そんな格好で寝てつらくはないのか、子犬の頃は後ろ足を伸ばして寝ていたけど、成犬になったらやらなくなったなど、犬の寝姿や眠りに関するいろいろなことを探ってみた!
寝姿にはさまざまなことが影響する
肌寒さを感じるようになる季節、ぽかぽかと日が当たる窓際で、お腹を出してスースー寝息を立ててながら寝ている犬を見ると、「犬はいいな~」と思う人も多いのでは?
仰向けになって足を広げて寝る、丸まって寝る、狭いところに挟まって寝る、フセの形で寝る、横に寝るなど、犬の寝姿にはいろいろなパターンがあると思うが、その犬の骨格、気候や寝ている場所の温度、安心しているか緊張しているか、精神的な問題など、寝姿にはさまざまなことが影響している。
仰向けで寝ている犬がリラックスしている可能性はあるが、リラックスしている犬が必ず仰向けで寝る、というわけではない。
例えば、パグなどの鼻ぺちゃ系の犬たちは、仰向けで寝ると呼吸がかなり苦しくなりそうだし、ボルゾイなどの背中が尖った犬などは、逆に仰向けで寝るほうが体勢的につらいこともあるだろう。
また、子犬の頃に後ろ足をグーンと伸ばして寝ていた犬が、成長するにつれて足を伸ばさずに寝るようになるのも、骨格形成と関係がある。
人が赤ちゃんの時に、自分の足を舐めることができるほど体が柔らかいのと同じように、犬も子犬の頃は体が柔らかいので、股関節の可動域が広く足を伸ばした状態で寝ることができるのだろう。
成犬になっても足を伸ばして寝ている犬もいるが、これもやはり他の犬に比べると股関節の可動域が広いと考えられるようだ。
うとうと寝にも2パターンある!?
夏の暑い時はカーペットを敷いていないフローリングやタイルの部分など、冷たい場所にうつぶせで寝ていることもあれば、エアコンの効いたリビングでリラックして体を伸ばして寝ていた犬が、肌寒さを感じる秋口になると丸くなって寝ていたり。
また、寒い冬の朝はベッドの中で、鼻を前足で抱えながらギュッと丸くなって寝ているのに、床暖房をつけて暖まってくるとそこに移動し、平べったく寝ている姿を見かけることもある。
確かに気温や室温も寝姿には影響があるのだろう。
次に姿勢について。横になって寝ているのに比べると、フセに近い形で寝ているのは『すぐに動ける体勢』を取っているからと言える。ただ、うつ伏せでも顔を床につけて寝ていれば、本格的に寝ているのかもしれない。
また、うつ伏せの状態で首は起こしたままうつらうつらしている時は、『何かオヤツをもらえるのかも』など『これから何かあるのかな、寝てはいけない』と我慢している可能性もある。
ところで、この「うとうと寝」にも避けてあげたいパターンがあるらしい。
知らない場所に連れてこられて、不安だし、疲れているのに寝られない、ということもある。愛犬と外出する際は、いつも寝ている時間帯や、愛犬の性格、愛犬が好む場所なのかどうか、初めて行く場所か馴染みの場所かなどを考慮し、疲れさせない配慮をするといいだろう。
体調が悪いときの寝姿にもいろいろある
寝る時に飼い主に体を寄せてきたり、飼い主の手や足首、あごなどに自分の顔を乗せて寝るタイプも多い。
目の前にちょうどいい高さのものがあったから、というのもあるかもしれないが、飼い主に対しての甘えがゼロではこのような行動はしないだろう。
また、夏でも体を寄せて寝ている場合は、『暑くて嫌だな』という気持ちより『飼い主が好き』という気持ちが上回っているはず。
飼い主に体をくっつけないが、飼い主の近くで寝るのもほぼ同じ理由。
昔は番犬だったり、猟犬として活躍した犬が、人にくっついたり、撫でてもらわないと寝られないなんて、そんなヤワな事でいいのかと思うが、狼と犬を比べた場合、子供っぽい特徴を残したのが犬だと言われている。
まずは形。垂れ耳やマズルが短いのは子犬に見られる特徴で、大人になっても遊ぶのは犬ならでは。家畜化されていない動物は性成熟を迎えると遊ばないし、知らない相手は受け入れない。
幼いうちは母親やきょうだいにくっついて寝ていないと冷えてしまう。安心できるものの近くにいることは生きていく上で彼らにとっては大切なこと。
離れれば自動的に鳴くようになっていて、鳴いたら母親が群れに連れ戻す行動をとる。犬にはそんな赤ちゃん時代の名残がある。
また、室内で愛玩犬として飼われていく中で、甘えやすい犬や懐っこい犬が好まれてブリーディングされてきた、という背景もあるかもしれない。
さて、犬の寝姿。体調が悪い時はどんな格好で寝ることが多いのか。これは症状によってもさまざま。
痛い時は熟睡できなかったり、体に力が入っていたり、何度も体勢を変えたりすることもあるだろう。膵炎を発症している犬は『祈りのポーズ』と言われる、腹部は多少丸まっていて、上半身は伸びているように見える姿勢をとることもある。
愛犬が健康な時の姿勢を覚えておき、寝姿に何らかの異変があれば動物病院で診てもらうといい。
最後に、犬の快適な寝床について。人間も静かな場所で、自分の体に合った布団やベッド、枕を使って寝ると、ぐっすり眠ることができるのは皆さんもご存知の通り。
ダックスは体の長さでクレートを選ぶと、天井があきすぎることもあるはず。そんな時は、クレートの中で場所をとりすぎないクッションを選ぶと良い。見ためがフカフカしていても、座ってみるとすぐ地面の硬さを感じるものよりは、中身が詰まった枕のようなしっかりしたクッションが座りやすいだろう。
ハウスやクレートは人の出入りがあまり頻繁ではなく、犬が落ち着いて眠ることができる場所に設置。小さいお子さんがいて、眠っている犬をよく起こすようなことがあるなら、犬が1匹で落ち着いて眠ることができる部屋を用意するなど、寝場所に関しても配慮するといい。
愛犬に質の良い眠りを提供できる飼い主でありたいものだ。
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監修:荒田明香先生
ダックススタイル vol.30『飼い主のハートわしづかみ 寝姿の謎』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。