことができれば充分に社会化できている。

自動車に慣れる

車の近くで食べ物を与える

ドアを開けたまま車内で食べ物を与える

車内で犬をケージに入れている場合は、以下から、食べ物をあげる前に「ケージのドアを閉める」手順を加える

ドアを閉めてから車内で食べ物を与える

乗車後、エンジンをかけて食べ物を与える

乗車後、車を少し動かしながら食べ物を与える

乗車後、走りながら食べ物を与える

乗車後、犬が好きな場所に行く

自動車に乗るといいことがあると教える。エンジンがかかった自動車に乗ることは犬にとってハードルが高い。基本的には犬が乗車後にエンジンをかける。車酔いをする場合は、獣医師に相談して酔い止め薬を飲ませよう。

寛容できないものを許容

愛犬が苦手なものは克服できるように社会化を進めてあげたい。完璧を目指すしつけではないので、どうしても克服できないものがあっても大問題にしなくてOK。犬が苦手なものに会わないように、飼い主が工夫して避けてあげよう。

 

警戒心が強い日本犬を社会化で寛容な犬に育てる

日本犬の社会化

犬の社会化を上手に進めるためには、義務だと思わないこと。これを経験させてみよう、買い物のついでに出かけよう、あれは怖がらないかな? と、愛犬が経験していないことを探して楽しみながら行おう。

人、音、環境に対する社会化を進めていくうちに、特に苦手なことが出てくるかもしれない。集中して克服させようとするとさらに意識してしまう恐れが。苦手なものに似た苦手意識が少ないものから克服していこう。

危険を回避するために、見知らぬものを避けるのは生き物の本能。警戒心は必要だが、頻繁に過剰な反応をしていては犬も飼い主さんも大変。落ち着いて対処できるように教えてあげたいもの。シャイな性格であっても社会化を行えば恐怖を感じることは少なくなる

お互いの生活の質を高めるためにも、社会化を進めてあげよう。犬の社会化期は生後4ヶ月で終わるが、社会化は生涯に渡って続けることが理想だ。社会化された犬も、年齢を重ねるごとに受け入れられないものが出てくる。社会化は貯金と同じで積み重ねが大切。警戒心が強い日本犬こそ、おおらかな心を持つ犬に育てたいもの。楽しみながら社会化を実践していこう!

 
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Shi‐Ba vol.71『子犬も成犬も、怖がりもガウガウも、すべての日本犬をおおらかに育てよう!「社会化」がへタレ系日本犬を救う!!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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