犬びより

視線のコミュニケーションでもっと絆を強くする!犬を見つめていい時 悪い時

2019/11/08

人と犬の視線のコミュニケーションが科学的に解明され、アイコンタクトの重要性が知られるようになった。ところが見つめてはいけない時もある。人と犬の視線の意味と使い方を知っておきたい。
 

 

対象ごとに違う視線の意味

犬の視線はボディランゲージ。さまざまな気持ちや感情を訴えるコミュニケーション手段。対象ごとの違いを知ろう。
 
■目を合わせる

◇対犬

犬とのアイコンタクト

・威嚇
平和主義者の犬たちが目を合わせて威嚇していたら、ケンカせざるを得ないほどの状況。ケンカ上等! というタイプは一握り。

・判断
目だけでなく耳や鼻などの感覚器を使い、相手の情報を収集。知り合いか、仲良くできる相手か、相性がよくないか……と判断する。

 
◇対人

犬とのアイコンタクト

・アピール
チラ見や上目使いは飼い主の様子を見たり確認したりする視線。これに人が忖度を繰り返すと、アピールとして定着する。

・コミュニケーション
人同士はコミュニケーションのため視線を使う。犬にも同様に接しているうちに、犬が人と目を合わせると良いことがある(コミュニケーションが図れる)と学習した。

 
◇対物

犬とのアイコンタクト

・探索
探索には優れた嗅覚を使うが、目もよく使う。犬は近視に近く赤や緑を認識するのも苦手だが、動体視力には優れているからだ。
 

犬の認識が正しいとは限らない
対人、対犬、対物に分けているが、これは人から見た場合の分類。犬は見慣れない人や犬を物と認識する可能性もあり、当てはまらないこともある。犬が見ている世界が人と同じだと思わないように気をつけたい。

 
■目を合わせない

◇全体像

犬とのアイコンタクト

・マナーやトラブル回避
見つめ合いは対立を意味するので、相手が人でも犬でも目をそらすのがマナーであり、トラブル回避の手段。目を閉じる、細める、そっぽを向く、立ち去るなどのさまざまなボディランゲージを使い、「やめて」「落ち着いて」と敵意がないことを訴える。ただし、警戒や恐怖が強い場合は逆に目をそらせないこともある。

 
▼犬にとって目を見るのは違反だが、
 人には友好的な視線を向ける

人の視線は互いにコミュニケーションを図るための重要な手段で、「相手の目を見て話さないのは失礼」という文化もある。

ところが犬の習性は逆で、「相手の目を見るのは失礼」にあたる。目を合わせるのは対立や緊張を招く行動(威嚇を含む)。目を合わせなければトラブルも回避できる。

犬が飼い主や親しい人を友好的な視線で見つめるのは、人流のコミュニケーションを覚えたから。それができるほど良好な関係を培ってきたということだ。

 

目を合わせるメリット

犬とのアイコンタクト

■自信をもってアプローチ
飼い主と目を合わせて交流している犬は自信がつく。他者にも積極的に視線を使ってアプローチできるようになる
 
■人に期待するようになる
視線を合わせることで飼い主からよいリアクションを得ている犬は、「楽しいことがあるかな」と期待して飼い主を見つめるようになる。
 
■トレーニングができる
目を合わせる「アイコンタクト」を起点に、さまざまなトレーニングができる。目が合わなければ、練習以前に日常生活に問題がある
 
■意思の疎通を図れる
人の視線の先を犬も見る、という意思の疎通にも○。実は「人の視線の先に目的のものがある」と理解できる動物は限られている。
 
■良好な関係がつくれる
関係を築いている飼い主と愛犬は、視線を介した交流を深めることでオキシトシンの濃度が上昇。さらに良好な関係をつくるのに役立つ。

 

飼い主との関係がよければ自信満々の視線!

