
実は難しくないっ!
ホテルに泊まって旅行を楽しむのもいいけれど、自然に囲まれてキャンプをするのは、人はもちろん犬にもおすすめ。自然が多い場所は犬の好奇心をくすぐるので、脳にいい刺激になるし、ストレス発散にも◎!
まずはコテージ

ふむふむいい庭じゃない?
楽しむためのPOINT
警戒心を解くために散歩させよう
なじみのない場所に出かけると、愛犬の警戒心は強くなって、時には警戒・興奮して吠えることも。
そんなことのないように、到着したら散歩をさせて落ち着かせよう。
持っていくといいアイテムは?

ペットシーツや消臭スプレーが備えられている所もあるが、消耗品は持参するのがおすすめ。愛犬が備え付けのサークルやケージのにおいに敏感だと思ったら、クレートも持参したい。折り畳み式のかさばらないものが便利だ。そして迷子札はマスト。マイクロチップは義務化されているが、すぐに飼い主がわかるわけではない。万が一、首輪が外れた場所に備え、チョーカーなどに迷子札を付けておこう。
ウエット
ティッシュ
迷子札
抜け毛掃除
グッズ
うんち処理
グッズ
トイレシーツ
消臭スプレー
初めてのキャンプでも安心なドッグラン付きコテージへ!
旅行では、飼い主と犬が一緒にいられる時間が普段より長くなり、コミュニケーションの機会が増える。その半面、犬にとって観光地へ出かけることは、必ずしも楽しいとは限らない。いろいろな刺激を受けることが好きな犬ならいいが、そうでなければ人工的な環境や人混みがストレスになることもある。
そこで注目したいのが「キャンプ」だ。犬にとって人工的な環境よりも、自然環境のほうが興味をもつ刺激が多い。キャンプは土や草木、獣のにおいなど、自然の刺激にあふれているので、犬の脳へいい影響を与えたり、ストレス発散になったりするのだ。
とはいえ、アウトドアになじみのない人にとって、いきなりテントに泊まってキャンプをするのはハードルが高い。そこでおすすめしたいのが「コテージ」だ。
日中は外で遊んだり食事をしたりとキャンプを楽しみ、夜は家と同じような環境のコテージで就寝。そうすればキャンプが初めての人でも安心して過ごせる。犬も日常生活からズレればズレるほどストレスになるので、テント泊から始めるよりもストレスは少なくて済むはずだ。
最近はコテージ直結の専用ドッグランが付いた「ドッグラン付きコテージ」が増えている。プライバシーが保てるので、ぜひそんなコテージからキャンプを始めてみよう。
豆知識
アウトドアならではの注意点
日常生活にはない刺激が多いアウトドア。普段から強い風や雨、雷など、自然の刺激を苦手にしている犬は、何回か自然環境へ出かけて慣れさせておくようにしたい。コテージならそれほど気にならないが、心配なら天候がいい日に出かけよう。
楽しむためのPOINT
施設のフェンスは事前に確認しておこう
コテージの敷地を区切るフェンスが格子や網状など見通しのいいものだった場合は、目隠しの役割を果たしていない。愛犬が他の人や犬が苦手な性格なら、事前にフェンスの形状を確認しておきたい。

隙間から向こうの犬が見える……
楽しむためのPOINT
日頃から愛犬を観察してジャンプ力を確認しておこう
ドッグラン付きコテージのフェンスの高さは、キャンプ場によってさまざま。時には「ウチの子にはちょっと低い?」という場合もある。柴犬であれば90~120㎝くらいの高さがあるか、柵をよじ登れないか、柵の下を掘って抜け出せないかなど確認を。
コテージを利用する際は最低限のルールを身につけて
ドッグラン付きコテージに限らず、宿泊施設を利用するにはマナーが大切。基本的な「オスワリ」「フセテ」「マッテ」「オイデ」などができていないと困ることは多い。少なくとも呼んだら戻って来られて、待つことができないと、マナーを守るのは難しい。ただし、基本的なことができていても、普段と違う環境に来ると日頃できていることができなくなることもあるので注意は必要だ。
例えば室内での排泄。日本犬は屋外で排泄することが比較的多いので、室内での粗相は少ない。ただし初めての場所では、マーキングをすることもある。普段から散歩に行くと、よくマーキングするという犬は、室内でもマーキングするリスクが高い。念のためマナーベルトをするなどの工夫をしよう。
また抜け毛が気になる場合は、部屋に入る前にグルーミングスプレーなどを使ってブラッシングしてから室内に入れれば抜け毛は抑えられる。ただしブラッシング禁止のキャンプ場の場合は、服を着せるなどして抜け毛を防ごう。

