犬びより

【オトナのカイダン】日本犬の成長を見守り、飼い主も一緒に駆け上がろう!

2020/04/16

顔つきが精悍になったり、遊びに対して急にクールになったりなどの変化は、オトナのカイダンを登り始めた証拠かも。今回は、良いオトナ犬に育てるためのアドバイスを紹介!
 

 

オトナの定義

 
日本犬の成長

犬のオトナの定義は肉体的にはわかりやすいが、精神的には認識が分かれるところもあるはず。今回の企画では「オトナ=良い家庭犬=その場の空気が読め、適切に行動できる犬」と定義することにした。

肉体的には大人でも、空気が読めない犬もいるが、飼い主の接し方次第で、いくつになっても良い家庭犬としてのオトナを目指すことはできるそう!

 

成長を喜びながら対応していこう!

 
犬がオトナになると、肉体的、精神的にさまざまな変化が訪れる。ヒートマーキングの増加といったわかりやすい変化もあれば、「刺激に敏感になり怖がるようになった」「初めての犬と仲良くなりにくくなった」など、いつの間にか子犬時代の無邪気さが失われたような変化に戸惑う飼い主も多いのではないだろうか。

日本犬の場合、社会のさまざまな刺激に適応し、社会性を身につけられる社会化期は生後14週くらいで終わり、そこから若齢期、青年期に入ると、刺激に対して不安や恐怖を感じるようになってくる。

例えば犬の行動が良くなってきている過程で、犬が急に指示していないことをやり始めたり、号令をかけていないのにフセしてじっとしていたりなど。

でも、そうした変化こそがまさにオトナのカイダンを登っている証拠。変化に気付いたら、成長を喜ぶとともに、心配するのではなく先手を打って飼い主さんがきちんと対応していこう。それがよいオトナ犬を育てるために必須。

オトナのカイダンを登ることによる具体的な変化や、飼い主がとるべき対策は、以下で紹介。

 

オトナ度チェックリスト

日本犬の成長

オトナ度1 肉体的成熟

□ヒートが始まった(メス)
□マーキングが頻繁になった
□寝ている時間が増えた
□排泄のタイミングが固定された
□足を挙げておしっこ(片脚挙上排尿)するようになった(オス)

 
オトナ度2 精神的な成熟

□草むらでにおいを嗅ぐことが増えた
□飼い主を見たり待ったりできるようになった
□難易度の高い遊びに
□集中できるようになった
□状況を先読みして行動できるようになった
□仲の悪い犬を避けることができるようになった

 
オトナ度3 家庭犬としての成熟

□興奮しても落ち着くのが早くなった
□どんな場面でも飼い主の指示をきけるようになった
□1匹で留守番できるようになった
□他の犬のしぐさを観察して正しく
□反応できるようになった
□飼い主が犬の行動を見てリラックスできるようになった

 

オトナのカイダンをのぼるとどうなる?

■食

日本犬の成長

あまり食べなくなったり、食べムラが生じたりするケースも。理由は肉体的成長が止まり必要エネルギー量が下がることや、メスの場合ヒートに入ると食欲が落ちること。逆に避妊去勢手術をすると、ホルモンの影響でより食欲がわくことも。

▽接し方
オヤツの選り好みをする犬の場合は、食べないオヤツも、2~3日おいてお腹がすいている時に与えるとまた食べることも多い。

 
■体のこと

生後4ヶ月頃から歯が生え変わり、6ヶ月頃には体高の伸びが止まる。メスはヒート、オスは足を上げてのマーキングが始まり交尾ができる体に。メスは気に入ったオス以外を拒否したり、オスはヒート中のメスのにおいを執拗に嗅いだりも。

▽接し方
オス同士のトラブルを避けるには、相手が近づく前に飼い主さんが察知して回避するか、犬が気づく前にオヤツを。また去勢手術すれば治ることも」

 
■散歩

日本犬の成長

行きたがらなくなったり、歩きしぶる犬も。散歩中は他の犬のにおいが気になり、草むらのにおいをずっと嗅いだり、マーキングが頻繁に。オスは性的にアピールしたい相手が近くにいると態度が豹変する。