犬とのアイコンタクト

目と目で通じ合えるのは人同士だけではない。犬は他者と目を合わさない習性を持っているが、飼い主との暮らしの中で視線を介した交流手段を身につける。人と犬でも視線によるコミュニケーションを図れるのだ。

単に飼い主さんと目を合わせるだけでなく、さまざまな視線の使い方を編み出していく。代表的な技は、人のひざの上にあごをのせて上目使いで見ることだろう。

飼い主さんとの良好な関係を起点として、さまざまな人に友好的な視線を向けるようになっていく。

視線の使い方にはこれらの学習に加え、犬の性格も影響するという。

人を信頼している犬は、飼い主さん以外の人にも自信を持ってアプローチでき、たとえ初対面の人であっても、積極的にコミュニケーションを図ろうとする。

ただし目をじっと見るというよりは、人の表情を見るような感じだろうか。人が面接を受ける時に、相手の目だけでなく目のまわりや顔全体をなんとなく見るのと同じようなイメージ。それでも犬にとっては十分積極的なアプローチだ。

視線は飼い主と愛犬の絆にも良い影響をもたらすことが科学的にも明らかになっている。人と犬は見つめ合いとふれ合いを繰り返すことによって、オキシトシン(絆形成ホルモン)の濃度が上昇するといわれている。

また柴犬に限っては、見つめ合うだけでオキシトシンの濃度が上昇するという結果も。飼い主と柴犬の結びつきには、視線のコミュニケーションが大きな意味を持つことがうかがえる。

 

親しくても見たくない状況や性格を理解する

犬とのアイコンタクト

ここまで人と犬が見つめ合うメリットを伝えてきたが、時には人と犬が見つめ合えないこともある。

目を合わせないしぐさも、マナーやトラブル回避の意味がある視線のコミュニケーションだ。

どんなに親しい相手であっても、至近距離で目を合わせるのは犬にとってマナー違反。良好な関係の飼い主さんであっても、顔を近づければ大半の犬が視線をそらす。

カメラやスマートフォンを近づけるとそらすのも同じ理由かもしれない。

家庭でよくあるトラブル回避が、叱られそうな気配を察した時や、苦手なシャンプーをされそうな時だろうか。柴犬の場合、飼い主さんがぎゅーっと抱きついたりする重い愛情表現の時もにも当てはまるかもしれない。

いずれも無理に目を合わせようとするのはNG。「やめて」と訴えている犬に対し、緊張を強いることになる。

犬とのアイコンタクト

また、犬の性格によって目が合わないこともある。自信がない怖がりな犬や警戒心の強い犬は、なかなか目を合わせない場合も。常にトラブル回避しているようなものだろう。

このような不安傾向が見られる犬には、人の手からごほうびを食べる練習から始め、できることを増やして自信をつけさせてからアイコンタクトを教える。

目が合わなくてもフレンドリーな態度で人に接する犬もいる。例えば、人前でお腹を見せたり、しゃがんだ人のふところでくねくねしているタイプだ。

なぜ見つめないのだろうか。それは、このポーズをすれば怖いことは起きないと学習したから。

お腹を見せている犬は「これ以上はやめて」というアピールなので、手を伸ばすと噛んだり逃げたりする可能性がある。

犬の視線のコミュニケーションを理解することが通じあう早道だ。

 

犬の視線 まとめ

人と犬の暮らしは共有する時間の流れの中にある。

犬が飼い主さんを見る理由は、動作の確認や意思の疎通などいろいろあり、はっきり分けられるものではないのだろう。

互いに視線を流動的に使い、生活パターンをつくっていく段階で見つめ合いのコミュニケーションができていくのかもしれない。

それでも十分良好な関係をつくれるが、アイコンタクトの練習をすればより繊細な交流が可能に。もっと目と目で通じ合う関係になろう!

 
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Shi‐Ba vol.102『視線のコミュニケーションで絆をもっと強くする! 愛犬を見つめていい時 悪い時』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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