犬びより

喜び!? 興奮!? イヤイヤ!? 怒り!? ムキッ歯さんの本音を探れ!

2019/11/28

お手入れ時、リードや首輪、レインコートなどの装着時、オモチャやオヤツを守っている時、犬同士で遊ぶ時、笑顔の時など、犬の歯がムキッと見える時の犬の気持ち。そこには、社会化期の過ごし方や、柴ならではの序列にこだわる気質も関わっていて、なかなか興味深いのだ。
 

 

2つの筋肉の連携でムキッ

柴犬のムキッ歯

犬の歯が見える場面はいろいろあるが、今回は嫌なことをされた時にムキッとなることを「ムキッ歯」と呼び話を進める。

写真を見てもわかるように、柴はムキッとなる場面が多い。上唇挙筋鼻唇挙筋という2つの筋肉が連携することによって犬歯が見えるように唇がめくれ上がる

犬はこの筋肉が人よりも発達していて、特に長頭種の柴はパグなどの短頭種に比べ、歯が見えやすいのだ。あのムキッ歯は顔の構造にも関係していたわけだ。

また、猟犬として獲物を追い詰めるなど、勇敢な部分が残っているので『嫌なことや怖いことから逃げる』より『立ち止まって唸ったり、威嚇をする』など、他の犬種に比べて好戦的な面が見られる傾向もある。

柴犬のムキッ歯

柴犬はラブラドールやキャバリアなど、柴犬と同じ位の世代を経ている犬に比べ、原始的な本能が強く残っている。狼に近いと言われているので(狼が先祖というわけではない)、唸ったり、犬歯を見せて相手に自分の地位を示すことも

つまり、柴犬は序列を気にするタイプというわけだ。ちなみにお手入れなどをされている時にムキッとなるのは、イヤだからやめて、という気持ちを相手に伝えているサインなのだが、飼い主のことを自分と同等だと思っている可能性が高いそう。

自分よりも序列が下だと思っている場合は噛む可能性が高まり、自分よりも上の相手に対しては我慢する

家族によっても犬の態度が違うのは、普段からの犬との関係性が大きく影響するのだ。犬が安心して暮らすためには、家族内での犬へのルールを一貫させ(抜け駆けは禁止!)、人が暮らしにおけるリーダーシップをとる。

そして一人一人が犬との関係性を築き、犬からの信頼を得ることが大切。

ムキッ歯には、嫌、警戒、威嚇、不安、縄張りを守ろう、といった気持ちが含まれることがあり、これ以上やると噛むよ、という犬からの警告のサインでもあることを覚えておこう。

 

ムキッ歯になる前の犬からのシグナル

柴犬のムキッ歯

「ムキッとすれば嫌なことをされずに済む」と学習しているから、ムキッ歯をする。本当はムキッとなる前に飼い主が「嫌なんだな」と気づいて犬に対する行動をやめてあげられるのが望ましい。ムキッとなる前のサインには下記のようなものがある。覚えておこう。

1.嫌だなと感じている時のサイン例

・眼を細める 
・唇をペロペロ舐める 
・顔を背ける 
・耳を寝かす 
・あいていた口が閉じる
・あくびをする
・かゆいはずがないのに体をかく 
など

 
2.かなり嫌だなと感じている時のサイン例

・目の白い部分が見える 
・口角を引いて口を閉じている 
・毛が逆立つ、体がこわばる 

など

 
3.追い詰められた時に見せるムキッ歯

・歯茎が垂直に上がって前歯が見える=「やめろよ!」という好戦的な気持ち

・口角を激しく引いて喉が見える=「やめてください!」という恐怖に満ちた気持ち

 
このように犬は「やめてね」というサインを出している。1の段階で飼い主が気づいて止めれば「この人は自分の気持ちをわかってくれる人だ」と犬も飼い主を信頼し、攻撃性をあおることもない。

 

犬のムキッ歯 まとめ

柴犬のムキッ歯

柴犬は触られるのが苦手というイメージがあるが、子犬の頃の社会化期に多くの人から触られていれば、お手入れなどに関する問題は8割方なくなるようだ

ただし、日本犬は洋犬に比べ、社会化期が短い(生後8~10週齢あたりから独立心が出始める。これは洋犬の子犬の社会化期が始まる時期に相当)ので、飼い主の家に来る頃にはほぼ社会化期が終わり、それまでいた環境で触られることに慣れていないと、体を触られることを嫌がる犬になりがち、ということなのだ。

では、現時点でムキッとなりやすい犬に対して、どう対処すればいいのだろう?

ムキッとなるシーンは飼い主さんなら想定できるはずなので、ムキッとなる前にオスワリやマテなどの指示を出し、犬がそれに従うことができたら『できたね! おりこうだね』と、オヤツなどのごほうびをあげてほめてあげよう。

また、ガムやオモチャなどを守ってムキッとなる場合は、その物よりもはるかに魅力的な物と交換すること。

犬を嫌がることを無理に行って追いつめない、問題をこじれさせない、嫌な経験を積ませない、ことが大切。その時の経験を嫌なイメージで終わらせるのではなく、もう一度ケアしておこう。時間をかけた分だけ、犬はリアクションしてくれるものだ。

ムキッとなるけれど噛まない犬でも、次回はその時の状況によっては噛む可能性もあるということを頭に入れて、「嫌だな、やめてほしい」という気持ちから見せるムキッ歯は、できる限りなくしてあげた方がいい

実は人に笑顔を見せる時にも、ムキッ歯が見えることがある。これは人に対してだけ、人の真似をして見せてくれる行動でもある。こんな時はぜひ、飼い主さんも笑顔で返してあげよう!

 
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Shi‐Ba vol.103『喜び!? 興奮!? イヤイヤ!? 怒り!? ムキッ歯さんの本音を探れ!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。
 

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