犬びより

愛犬は本当に喜んでいる? 日本犬専用【ほめる技術】

2020/08/07

そっけない日本犬のほめ方に悩んでいる飼い主に知ってほしいほめる技術とは? ほめテクを身につければ、日本犬ともっと仲良くなれるかも。
 

 

撫でられてもうれしいとは限らない

日本犬のほめ方

「いいこ」とほめても冷めている。「おりこう」と撫でても迷惑そう。どうすればそっけない柴犬の心をつかめるのだろうか?

悩める飼い主のために、本特集では日本犬のほめ方についてとことん解説しよう。

日本犬をほめる時は急に撫でないこと。手をサッと出されるとびっくりする犬が多いので、ほめ言葉と報酬(ごほうび)をセットにするのがほめ上手への第一歩。

撫でるとほめるをセットにしている方は多いのでは? それに撫でられてうれしそうな日本犬もいるのではと思うかもしれないが、撫でられることを“喜ぶ”というより“受け入れる”犬はいる。

自分への好意だとわかっているから、『まぁいいか』と思っているのかもしれない。良い関係を築いている証拠だが、必ずしも撫でる必要はない。

 

ほめ言葉の豆知識

日本犬のほめ方

ほめ言葉は大きく分けて2種類。「合図としてのほめ言葉」と「ポジティブな気持ちを伝える声かけ」がある。ほめ言葉の技術を磨き、意識して使い分ければもっと日本犬と仲良くなれる!

□合図としてのほめ言葉

クイズ番組の「ピンポーン」と同じ役割
「今の行動は正解」と伝えるためのほめ言葉。オスワリをした、車に乗った、目が合ったなど、好ましい行動をした瞬間をほめるための言葉なので、「よし」「いいこ」など早く言える短い単語がおすすめ。このほめ言葉はクイズ番組の正解を伝える「ピンポーン」と同じ意味なので、家族で統一した方が伝わりやすい。クイズ番組の「ピンポーン」の音が毎回違うと正解がわからないのと同じで、統一されていないと犬もとまどってしまうので気をつけよう。

 
□ポジティブな気持ちを伝える声かけ

「すごい」「うれしい」などの感情の表現
家族の愛情を伝えるための言葉。特定の行動に対して正解を伝える目的ではないので、「合図としてのほめ言葉」のように統一する必要はない。「かわいい」「おりこう」「○○ちゃんはかっこいいね~!」など、言葉は何でもいいので明るく気持ちを込めよう。

 

ほめテク Q&A

日本犬のほめ方

Q.おすすめのほめ言葉は?

A.“解除の合図”と区別できる言葉

ほめ言葉は普段使っている“解除(許可)の合図”とはっきり区別できる言葉を選ぼう。例えばほめ言葉が「よしよし」で、解除の合図が「よし」では犬が混乱してしまう。解除の合図に「よし」を使っている飼い主さんが多いので、「いいこ」や「おりこう」をおすすめすることが多い。その他「えらい」「グッド」「かしこい」でも、ご家族で一つに決まっていればOK。

 
Q.ほめてオヤツをあげても喜びません

A.時間を決めて食事を与える習慣を変えて

決まった時間に決まった量の食事を与えていると、日本犬は「別に今すぐ食べなくてもいいや」と思う。時間を決めずに少量ずつ与えよう。1日分フードをポーチに入れて身につけておくのがおすすめ。オスワリなどの号令の後だけでなく、なにげないリラックスの時間に突然あげてみよう。犬が予想していない時に報酬を与えることで、犬が飼い主さんに意識を向けるようになる。

 
Q.おとなしく撫でられている犬もいるけど?

A.親戚に撫でられている子供と同じ

飼い主さんの好意をわかっていて「仕方がない」と受け入れる犬はいる。イメージとしては、子供が親戚に撫でられている時、「おじさんは良い人だし、お年玉をくれるし」と思いながら我慢している様子に近い。日本犬をほめるためにむやみに撫でない方がいいのが、触らなくていいということではない。犬の足を拭いたりブラッシングしたりする世話は別に練習しよう。

 
Q.散歩中にオヤツをあげても食べません

A.好きな行動を報酬にしてみよう

屋外では周囲に犬の興味を引くものがたくさんある。その状況でランクの高いオヤツを与えようとしても、食べないことがよくある。必要な食べ物を与えられている日本犬の場合、興味やストレスが食欲に勝る。好きな行動をさせることがオヤツよりも価値の高い報酬になる。下で詳しく紹介している“猟犬らしい行動”をごほうびとして活用しましょう。

 
Q.ほめ言葉以外に大切なことは?

A.“解除の合図”と“禁止の合図”

“解除の合図”と“禁止の合図”を教えること。解除の合図は号令を行った後に「終わりにしていい」という合図。犬が勘違いしないように、ほめ言葉と全く違う言葉にしよう。ほめ言葉が「いいこ」なら解除の合図は「OK」にするのも一案。実際に使う場合は、「オスワリ」→犬がオスワリする→「いいこ」→報酬を与える→「OK」という流れ。

 
Q.男性と女性はどちらがほめ上手?

A.声のトーンでは女性。性別により違いも

声のトーンが明るいほうが犬にほめ言葉が伝わりやすいので、そういう意味では女性かもしれない。性別によってほめ方に特徴があり、女性に多いのはほめ言葉が会話に混ざって伝わりにくくなること。「いいこなんだからちゃんとできるはずでしょう」といった感じ。男性は号令ばかり言ってほめない方が多い傾向がある。号令もほめ言葉も禁止の言葉も声のトーンが全部同じケースもある。

 
Q.声のトーンの使い分け方は?

