
愛犬が口にする食品について、どれだけのことを知っていますか?健康によいか悪いか、の前に基本的なことを一緒に学びましょう!
知っておきたい知識
ヒトの体にいいものが、犬にもいいとは限りません。基本的な犬の体の仕組みを知ることで、もっと愛犬の食を極めることができますよ!
●犬とヒトとの違い
食性
食べ物の種類や食べ方の習性を食性と言います。ヒトは雑食性、犬は雑食性のある肉食性です。肉食性が強いほどタンパク質や脂質の要求量が高く、食物繊維の要求量が低い傾向があります。
嗜好性
どのような食品を好んで食べるかが嗜好性です。ヒトも動物も本来は食性に関連していますが、最終的な嗜好性は経験により決定されます。犬は脂肪臭やアミノ酸の味を好み、苦味やべたつく食感を嫌います。
消化方法
消化方法には噛む、切る、飲み込む、送るなどの物理的消化、食べ物から栄養素を取り出す化学的消化、腸内細菌により分解される生物的消化があります。これはヒトも犬も共通です。
吸収の仕組み
栄養素の吸収は小腸で行われます。ここで吸収されなかった食べ物や未消化物や不消化物は大腸へ移行し、便と一緒に排泄されます。これもヒトと犬で共通です。
食べていいものと悪いもの
チョコレート、ココア、コーヒー、紅茶、ネギ類、アルコールに含まれる成分に犬は中毒症状を起こし、死に至ることがあります。この他の食材でも、量や継続性によって健康リスクが考えられるものもあるので注意が必要です。
●重要な栄養素
タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル
生命維持に必須な栄養素のが5大栄養素とされています。タンパク質は体を作り、脂質は体を守り、炭水化物のうち糖質は主なエネルギー源に。食物繊維は腸の健康維持に必要であり、ビタミンとミネラルは体の機能を調整してくれる栄養素です。
+
水
水は生命維持に必要不可欠。なぜなら成熟動物の体重の60 ~ 70%を水が占めているからです。食べ物がなくてもしばらくは生きていけますが、2~ 3日水を飲まなければ脱水が生じて死に至ってしまいます。
よいフード=愛犬によいフード?
よいペットフードを与えれば健康が維持できると考えがちですが、「よい」基準は各個体によって異なります。例えば高タンパク質のペットフードは筋肉量や活動量が高い犬種にとってはよいフードですが、反対の体質の犬にとっては肝臓や膵臓などへ負荷がかかる原因に。それぞれの犬にとっての「よいフード」の基準を探すのが大切です。

知識を得る方法
「もっといろいろなことが知りたい!」と意欲が増した時、情報過多な現代ではどんな方法が適しているのでしょう? 一例をご紹介します。
本
まずは「犬がどんな生き物か」が説明された、簡単に読める本がおすすめです。何をどのように食べるとよいのかは、動物の体の構造や習性と関連しているためです。
次に読みやすいヒトの栄養学の基本をさっと読んで、そこから犬の栄養学へ進むと理解がしやすいと思います。
口座
講座の受講は、決められたプログラムに沿って勉強を進めていけばよいことや、認定資格が取れることがメリットです。
各講座でかかる費用や時間、内容や、フォローアップのシステムなどを比較して自分の目的に適した講座を選ぶようにしましょう。
資格を取得したいなら……
取得までの道のりが自分の性格や現在のライフスタイルに適しているか、よく考えてから実践するのが資格取得の成功の秘訣!
“何のため”に取得するか明確に
愛犬のためなのか、仕事に活かすためなのか、考えてみましょう。
コストと労力を事前に把握
スケジュール、費用、移動などがどの程度必要か知っておきましょう。
実務・発信をセットで計画
資格は出発点。ブログや講座、相談経験など実績を積むことが大切です。
情報収集を継続
口コミや活動事例を調べて、常に新しい情報を手に入れて活かしましょう。
●活かせるシーン
日常の食事管理
犬に必要な食事を正しく理解し、健康な日常生活をサポートする食事管理に役立ちます。
友人・隣人へのアドバイス
動物病院へ行くほどではない日常的な体調変化について、問題点をとらえたアドバイスがしやすくなります。
ペット関連事業への就労・副業
ペットショップや動物サロンなどでの相談員、ペット食育講師など新しいキャリアが拓けます。
信頼性アップ
資格保有者であることを示すことで、アドバイス時の説得感が増して安心感が生まれます。
地域・社会貢献
地元イベントや動物保護団体での講師・相談役として参加し社会貢献にも関与できます。

ペットの食に関するトラブルで必ず上位にくるのが「食べない」という悩みです。こんな時、飼い主さんは、他のペットフードに変えたり、オヤツを与えたりするものですが、実は根本的なことは解決されません。
なぜなら、原因に則した解決策ではないからです。例えば飼い主さんはペットフードの嗜好性が問題だと考えます。しかし、実際の問題点は給与量や与え方、オヤツとの組み合わせ方や与えるタイミングなどにある場合がほとんどです。
犬の食事は、ペットフードが高品質でも「何を、どれだけ、どのように」与えるかが個体に適していないと、トラブルが生じがちです。さらには食べたものが体内で利用され、不必要なものをしっかり排泄しているかといった〝はたらき〞も関わってきます。
そもそも難しいのがペットフードの選択です。見た目が類似しており、とにかく種類が多いため、結局は評判や見た目で選んでしまいがち。ところが、実際に健康状態に影響を与えるのは、原材料や保証分析値、代謝エネルギーであるため、これらが愛犬に適しているかどうかが重要です。
つまり、愛犬の健康を支えるために最低限必要なのは、犬の食性や体の仕組み、栄養素のはたらきやペットフードの選び方や与え方なのです。
まずはこの部分を基礎から学び、愛犬の毎日の健康管理に役立てるのが「愛犬の食のスペシャリスト」になる第一歩。少し時間はかかりますが、愛犬と一緒に健康で楽しい時間を過ごすために、それだけの価値はあると思います。
興味をもったらさらに知識を深め、動物の食のスペシャリストを目指すのもいいでしょう。
監修・執筆:奈良なぎさ先生
ペット栄養コンサルタント(ペットベッツ栄養相談代表)。動物病院からの栄養相談をサポートし、食事療法の大切さの普及に努めている。
Shi-Ba Vol.137『役立つ知識を身につけて愛犬の食のスペシャリストになる!』より抜粋




