
暑い夏。エアコンの効いた部屋でまったりするのもいいけれど、たまにはアクティブに愛犬と一緒に水遊びを楽しんでみてはいかがだろう?
水遊びを制する者はシャンプーも制す
雨の日の散歩では水たまりをぐるりと迂回し、シャンプーしようとするとイヤァァァ! 飼い主さんによっては、なじみのある光景だろう。
しかし編集部が実施したアンケートによると、愛犬の水遊びについて「好き」「どちらかといえば好き」と回答した飼い主さんは45%。「水が苦手」なイメージがある日本犬だが、その実、水遊び好きな犬たちも少なくないようだ。
水への抵抗感が薄ければ、海や川、プールなどに飼い主さんと足を運べたりと、愛犬にとっての夏のお楽しみが増えることにつながる。
何より、水遊びはよい運動になる。犬自身が楽しめるのなら、運動不足解消のためにもおすすめだ。水泳の消費エネルギー量は散歩の約3倍。もし愛犬が「水は好きだけど泳ぐのは苦手」というタイプなら、水中で歩くだけでも運動効果が期待できる。
また、愛犬がシャンプー嫌いだからといって、水そのものが嫌いとは限らない。水慣れのレベルを知って、上手に体験させれば水遊びを楽しめるようになるはず。
今回、愛犬の水慣れレベルごとにチャレンジできる水遊びについて、犬専門のプール施設「ドッグプールRANA」に解説いただいた。
監修:ドッグプールRANA
5.5m×2.8mのプールは30分1枠の完全予約制。スタッフの指導を受けながら泳げるので、運動不足解消やダイエットにも有効。
リハビリのための利用も可能。
千葉県船橋市印内3-23-21
https://dogpoolrana.com/

みんなの水遊び事情
犬が楽しめる遊びはいろいろあるけれど、「水遊び」はもっとも好き嫌いが分かれるものかも。
Shi-Ba読者の皆さんに好みや遊び方を聞いてみた!

どんな水遊びをしてる?
1位 足やおなかだけ浸かる
2位 SUP
3位 ホースから出る水とバトル
4位 水泳
お決まりの水遊びスポットは?
1位 川・湖
2位 自宅の庭(子供用プールや水やりホースで)
3位 犬の幼稚園&ドッグランのプール
4位 海
水慣れレベル 初級
初級はこんな子
◎体を濡らされることを拒否しない
◎体(頭以外)を水の中に入れられる
◎抱っこされながら水の中に入れる
◎水の中で落ち着いて立てる
水遊び初体験だったり、それほど水が好きではない場合、飼い主が意識したい点は2つ。ひとつめが、濡れるのに慣れること。2つめが、「水は怖くない」と理解させることだ。
犬がシャワーを嫌がる場合、水そのものより「音」におびえていることもある。体を濡らす時はシャワーヘッドを犬の体に押し当て、水音がしないようにしてみよう。また、前足は敏感な犬が多いため、濡らすのは体の後ろのほうから。腰のあたりから始め、犬の様子を見ながら少しずつ前へ進めていくとよい。
体を濡らすことができたら、いよいよ水の中へ。足がつかない深さの水を怖いと思うのは、生き物として当然。水遊び初級のゴールは、「浅い所で立つ」ことだ。
浅い所では犬を抱っこして水に入り、水中でゆっくりしゃがむ。体の前のほうは腕や膝で支えたまま後ろ足を下ろす。犬が後ろ足に体重をかけたら、前足をそっと下ろそう。
水深が浅い場所が安全だとわかると、水の中にいることを楽しめる犬は多い。ここまでクリアすることができれば、自宅の浴槽や庭のビニールプールなど、浅い水の中で涼んだり遊んだりすることが可能だ。
自宅での水遊びを盛り上げるなら、オモチャをビニールプールの底へ。水中から取ろうと、楽しんで掘る。食欲があるタイプなら、フード入りの氷を浮かべるのもおすすめだ。
シャワーを浴びる

シャワー? 聞いてないよ
①体の後ろのほうからお湯をかけていく
②シャワーヘッドは犬の体にくっつける
③頭は無理に濡らさなくてよい

POINT 手桶でお湯をかけても◎
シャワーが苦手な場合は、手桶にくんだお湯で体を濡らすとよい。手桶の縁を犬の体に当て、ゆっくりお湯をかけていく。それも嫌がる場合は、スポンジにお湯を含ませ、優しく体に当てて少しずつ濡らす方法を試してみよう。
足だけ水につける

あ、なるほど浅いんですね?
①犬の足がつく深さの所に犬を抱っこして一緒に入る
②そのまましゃがみ、犬の後ろ足だけを底につける
③犬が落ち着いたら前足も下ろし、水の中に立たせる
POINT
安全な場所で水に鳴らす
警戒心が強い日本犬は、深さがわからない水の中にバシャーンと飛び込んだりはしない。まずは浅い所で、「足がつくから安全」と納得させる必要がある。顔を水に近づけるのは不安なので、後ろ足→前足の順に下ろす。

この深さなら余裕だね

水遊びの極意
裸族派の犬も、水遊びの際はライフジャケットを着用
足がつかない深さの水の中に入る場合は、必ずライフジャケットを着せる。事故防止につながるのはもちろん、体が浮くので上手に泳ぐことができる。アウトドアで遊ぶなら、ライフジャケットにリードを着けるのも必須。
Text:Kumiko Noguchi
Photos:Minako Okuyama
Shi-Ba Vol.136『身も心も満たされる涼体験 日本犬、水と遊ぶ。』より抜粋