きれいにしてね
楽しむためのPOINT
コテージに入る際は足や体を拭いてから
コテージへ入る際、足や体を拭いたりするケアは必須。受け入れられるようトレーニングしておこう。「ウチの子は拭かれるのが嫌いなのでそのまま」というのはNGだ。ウエットシートやボディーシートなどは持参したい。

ここが出入り口だな
楽しむためのPOINT
愛犬が逸走しないようにコテージの間取りを確認
コテージ内で自由に過ごせる施設の場合、愛犬の姿が見えない死角になる場所や逸走経路になりそうな場所を事前にチェックしておくこと。開けておいたら逃げそうな窓やドアなどを確認してから、フリーにするようにしたい。

そわそわ

マナーベルト装着!
楽しむためのPOINT
「排泄したい」というサインを見逃さない
コテージ泊をするのであれば、室内で排泄するためにペットシーツを使用できるようにしておきたい。外で排泄する犬の場合、そわそわしながら玄関や窓際に行くなどの排泄サインを見逃さないこと。またマーキングが気になる場合は、マナーパンツやマナーベルトを着けられるようトレーニングしたい。
豆知識
宿泊施設の名称と設備の違い
キャンプ場の宿泊施設は、トイレやキッチンなどを備えた「コテージ」、基本設備のみの「バンガロー」、コテージとバンガローの中間的な「ロッジ」が代表的。しかしキャンプ場によって名称は異なるので、気になる人は問い合わせておこう。

このベッド大好き♡
楽しむためのPOINT
使い慣れたもので居心地のいい場所をつくる
家以外でもリラックスして過ごせるよう、クレートやマットのトレーニングをしておくことが大切。教える際に大切なのは、愛犬が自らその場所を選べるようになること。自分が安心できる好きな居場所となれば、場所が変わってもリラックスできる。

落ち着ける場所ならなんでもOK
楽しむためのPOINT
愛犬が安心して過ごせるようにクレートトレーニングを
施設によってはクレートで過ごさなければいけないコテージもある。慣れていないとストレスになるので、事前にクレートトレーニングをしておこう。備え付けのクレートを使うなら、愛用の敷物を敷いてあげるとリラックスできる可能性が高い。
これぞメリット!
ドッグラン付きコテージなら旅行が苦手な愛犬でも安心!
家族以外の人や犬が苦手な犬にとって、旅行はハードルが高い。でもドッグラン付きコテージならプライバシーが保てるので、旅行が苦手な犬にも最適だ。ノーリードで走り回れる機会も増えるうえ、運動もできるので犬もストレスが少なくなる。初めてのキャンプなら、ドッグラン付きコテージで楽しんでみよう。
知らない人も犬もいないから思いっきり走り回れるぞ〜♪

撮影協力:キャンプマナビス
千葉県館山市布良886
https://campmanavis.com/
堀井隆行先生
ヤマザキ動物看護大学動物看護学部動物人間関係学科講師。愛玩動物看護師。動物のストレス管理や行動修正を研究し、講演活動や動物病院での行動カウンセリングも行う。共著に『知りたい! 考えてみたい! どうぶつとの暮らし』(駿河台出版社)。
Text:Yoshiyuki Ushijima Photos:Chikako Endoh
Shi-Ba Vol.135『まだまだ暑い季節のキャンプ入門』より抜粋




