暑い季節に向けてキャンプ入門【ドッグフリーサイト編】

自由に遊べるドッグフリーサイトはサイコーに楽しい!

 

\STEP UP/ ドッグフリーサイト

起こりがちなトラブルに対策を講じておこう
コテージでキャンプに慣れたら、次はテント泊にステップアップしてみよう。ただしテントは、コテージよりアウトドア感が強いので、注意しなければならない点も増える。

まず注意したいのは「吠え」。他の人や犬が苦手で吠える場合は、混雑するキャンプ場を避ける。または隣のサイトと離れていたり、フェンスで目隠しされているサイトを選ぼう。

逆に人や犬が好きで興奮して吠える犬は、一度思い切り遊ばせる。それでも収まらない時は、目隠しをしたり、距離を置くようにしたい。

普段の散歩で吠えるなら、どのくらいの距離から吠え始めるかを把握しておこう。10m先の人や犬にも吠えてしまうようなら、キャンプは見送ることをおすすめする。1〜2mの距離で吠えるのであれば、人通りの少ないサイトを選んだり、道から見えにくい場所に愛犬の居場所をつくるなどの工夫を。

夏の「暑さ」についても注意しよう。一番は標高が高いキャンプ場を選ぶこと。平地よりも涼しく過ごせる。

冷感素材の服を着せる場合、肌に直接触れないと効果が出ない。それどころか通気性が悪いと、かえって犬を温めてしまうことになる。大事なのは、毛が少ないおなかあたりに生地が当たるようにすることだ。濡らして体を冷やす服は、時間が経つと温まってしまうので注意。

また保冷剤をタオルでくるんで、内股の動脈をピンポイントで冷やす方法も効果的だ。

楽しむためのPOINT
遮光・遮熱テントで快適なサイトづくりを

自由に遊び回れる環境では、愛犬が涼しい場所を選べるのは大切なこと。最近は強い日差しが当たってもテント内が暑くならない、遮光・遮熱素材を使用したテントが増えている。こんなテントを選べば、愛犬の熱中症対策にもなる。

テントファクトリー 2Rスクリーンテント ブルーウィンドアオバ
強い日差しを遮って、テント内の温度上昇を抑える生地を採用した2ルームテント。前方に張り出すひさし部分は倍の長さに延長できるので、涼しい日陰を広げることが可能だ。メッシュ窓採用の前室は広いので、愛犬の居場所にも最適。

税込121,000円/問テントファクトリー
https://www.tentfactory.jp/

 

コールマン レインカーム2ルーム/3025 DR
日光によるテント内の温度上昇を抑えるテント。本体にメッシュを活用した二重生地を採用し、雨音を穏やかにする。また無音開閉が可能なジッパーを採用しているので、寝ている愛犬への刺激も少なくて済む。

税込140,800円/問コールマン カスタマーサービス
☎0120-111-957 https://www.coleman.co.jp/

表面のメッシュ生地が大粒の雨を分散し、雨音を和らげる二重生地構造を採用。大きな雨音がしないので、音に敏感な犬も安心して過ごせる。

 

開閉時に音がしないサイレントジッパーを採用。夜中、飼い主がトイレに行く時など、音が出ないので寝ている愛犬を驚かせる心配がない。

 

うまい草♪

何か落ちてないかな〜

楽しむためのPOINT
まずは周囲を散歩して落ちている物をチェック

到着したら、まずドッグフリーサイト内に食べてしまいそうなものが落ちていないか、一緒に歩きながら確認したい。草や木の実、虫の死骸、野生動物のフンなどに注意が必要だ。確認してから愛犬をフリーにするように。

 

今は手が離せないんだって

楽しむためのPOINT
必要に応じてドッグアンカーにつなごう

ドッグフリーサイトを利用する際も、愛犬をつないでおくためのドッグアンカーは準備しておこう。目を離しがちになる設営・撤収時、テーブルに前足をかけてしまいそうな食事時にあると便利だ。

 

一緒がうれしいよね

楽しむためのPOINT
愛犬と一緒にベンチでリラックス

日本犬には、飼い主にべったりくっつきたい犬は少ないが、普段から一緒にいたがる犬ならベンチがひとつあるといい。おすすめしたいのは背もたれ付き。これなら寄りかかれるので、愛犬と一緒に長い時間座っていても疲れない。

 

日陰におけばもっと涼しい

楽しむためのPOINT
愛犬の居場所づくりにあると便利なドッグコット

サイトに愛犬の居場所をつくるならドッグコットがおすすめ。メッシュ素材なら風通しがいいので、夏も快適に過ごせる。ただし犬によっては、乗った時の沈み込む感じを嫌がるので、あらかじめ家で慣らしておくようにしたい。


モンベル ドッグコットL
地面からの熱や汚れから愛犬を守る折り畳み式犬用ベッド。中央がメッシュになっているので通気性がよく蒸れにくい。耐荷重は45kgで座面は取り外して洗える。

税込13,200円/問モンベル・カスタマー・サービス
☎06-6536-5740 https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122807

 

ちょっとひとりにさせて

楽しむためのPOINT
愛犬の安心できる居場所にドッグサークル

コットを嫌がる犬には、ドッグサークルを使ってみよう。天板があり出入り口を閉めることができれば、クレートのように利用できる。アウトドア用ならコンパクトに畳めるし、ペグで地面に固定もできるので安心だ。ただしドッグコットと同様、キャンプ場で初めて使うと入るのを嫌がる可能性もある。事前に家で慣らしておこう。

 

プライベート空間!

楽しむためのPOINT
他の人や犬が見えると落ち着かない犬に

ドッグフリーサイトでも素通しのフェンスだった場合、サイドウォールがあると便利。他の犬が視界に入ると気になる犬の緊張緩和に役立つ。ただし音に反応する犬は、視界を遮るとかえって強く反応することがあるので注意。

害虫や感染症対策も万全にしておこう

アウトドアでは「害虫」そして「感染症」にも気をつけたい。

日頃から外部寄生虫駆除の予防薬を投与しておくことは大前提。そのうえで注意したいのがマダニ。キャンプからの帰りに体をチェックし、付いていたら自分で取らずに動物病院で取ってもらおう。無理に取ると、マダニの口が皮膚に残ることがある。

ヒルがいる場所なら、毛が少ないおなかあたりをチェック。通気性のいい服を着せておけば予防できる。

蚊については、フィラリア予防薬を投与したうえで、虫除けや蚊除けマットを焚くといいだろう。

ワクチンは事前にレプトスピラワクチンを打っていったほうがいい。レプトスピラは、ネズミなどの動物の尿が媒介になる。尿から移った菌が土壌や川の水にいる可能性があるので、自然が豊かなキャンプ場へ出かけるなら、獣医師と相談してワクチンを接種しておこう。

初めてのキャンプでも備えがあれば不安なく楽しめる!

撮影協力:キャンプマナビス
千葉県館山市布良886
https://campmanavis.com/

堀井隆行先生
ヤマザキ動物看護大学動物看護学部動物人間関係学科講師。愛玩動物看護師。動物のストレス管理や行動修正を研究し、講演活動や動物病院での行動カウンセリングも行う。共著に『知りたい! 考えてみたい! どうぶつとの暮らし』(駿河台出版社)。

Text:Yoshiyuki Ushijima Photos:Chikako Endoh

Shi-Ba Vol.135『まだまだ暑い季節のキャンプ入門』より抜粋

-アウトドア