▽接し方
「散歩は犬が学習をする貴重な機会。ドッグランや庭とは違い、音の刺激や攻撃的な犬から犬を守る意識を。気づいたら道を変えたり、犬が気づく前にオヤツを与えてトラブルを避けて」

 
■遊び

日本犬の成長

どんなオモチャでも喜んだ犬が、興味を示さなくなったり、知育玩具など遊び甲斐のあるものを好むようになることも。

▽接し方
遊び方には個体差もあるので、その犬の遊び方が変わったと感じた時が、カイダンの登り始めといえる。頭を使った複雑な遊びを好むようになる犬も多いので、もっと遊ばせたい場合は、知育玩具を与えたり、飼い主さんも一緒に遊ぶなど、遊び甲斐を高める工夫を。

 
■行動

猪突猛進だった犬も、行動に移す前に周りを見て考えるように。子犬の時期は恐怖を感じたり処理する脳の部分が発達しておらず、刺激に対して恐怖を感じないが、生後6ヶ月頃から恐怖を認識する。

▽接し方
犬はとるべき行動がわからない時に緊張が高まり不安に。そんな時『大丈夫』と言っても犬にはわかりません。何か号令をかけてできたらほめることで犬は安心する。

 
■態度

日本犬の成長

洋服を嫌がるなど頑固になる犬も。また寝ている時間が増え、留守番中にきちんと待てるようになる犬も。

▽接し方
洋服は、オヤツを食べさせほめて着せれば着続けられる。留守番をさせるには日頃からクレートトレーニングをしておき、待てたらほめることが大事。寝る時間が増えて帰宅のお出迎えをしなくなる犬もいるが、1匹でも安心して待てることはオトナの証拠。

 
■排泄

する場所を理解し、ある程度我慢もできるようになって間隔が空いてくる。

▽接し方
排泄時に『ワンツー、ワンツー』と号令をかけ、オヤツをあげることで号令を聞けばどこでもできる犬になっていく。外でしかしない犬は雨の日に我慢すると便秘や膀胱炎の原因に。毎回号令をかけ、においをシーツにつけ、玄関の外、中、やがて廊下へと段階的にシーツを置く場所を移動しつつ室内トイレに慣らして。

 

他犬種と比較

 
中型犬は肉体的に生後8~9ヶ月でオトナになるが、特に日本犬は成熟するのが早く、生後6ヶ月でヒートがくるメスも多い。

ちなみにゴールデン・レトリーバーなどは1歳頃にくるケースも多く、比較するとかなり早いといえる。

精神的にも洋犬とくらべて社会化期が終わるのが早く、恐怖心や警戒心を早くから感じやすい傾向に。

基本的に、遊びに対してもクールな印象。パピークラスでも、洋犬と遊んでいても日本犬はすぐ落ち着く犬が多く、オトナっぽい。

 

オトナになるメリット

 
日本犬の成長

肉体的には体格がしっかりし、免疫力もついて、食事や排泄のタイミングも決まってくるので飼い主としては管理が楽になる。

精神的には適切に育てていれば安定してくるので、癒しの対象としてとらえやすくなってくる。

犬が飼い主さんを信頼して安心して過ごしている状態では、飼い主さんも安心して犬を見ていられるので、お互いの絆がどんどん強くなる

犬がオトナに育つということは、飼い主さんの安らぎにもつながる。

 

オトナになるデメリット

 
肉体的なデメリットとしては、メスの場合はヒートがあげられる。体調が不安定になり、散歩に出かければオスが群がってくるなど、管理が大変になることも。

オスもマーキングマウンティングなど、性的な成熟にともなう問題行動が起こりやすくなってくる。

精神的には、適切なしつけを受けていない場合、分離不安や困った行動などのトラブルが起きることも。

気になる問題がある場合は、なるべく早い段階で対処し克服していくことで、犬も飼い主もリラックスして生活できるようになる。

 

