役立つ知識を身につけて愛犬の食のスペシャリストになる!①

愛犬が口にする食品について、どれだけのことを知っていますか?健康によいか悪いか、の前に基本的なことを一緒に学びましょう!

 

ペットフードの歴史を見てみよう!

AAFCO(米国飼料検査官協会)は、1909年に米国で設立されました。なんと、日本はまだ明治42年! こんな時代から商業用ペットフードの製造販売に、ペットの健康と安全性の維持を目的に栄養基準やラベル表示の規制が設けられていたとは驚きです。

AAFCOが提示する情報は、必要に応じてアップデートされています。そのため、商業用ペットフードの製造において、世界的に最も権威のある団体といわれています。

ちなみに「栄養基準」とは、犬の成長期および繁殖期と維持期に必要な栄養素の最低要求量と、一部の栄養素の上限値のことです。総合栄養食として商業的に販売されているペットフードは、この最低基準をクリアするように作られています。

これが、総合栄養食が毎日の主食に適している理由です。ただし、上限値を超えると健康障害のリスクがある成分もあります。ドッグフードでは、ヨウ素、セレン、ビタミンA、ビタミンD、カルシウム、リン、カルシウムとリンの割合、オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸の割合がそれぞれ提示されています。

これらの栄養素を含む一般食材やオヤツを与えすぎないように気をつけましょう。

 

Q.国ごとに規制や基準が違うの?

犬と猫のペットフードは、さまざまな規制や基準により製造、輸入、販売され、製品の安全性や品質の向上が管理されています。

日本
法的な規制は「愛がん動物用飼料(犬、猫)の安全性の確保に関する法律」(通称:ペットフード安全法)、自主的な規制として「ペットフード公正取引協議会」によるガイドラインもある。

アメリカ
法的な規制は「FDA(食品医薬品局)」「USDA(米国農務省)」「FTC(連邦取引委員会)」、自主的な規制として「AAFCO(米国飼料検査官協会)」が栄養基準やラベルの表示方法などのガイドラインがある。

その他ヨーロッパではEFSA・FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)が法律やガイドラインを設けている。カナダ、オーストラリア、中国などは法律はないがそれぞれ自主規制の基準がある。

国内で販売されている輸入ペットフードの表記や基準は?
ペットフード安全法により「ペットフードの名称(例/犬用、猫用)、原材料名、賞味期限、事業者名(または名称)及び住所、原産国名」を日本語で表記する義務が設けられています。その他にも成分規格、製造方法の基準、必要な届出や帳簿の作成・保存などが義務づけられています。

パッケージを見てみよう!

普段何気なく見ているパッケージ。内容を理解して読むと「愛犬には合わなかった原因」など、意外なことがわかったりするものです。この項目は実際に総合栄養食のパッケージに書かれている項目。商品によって異なるが、気になる内容をQ&Aで解説します。

①(名称)に関するQ&A

Q.成犬用総合栄養食と書いてあれば、どんなものも与え方通り与え続けていいの?

A..成犬に必要な栄養バランスで配合されているため毎日の主食に適していますが、指示給与量や与え方は「目安」です。体重や体調の変化に応じた食事内容の見直しは、定期的に必要です。

 

Q.総合栄養食は何を考えて選ぶべき?

A..ライフステージとライフスタイルを意識すること
目的とするライフステージ(年齢)やライフスタイル(生活環境、体調など)に適しているかどうか考えましょう。食べやすい形状や硬さか、食べきれる給与量かなども重要です。

 

Q.グルテンフリーってどういう意味?

A.小麦、大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質が、基準濃度未満の食品のことを言います。欧州や米国は基準値の設定がありますが、日本はありません。小麦アレルギーの場合は、原材料をチェックしたほうが安心です。

 

Q.総合栄養食にはどんな種類があるの?

A.ドライ、セミモイスト、ウェット3種あり、それぞれ下記のようなメリット、デメリットがあります。

ドライフード

メリット
・コスパがいい
・常温保存が可能

デメリット
・十分な水分摂取が不可欠

セミモイストフード

メリット
・嗜好性が高い
・常温保存が可能

デメリット
・ 給与量がドライフードに比べて多くなるため、必要量を食べきれないことがある

ウェットフード

メリット
・嗜好性が高い
・食事と一緒に水分がとれる

デメリット
・コスパが悪い
・ 開封後は冷蔵庫で保存しても消費期限は2~3日以内

 

②(保存方法)に関するQ&A

Q.保存方法はどのように決まっているの?

開封前は高温多湿を避け、直射日光が当たらない場所で常温保存が可能です。開封後は、ドライフードとセミモイストフードは袋を閉じて常温保存し、1ヶ月を目安に使い切りましょう。ウェットフードは水分量が多いため密閉して冷蔵保存し、2~3日以内に使いきる必要があります。

 

③(給与量)に関するQ&A

Q.給与量はラベル表示通りでいい?

