おとボケまる子日記:その14 まる子家的 うんこは素手で取る、素足で踏む、は常識っす♪



まる子:
2023年8月現在、16歳。おまる子様16.5周年の生誕記念祭を年末に控え、より一層の奉仕に励む老齢飼育員夫婦。猫兄妹と共にメタボ街道爆走中。

季節が変わると一気に老いが進む老犬様。庭、部屋関係なしの排泄がいよいよ始まり、夏からは素足でうんこを踏んだり、咄嗟のうんこを素手で受けたり。いろいろな意味で感無量であった。もう、家中うんこだらけ♪

Our Life with UNKO! │3ヶ月で排泄リズムが激変! オムツは終日着用

ハイシニアの排泄事情は日々変化する。前号の記事を書いた3ヶ月前は、飼い主の在宅時に「トイレに行きたい」と教えるので庭に出して対処できた。しかし、今は寝ている間に漏れたり、トイレに行きたいと言って、庭に出るまでに間に合わず漏れたり。
また、あと2時間は大丈夫だろうと思って近所に出かけ10分後に帰宅すると、オムツから漏れたうんこをまる子が踏んで歩き回って転び、本犬も部屋もうんこまみれ、という悲しい出来事がよくある(号泣)。犬、敷物、壁などの洗浄作業に追われ、疲労困憊。

 

糞尿の始末は大変だが快食快便には感謝

寝ている時間は相当長くなったが、人の食事時は起きてパンやちゅる(麺類)などを要求。食べればその分出るのは当然だが、同量を食べても以前より便の量が多くなった気が。吸収力が落ちた!?

 

歩きながら排便したり排便中に倒れることも

足の筋肉が落ちたので排便中に尻餅をつくように倒れたり、いきむ力が弱くなったせいか、歩きながら細切れにうんこをするようになった。拾い忘れて翌日踏むこともよくある。

 

オムツがなければ飼い主の生活はとっくに破綻していた

オムツ1枚だとうんこが漏れるので2枚装着は必須。大量のオムツと体を拭く古布は必需品。タイルカーペットは常に歯抜け状態。汚れた部分だけ外して洗えるのは、やっぱり便利だ。

 

留守中のトラブル│茶箪笥の下にマズルが挟まり、泣き叫ぶ流血事件

顔を突っ込みそうな場所は全てガードしたつもりだったが、甘かった。近所のスーパーに行き、15分ほどして帰ると玄関の外まで聞こえるすごい叫び声。リビングへ走ると茶箪笥の下にマズルを突っ込み、抜けなくなってパニックになっていた。
マズルは擦り傷でうっすら出血。興奮状態で心臓もバクバクしていたので、とりあえず庭に出して落ち着かせ、水を飲ませたらホッとして寝始めた。こっちの心臓が止まるかと思ったよ~。
結局、この事件の後、室内の猫タワー&猫トイレの撤去、及び飼い主が出かける際はダイニングの椅子を全て別室に移動するなど、劇的ビフォー&アフター作業が行われたのは言うまでもない。

 

10月は温度設定が難しい(涙)特に冷えやすい床は要注意

10月のやや肌寒い日に下痢。室内用マントを着せたらムッとしておられたので、中旬頃から床暖房生活に突入。しかし暑すぎるとよだれ流してバテてるし。実はこの季節の温度管理が一番難しい!?

 

こんな隙間に顔を挟むなんて想像もつかん!

before

after

子犬の頃、オモチャをここに入れた時すら顔を突っ込まなかったのに。そんなわけで、早速隙間を埋めてみた。こんな時、段ボールをストックしておくとすぐに対応できるのでオススメ。

マズルの傷は2日くらいで消えた。しかしこの事件の後、ダイニングの椅子の足に引っかかって泣き叫ぶプレイもまる子の中で大流行。怪しいものは撤去するに限る、という結論に。

 

臥床と離床│自分で起き上がれる確率、現在は1/3まで低下

「臥床」=寝具に横たわった状態。「離床」=寝ている状態から体を起こすこと。いずれも人間の介護時に使う言葉だが、3ヶ月前のまる子の自力離床率は3/4。現在は1/3。起きたい時に足をシャカシャカ動かす。
我が家ではすぐに抱っこして起こすのではなく、様子を見て自力で起き上がれるように介助。足腰を曲げて横になるのが億劫なのか、立ち寝していたり、壁や家具に寄りかかってズルズル寝倒れることも増えた。
11月からは、起き上がれない時に驚くような大きな声で叫んで助けを呼ぶ行動が出始める。近所へのお詫びの品を買いにデパ地下へ足を運んだ飼い主。