オトナになりきれない犬も

 
日本犬の成長
 
成犬と呼ばれる年齢になっても、精神的にオトナになりきれない犬もいる。

タイプは2通りあり、1つは飼い主への依存。自立心を養うトレーニングが足りていないため、1匹でいると不安になり、進行すると分離不安に発展することも。これを避けるにはクレートトレーニングが有効。

もう1つはルールの認識不足。家庭において、吠えてはいけない場面や噛んではいけない場所などを適切な号令をかけて教えていなければ、犬はそれをしてしまうだろう。犬は叱られても、何が悪いのかわからず、飼い主にいちいち邪魔されていると感じ、攻撃的になってしまうことも。そこで飼い主が対応をやめれば、しめしめと思って余計に攻撃的になる場合もある。

いずれも飼い主さんの適した対応が肝心だ。

 

こんな困った時は……

 
犬の興奮

仲良しの犬といる時など、ハイテンションが抑えきれない場合は、トラブルに発展する恐れもあるので、やめさせられるようにしよう。

ポイントは、やめられなくなるまで放置しないこと。犬は興奮して3回吠えるとやめられなくなると言われている。

また犬を観察していると「これ以上続けたらやめられなくなる」というタイミングがわかるはずなので、その前に犬が知っている号令をかけ、できたらほめよう。

特に「フセ」は落ち着かせやすいのでおすすめ。激しく叱ると余計に興奮するので避けましょう。
 
犬の破壊行動

1歳くらいまでは壁紙を破ったり、ドアや家具を噛んだりする犬は多いもの。激しく叱ると、犬は攻撃的になることがあるのでやめよう。

「スワレ」など犬ができる号令をかけ、できたらほめることを繰り返す。日頃からクレートトレーニングをしておくことも有効。

また、自分だけの空間があると犬は落ち着く。中にオヤツや知育玩具を入れておくと、一人で遊んだり寝たりする。時々声かけして追加でオヤツをあげれば「入るといいことがある」と学習し、自ら入るように。テレビや生活動線から外れた静かな場所に置こう。

 

オトナの犬に育てるには接し方が重要!

 
日本犬の成長
 
犬をオトナに育てるためには、飼い主の適切な接し方が欠かせない。

日本犬がオトナになる時期は一般に生後8~9ヶ月頃とされているが、体格や性別などによっても時期は違う。

オトナの犬に育てるためには、本などを読み、今犬がどの段階に差し掛かっているのかを把握し、対策をとることが大切。

社会化が終わる前にしておきたいのが、オヤツを使って号令への反応を強化するしつけ

マテ、コイなどが号令にしたがってきちんとできるようになれば、犬が何らかの刺激に恐怖や緊張を感じても、号令とオヤツで乗り越えることができる。

もし犬が社会化期を過ぎていて、刺激に対して恐怖で動けなくなったり、攻撃的になるなどの問題があれば、年数が経っているほどに克服は難しくなっていくので、早めに対策をとろう。

また、好ましくない行動はあらかじめ回避し、いいことをしたらほめることも大切だ

好ましくない行動が出るとつい叱りたくなるが、悪いことをしている時だけ声をかけてしまうと犬は反抗的になる。

例えば家具を噛んで困る場合は、スプレーを適切に使ったり、噛んでもいいものを与え、それを噛んでいる時にほめることで、犬は噛んではいけないものを噛まなくなる。

今はできていなくても、1日でも早めに対策をとることで問題は克服しやすくなる。上のチェックリストの「オトナ度3」にチェックがつくオトナ犬を目指そう!
 
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Shi‐Ba vol.107『体と心の成長を見守り、飼い主も一緒に駆け上がろう! オトナのカイダン』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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