柴犬=外飼い。かつて、この方程式はメジャーであった。だが時の流れとともに、柴犬も室内犬の割合が増え始め、今では外飼い犬は少なくなってきているようだ。確かにマイノリティな存在となっているが、けっこう良い生活を送っているんじゃないかな、とも思う。そりゃあ暑さや寒さ、天候の変化に適応しなければいけないが、酔っぱらった父ちゃんと無理やり一緒に寝させられたり、夫婦ゲンカも聞かなくてよい。果たして実際はどういう生活を送っているのだろうか。彼らのリアルでガチな暮らしに迫り、その魅力を再検証するのが本特集である。
外飼い柴の気概を見よ!
もちろん、外で暮らす中で大変なこともたくさ~んある。それゆえに、彼らの精神力は日々逞しくなり、気骨に溢れているのだ!
My house
「My houseは最高さ。見ていってくれよ」犬小屋を観察していると、どの犬もこう言いたそうな表情を見せる。台風がビュンビュン強風を連れてきても、耳を擘く雷が鳴っても、寒くても暑くても、この中で、生きてゆく覚悟を持っている。
鋭い目つき
目つきが鋭い! びっとしている。アーモンド型の、つぶらな瞳。しかし修羅場をくぐり抜けてきているからか迫力と説得力がある気がする。そんな彼らの目がきらりと光るのは、オヤツを見た時だ。そこはどの犬も変わらないのだ。
野生的
野生的に育ってくれるのも、外飼いの魅力だ。何が起こるかわからない自然の中で生きている。そりゃあ気合も入るってもんだ。見たことのない虫や小動物も現れることがあるが、野生はそんなことでは動じない!
オレたち、ワイルド編
かつて外で飼われている犬は野生的で、力強かった。触ると危険だぜ!という犬もいたなぁ。現代外飼い犬たちもワイルドさは維持しているようで!
ワイルドウンチング
\警戒するぜ~!/
\パトロールは念入りだぜ~!/
変化を味わえる贅沢さ
春夏秋冬、それぞれのよいところを体全体で感じることができるのも、外暮らしだからできること!季節の移ろい、各季節に漂う匂いや現れる虫や鳥、温度など、森羅万象すべてを楽しみつくすことができる。
オレたちの本性編
世の中には表もあれば裏もある。外ではチンピラ風の男でも家に帰ると、赤ちゃんのように嫁に甘えることもある。ワイルド柴たちにもそんな裏の顔があるのだろうか?
雨の日は甘えたいっす
窓越しからジーっと見つめてくる
このフィット感が落ち着く
オレたちの楽しみ編
外飼い犬には楽しみがいっぱい。外での生活じゃないと経験できないことも、中にはある。この喜び、共有したいくらいだぜ~!
\オレの穴掘りを見よ!!/
散歩大好きはあたりまえ!
公園に着くなりダッシュ!
飼い主の汗と涙
できるだけ愛犬には幸せに暮らしてほしい! それが飼い主の願いだ。そのために、様々な工夫をこらし、努力をしている。それはきっと愛犬にも通じているはず!
夏は万全の蚊対策
雨対策を熟考
完全なる風対策
飼い主の気遣い次第で犬の生活は充実するのだ
外で飼われている犬には独特の魅力があると思う。なんつうか、垣間見せる表情がいいんだよなあ。人間も、アウトドア好きな人って、表情が豊かな人が多く、いきいきとしている。
特に気に入ったのは、彼らのそのシンプルな生活ぶり。朝起きて、散歩に行き、飯を食い、排出して、寝る。1年を通して季節の変化を感じながら生きる、足るを知る生活。それも、外暮らしの特権なのかもしれない。たしかに台風、雷、雪など、大変なことも多いが、そういった試練を乗り越えることで犬格が深くなる。
かわいい子には旅をさせよと言うが、ちやほやしすぎはよくない。さすがに犬を旅に出させるわけにはいかないが、外にいるとひとりでなんとかしないといけない状況も多々出てくる。それを一つ一つ自分の力でクリアすることで、成長してゆくのだ。
また、よく聞く外飼いをしない理由として、飼い主との触れ合いが少なくなってしまう、ということがある。第三者はそう思いがちかもしれないけれど、実際に外飼いされている犬と家族たちは、そう思っていないみたい。だって両者の関係性を見ていると、本当に仲が良さそうだし。むしろ、散歩の時間や、一緒に遊ぶ時間の重要性がより高くなり、その瞬間を犬も小さな体全体で味わおうとしているように見える。
そんな姿を見て、こう確信した。ちゃんと相手のことを大切にしていれば、暮らす場所は関係なく幸せになれると。要は、愛情が根底にあるか? それに尽きる。だからこそ、最後に強く言いたい。外飼いってやっぱり素敵だ!
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Shi‐Ba vol.97『最近のお外ライフにせまるっ! イマドキ外飼い主義!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。