A.興奮させたくない時など状況に合わせる

動いてほしくないオスワリやマテをさせている時や、興奮させたくない時は、声を小さくしたりトーンを落としたりしてゆっくりほめよう。失敗ケースでは、「犬がトイレを覚えない」と悩んでいる飼い主さんを訪問したら、犬がトイレシートに乗った時に「いいこー!」と大声でほめながら走り寄っていた。犬は驚いてトイレからはみ出していました……。シチュエーションに合わせて使い分けよう。

 
Q.オスワリをほめると立ち上がってしまう

A.伸ばされた手から逃げている可能性が

日本犬に非常に多い例で原因はさまざま。ありがちなのは、飼い主さんが撫でるために伸ばした手に驚いて反射的に逃げようとするケース。撫でる以外のオヤツや行動を報酬として使おう。その他、ごほうびのオヤツを1個と決めていることも理由の一つ。犬が「1個もらったら終わり」とすぐ立ち上がってしまう。姿勢を維持している限り連続で与えて、最後に“解除の合図”で終わりにしよう。

 

しつけ・暮らしの資料

日本犬のほめ方

名前・ほめ言葉・解除・禁止

犬の呼び名は大切に使うこと。意味もなく名前を連呼したり、脅すような調子で名前を呼んで叱ってはいけない。トレーニングとしては、名前を呼んだ後に必ず犬にとって良いことが起こるようにする。

ほめ言葉(よしよし、いいこ、おりこう、グッドなど)は家族の間で統一しよう。望ましい行動に対して撫でたり食べ物を与えたりする場合には、必ず先にほめ言葉をかけて。ほめ言葉の意味が十分に理解できていない場合は、ほめ言葉と食べ物をセットにして教える。

解除の合図を決め、号令で何かをさせた後は必ず解除するようにしてください。なし崩しに勝手に解除する習慣を作ってしまうと、本当に役に立つ号令にはならない。解除の合図はほめ言葉と区別しやすい言葉にして。

禁止の合図は声で脅すのではなく、ごく普通の調子で声をかけ、その直後に次の3つのいずれかを示して。

1.行動が続けられないようにする
2.良いことを取り去る
3.嫌なことを与える

ただし、「3.嫌なことを与える」は飼い主に対して嫌悪感を持たせてしまうことが多いので乱用しないように。

特に、叱り声を張り上げながら体罰を与えることは絶対にやってはいけない。また、行動を続けることが可能な状態では禁止の合図を乱発しないこと。

飼い主の意図とは逆に「禁止されても無視してしまえばいい」と学習してしまいます。

 

ほめる技術 まとめ

日本犬のほめ方

飼い主のほめ言葉で犬が大喜び、というのが理想の姿。しかし日本犬はほめられてもどこかそっけない態度なのは、ほめ言葉が犬に伝わっていない。

犬は人間の言語を理解しているわけではないので、ほめ言葉を『うれしいことの前触れ』として教えることが大切。それができていないと、ほめても『飼い主が何か言ってるなぁ』で済まされてしまう。

ほめ言葉=うれしいことの前触れ。そもそも日本犬にとってうれしいことは何だろう。オヤツを与えても食べなかったり、撫でてもそっけない態度だったり……。

日本犬の場合、ほめてオヤツを与えることが報酬になるとは限らない。ベストな報酬は“その時に興味を向けているもの”。オヤツに興味を向けていれば、もちろん最高の報酬になる。

ところがそういう気分でなかったりオヤツのランクが低くて期待はずれだったりすると、口に入れた後に吐き出すことがよくある。

日本犬が好む鉄板の報酬は、“猟犬らしい行動”。愛犬の行動を思い浮かべてみて。

例えば、走る、オモチャを追う、穴を掘る、においを嗅ぐ、マーキングをするなど、いろいろな行動が浮かんでくるのでは?おそらく飼い主さんが普段なにげなくやらせている行動が多い。

困った行動でない限り犬に自由にやらせておくのは、とっておきの報酬を無条件で与えているようなもの。すごくもったいないこと。

犬が飼い主さんにとって好ましい行動をした時に、ほめてから報酬としてやらせてあげよう。オヤツの代わりに遊ぶのが好きならオモチャ、におい嗅ぎが好きならその行動をさせるのがおすすめ。

ケース1:室内でオスワリをした犬をほめる。「オスワリ」の号令→犬がオスワリする→「いいこ」とほめる→オモチャを出す。

ケース2:散歩中自主的にアイコンタクトをしてきた犬をほめる。「いいこ」とほめる→におい嗅ぎをさせる。

“その時に興味を向けているもの”をごほうびにするためには犬の気持ちになって考えること、飼い主さんのまめな対応が重要。

もし難しいと思ったら、手軽なごほうびのオヤツに頼るのも一案。犬が食べない場合はオヤツのランクを見直してみよう。

日本犬の飼い主さんにありがちなのは、犬がほめ言葉をある程度覚えたら報酬を与えなくなること。忠犬のイメージがあるせいか、主人に無償で従うのを良しとする傾向がある。

でも飼い主さんだって働いたら給料が欲しいように、日本犬だって報酬が欲しい。

ほめる技術は“ほめ言葉”と“報酬”をセットで使うことで最大の成果を生む。日本犬を上手にほめちぎれる飼い主になろう!

 
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Shi‐Ba vol.108『日本犬を撫でても、あまり喜んでいない!? と感じる飼い主さん必読 ほめる技術』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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