気持ちのいい季節の中、愛犬と一緒に旅行を考えている人も多いのでは? そこで、犬連れ旅行中覚えておきたいトラブル回避ポイントを堀井先生に伺った!
トラブル回避の工夫ポイント
車酔いするならドライブは控える
犬連れ旅行の場合、多くの家庭では車での移動が多くなると思います。車に乗るたびに吐く、極端に呼吸が荒くなる、といった様子が見られるならば、無理に車で旅行をする必要はありません。
中には「抱っこしていたり、声をかけていれば平気」という飼い主さんもいますが、それは“平気”とは言えないレベルです。クレートやドライブボックスなどに落ち着いて乗っていられないならば、ドライブ旅行控える、もしくは十分に慣れさせてから行きましょう。
犬にストレスを与えてしまいます。また運転中に、開けた窓から犬が顔を出すのも、万が一の危険を考えてやめたほうがいいでしょう。
クレートトレーニングは必須!
犬連れで訪問できる場所は限られるため、多くの犬が集まります。愛犬が他の犬に吠えたり、怖がって隠れたりというネガティブな反応を出してしまうならば、無理に連れて行くのは控えましょう。
また、人通りが多い所ではリードを短めに持ち、犬の動きをコントロールすることがトラブル回避につながります。旅行前にクレートトレーニングを習得しておくことも大切です。
クレート、キャリーバッグ、カートなどを、犬が「ここは安心できるスペース」と認識できるようになっていれば、人混みなどでも愛犬の休憩スペースとなります。
犬が入っていいのか事前確認を
一般の施設や観光名所でも、条件付きで犬が入れる場所もあります。気をつけたいのは、「犬がどこまで入っていいのか」確認しておくことです。例えば、神社なら参道はOKでも境内はNG、自然公園なら遊歩道はOKでも芝生はNGなどの場合があります。
しっかり事前に確認しておき、「犬進入禁止」というエリアには入らないように。また柴犬で起こりやすいのが、首輪がすっぽ抜けたり、壊れてしまったりする逸走です。旅行に出かける前に必ず首輪にゆるみや破損がないか、確認しておきましょう。万が一のために、予備を用意しておくと安心です。マイクロチップ登録は必ずしておくとよいでしょう。
食事中は飼い主のそばで待機
犬連れOKの食事処では、飼い主さんの近くでおとなしく待機できるようにしておきましょう。カフェマットの上で待機できる「マットトレーニング」を練習しておくとベストです。
また、リードが長いと犬の行動範囲が広がり、トラブルの元になります。リードは短めにしてフックなどに係留して「飼い主さんの近くで待機させること」が基本です。
人間用の食器で食べさせるのは、衛生面からNG。犬を椅子に座らせてよいなど、ルールとマナーはお店ごとに異なるので、事前に確認しておくと安心して行動できます。
排泄物の処理に配慮を!
自然環境の多い場所への旅行は、犬にもよい刺激を与えます。しかし、他の犬にネガティブな反応が出るならば無理に連れて行かないほうがいいでしょう。他の犬がいない早朝に出かけるなど、時間帯を変えるのもOKです。
また自然公園や山道では、犬の排泄が問題になりやすいです。うんちの始末は当然のことですが、おしっこにも注意が必要です。自生する植物に犬のおしっこが影響を及ぼすと言われることも。トイレシーツの上で排泄させたり、おしっこをトイレシーツで吸い取らせたりするのがベストです。
監修:堀井隆行 先生
ヤマザキ動物看護大学動物看護学部動物人間関係学科講師。愛玩動物看護師。動物のストレス管理や行動修正を研究し、講演活動や動物病院での行動カウンセリングも行う。共著に『知りたい! 考えてみたい! どうぶつとの暮らし』(駿河台出版社)。
Text:Eriko Itoh Photos:Teruhisa Tajiri
Shi-Ba Vol.131『海も山も一緒に楽しむ!Shi-Ba考案 犬旅プラン』より抜粋