A.ラベルに表示されている体重ごとの給与量は「目安量」であり、絶対量ではありません。また、同じ体重に対しての給与量はペットフードごとに異なります。そのため、ペットフードを変更した際には必ず、そのフードの表示を確認して与えます。その後も定期的な体重測定により適正体重が維持できる給与量を探すようにしましょう。

 

④(成分)に関するQ&A

Q.「成分」にある、あまり聞きなじみのない「粗繊維」「灰分」って何?

A.粗繊維は、原材料中の食物繊維のうち不溶性食物繊維の測定量を指します。水溶性食物繊維は水に溶ける性質があり、測定値が出ないためです。灰分は、ミネラルのことを指しています。

 

⑤(代謝エネルギー)に関するQ&A

Q.代謝エネルギーって何?

A.そのフードを100g食べた時に獲得できるエネルギー量のうち、便中や尿中へ排泄される分を除いた、実際に体内で利用できるエネルギー量のこと。ペットフードの栄養濃度の指標となります。

 

⑥(原産国名)に関するQ&A

Q.「原産国」の表記にはどんな基準があるの?

A.製造工程において、ペットフードの内容に実質的変更をもたらす加工をした国を明記します。ラベルを張り替える、容器や包装を変えるなどは実質的変更にはなり得ません。

 

⑦(賞味期限)に関するQ&A

Q.賞味期限はどんな基準で決まっているの?

A.未開封のまま指示された保存状態で置かれた場合に、製品の栄養および食味を保証できる期間です。開封後は人の食べ物同様、賞味期限にかかわらず早めに使いきりましょう。

 

⑧(原材料名)に関するQ&A

Q.〇〇エキスってどんなもの?

A.肉類の煮汁や抽出液を濃縮したものです。その種類は多種多様でそれぞれのペットフードメーカーやエキスメーカーにより異なります。製造工程や有効成分が気になる場合は各社、お問い合わせをしてみてください。

 

Q.原材料名はどんな順番で書かれているの?

A.「ペットフードの表示に関する公正競争規約・施行規則」では、使用量の多い順に記載することが決まっています。ペットフード安全法では、原材料名の記載順序は特に規定していませんが、原則多い順に記載しています。

 

Q.香料ってどんなものが入っているの?

A.食欲増進を目的に肉、魚介系、ミルク系、スモーク系のフレーバーなどがあります。一括して「香料」と表示されていることがほとんどです。ビーフフレーバー、チーズフレーバーなどの記載もあります。

 

Q.酸化防腐剤ってどんなものが入っているの?

A.天然由来の添加物には、トコフェロール類(ビタミンE)やローズマリー抽出物が入っています。合成添加物にはBHTやBHAがあります。前者は必要量が多く効果が短いのに対して、後者は少量でも効果が長いのが特徴です。

 

Q.着色料にはどんなものが入っているの?〇〇色素ってどんなもの?

A.食用赤色2号、青色1号のような合成色素とアナトー色素、コチニール色素、カラメルなどの天然色素があります。〇〇色素の〇〇は色素の抽出源の名称です。例えば、コチニール色素はコチニールカイガラムシから得られる色素です。

愛犬が口にするオヤツにも注目

オヤツは、食事とは別のものとして与える傾向があります。その結果生じるのが肥満や食べムラです。オヤツは食事の一部なので、主食の栄養バランスを崩さずに。

与えてもよいのは「1日に適正体重を維持するために必要なエネルギー量の10%以内」が目安です。例えば、1日400kcalを摂取することで適正体重が維持できている場合、オヤツは10%にあたる40kcalです。

トッピングなどもここに入るようにエネルギー量で計算をして与えるのが理想です。この場合、主食のペットフードは、オヤツの分を指し引いた360kcalを満たす量になります。

摂取エネルギー量は一定でも、主食とオヤツの割合が5:5などになっている場合は、栄養バランスが乱れるため、やはり健康障害の原因となることがあります。

歯磨きガムや動物用のサプリメントなど、健康に関連するものはエネルギーを考えずに与えていることも多いと思います。

動物用の商品は嗜好性が高く摂取しやすいように作られていることから、意外と単位当たりのエネルギー量が高いもの。普段からエネルギー量を確認することを心がけましょう。

監修・執筆:奈良なぎさ先生
ペット栄養コンサルタント(ペットベッツ栄養相談代表)。動物病院からの栄養相談をサポートし、食事療法の大切さの普及に努めている。

Shi-Ba Vol.137『役立つ知識を身につけて愛犬の食のスペシャリストになる!』より抜粋

-フード, 柴犬