 

倒れて起き上がれないのは庭の方が確率が高かった

室内と違い足場が悪い庭。方向転換の時に体がふらついて倒れると、なかなか起き上がれないことが多かった。救助が遅いと野太い声で叫び、飼い主に圧をかけるまる子先生。

 

夏は庭でちょっと目を離すと寝倒れていたりで危険だった

真夏でも日に何回か「庭に出たい」と主張することがあった。外に出し飼い主がトイレに行った間に倒れて寝てしまい、まる子にハエがたかっている時は結構焦ったな。

 

よく夢を見るまる子♪夢の中で走り、足の筋力を鍛える

家にいる時は家事や仕事をしながらまる子のそばにいるが、彼女はよく夢の中で走っている様子を見せる。これが足の運動になっているよう。シッポをブンブン振る時もある。

 

嫉妬と甘え│猫への嫉妬、対抗心を生きる原動力にする16歳

「本当に認知症なのか? 老犬のふりをしているだけでは?」と疑惑を持つことが多々ある。猫を追いかけている時だ。
揺れながらの立ち寝中、そばを通った猫めがけて口をクワっと開け噛みつこうとする様は、ほぼイリエワニ。ブラシが嫌いなくせに男飼育員が猫にブラシをかけていると、猫を蹴散らし割り込んでくるし。
「私の目の黒いうちはあんたらの好きにはさせないよ!」という妄執のようなものが全身から立ち上る蟹座の女。猫たちがいなかったら、ここまで闘争心を燃やしながら生きながらえなかったかも、と思うとしみじみと猫兄妹に感謝。

 

獣たちが1人の初老の男を取り合う様はくだらない

男飼育員が床に寝ると、大変。「この使用人は我のものである!」と言わんばかりに、腹の上や足の上に乗り縄張りを主張する。この競争心こそ、今の彼女の生きる糧!

 

まる子もまる子だが猫もなかなかの度胸

変な所で寝倒れたまる子。すると空気を読まない猫が至近距離でくつろぎ始めた。挑発か? 御隠居の目は明らかに怒っている。最晩年になって猫との流血沙汰はやめてほしい。

 

老犬さんだからおててで食べさせて♡ あ~ん♪

食いつきが悪かった時、必死に手からあげていたら「おててからじゃないと食べないお嬢さん」になってしまった。手噛まれるし、めんどくさいけど、かわいいから許す♡

 状況 

まだできていることたくさんほめてます
■体重=5.1kg
■食事=1日に1回~3回
■飲む水=300~400ml
■睡眠=20時間位
■運動= 室内で猫追い、庭での散歩
■病気&ケガ= 冷えによる下痢くらい

できないことは日々増えている。それは受け入れなければならない現実だ。まる子が若かった頃、彼女が今のような状態になることを恐れ、女飼育員は悲しくなり泣いたことが何度もあった。
しかし、今現実として16歳になったまる子と暮らしていると、その逞しさ、したたかさ、無邪気さ、強欲さ、嫉妬深さ、弱さ、脆さ……全てをひっくるめ、「生きる力はすごい」と思う。
だから、意外にも涙は出なくて、ひたすら彼女が今できることを挙げては「すごいですね!」「カッコいいじゃん!」とほめまくる日々を過ごしている。

今後の課題

完璧だと思った挟まり対策も抜け穴多々あり
相変わらず「挟まりたい症候群」に手を焼く我が家。ほぼ毎日室内をチェックし、思いつく限りの対策をするのだが、老犬さんは人知の想像を遥かに超えることをやってくださるの。もう神レベル。逆に「おっ! そんな所にもマズルを突っ込む隙間があったのですね!」と最近ではほめ称えるようにしている。そんなわけで挟まり対策は終わらない課題。

before

今まで全く近寄らなかった台所の微妙な空きスペースに侵入し、「挟まった!」と言って泣き叫ぶ16歳。

after

侵入者が近寄れないように段ボールでガード。世にも使いにくい台所なのだよ。

Text&Photos:Mari Kusumoto

Shi-Ba Vol.130『おとボケまる子日記』より抜粋

-柴犬, 飼い方