犬びより

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表情が変わる仕組みは人間と同じ?柴犬の【顔筋】大研究!

2018/06/14

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喜怒哀楽の感情はけっこう顔に出る。人にとって「表情」は、言葉と同じくらい重要なコミュニケーション手段だが、それって、犬の場合もあてはまるのだろうか?

弱みを見せたらマケ

ハードボイルドな犬社会!?
犬たちには、厳しい自然の中で生き残ってきた記憶が残っている。病気や怪我で弱った者は「使えないヤツ」と見放され、群れの中から排除される。そうなれば確実に飢えてしまう。だから、犬は生き残る手段として、苦痛を表情に出さないともいわれるが……。犬と同じように「群れ」に生きる人間だが、こちらは古代から社会化された「助け合い」の中で暮らしてきた。苦痛や悲しみの感情を顔に出せば、気がついた仲間が助けてくれる。それによって、生き残る可能性も高まる。表情をどう使えば自分にとって有利なのか。犬と人とではかなり違う。それだけに、人の思考で、犬の表情からその感情を読み解くのは、難しいのかも?
 

犬の表情ができるまで

・犬の表情・3つの決め手+α

その1.犬の白目は「緊張」のサイン
普通、犬は白目を見せない。緊張や不安のある時、犬は目を見開いて白目を見せることがある。また、少し緊張したり、興奮した時は目を細める。

その2.怒りの感情は口元に集中する怒り
「怒り」「恐怖」「拒絶」などの感情を表現する時、犬は鼻にシワを寄せることが多い。
嬉しいときには緩んで柔らかい感じになる。

その3.嫌なものには耳を塞ぐ!?
耳が動く方向に、犬の注意や興味は集中している。また、耳が寝てる時は「嫌だなぁ」ってな気分になっているともいわれるが……。
あるいは「服従」を意味したりもする。

+α 感情が筋肉を動かしている

緊張すれば筋肉が固くなるもの。表情が固い、あるいは、体が固まってるように見える時は、緊張や不安を覚えてるいるのかも。

・犬は人とのつき合いで「表情」を覚える?

犬も感情が表情に現れる。また、表情が仲間に何かを伝える手段にもなっているようだ。例えば、鼻にシワを寄せてうなる「怒り」「恐れ」は、最も顕著に現れる犬の感情表現だろう。しかし、生まれたばかりの子犬が、この表情をすることはない。多くの兄弟犬と一緒に暮らすうち、鼻にシワを寄せてうなれば兄弟犬が怖がってオモチャを譲ってくれたとか、何かしらの成功体験から「これは使える」と、覚えたものだろう。
犬は人と一緒に暮らすうち、どうすれば効果的に、相手に自分の要望を伝えることができるか? それを学んでゆく。言葉で意志を伝えあうことができないだけに、体や顔あらゆる部分を駆使する。顔の筋肉を動かす「表情」もまたコミュニケーションの手段として用いられる。それは必ずしも感情がストレートに現れたものとは限らない。犬は人と比べて、格段に合理主義者である。「こうすれば上手くいく」と知れば、それを覚えて即座に実行する。例えば、眉間にシワを寄せて困った顔をすれば、飼い主が面白がって喜びオヤツをくれた。それを覚えたら、内心では大喜びしながら「困った顔」をし続けるだろう。感情がストレートに現れたものか、それとも、経験から得た打算的なものか? それを読みとるのは難しい。もっとも、犬自身がどちらなのかわからなくなっているのでは!?

・顔で怒ってココロで笑う?

タレント犬の養成所で、犬がいつでも「怒りの表情」ができるよう訓練した人がいる。トレーナーが命じれば、犬はすぐに牙を剥いてうなる……が、本気で怒っているわけではない。むしろ、トレーナーに遊んでもらい、命令に従えばオヤツも貰える。顔は怒っていても、ココロは喜んでいるのだ。表情だけでは本音は解らない。そのよい実例。

・犬の表情は環境がつくる? 
犬は経験により、人とのコミュニケーション手段を会得する。「表情」もまたそのひとつ。飼い主や他の人間との交流が頻繁な犬であれば、表情で意志を伝えることにも長けてくる。室内飼いは外飼いと較べて、人と交流する機会も多い。そういった生活環境の違いにより、表情豊かになったり無表情になったりもする。

 

表情で病気の早期発見もできる!?


愛犬の顔が歪んだり傾いて見える
→そんな風に見えたときは三半規管に問題があるかもしれない
平衡感覚が保てなくなって、顔にもその表情が表れたのかも。
三半規管の病気だと瞳孔が開いてることもあるので、目のほうもよく観察してみよう。

片方のマブタが下がってきた
→神経系の病気を患った犬にはこのような症状が現れることがある。
症状が悪くなると歩き方がおかしくなることも。
また、無気力になったり、逆に攻撃的になるなど性格が豹変することがある。

耳が傾いてきた
外耳炎や中耳炎など耳に異常があるときにはこのような症状が現れることがある。
やたら耳を掻いたり気にしているなら、一度病院に連れて行き、診察してもらったほうがいいだろう。
 

日本犬の繊細な感情表現、それは日本人にも通じる

犬も年を取れば、顔の筋肉も弛んで表情も若い頃とは違ってくる。しかし、それも悪いことばかりではない。つまり、年相応の味わいや深みが表情に現れるということ。また、人も犬も年齢を重ねるごとに表情は豊かになり、感情を伝えるにも様々な手段を講じるようになる。

どちらも、他者とのコミュニケーションを重視して生きる動物なだけに、経験を積むことで会得する技も多いのだろう。特に日本人は、目立たないながらも、その感情表現の手段は多彩だ。直接的な言葉よりも、相手を傷つけないよう、その表情や動作から婉曲的に意志を伝える手法に長けている。その日本人と大昔から一緒に暮らし、お互いの表情やボディランゲージで意志を伝え合ってきた日本犬なだけに、日本人と同様、細やかな感情表現は他の犬種よりも得意なのかもしれない。

日本犬は洋犬に比べて、あまり感情を表に出さない。よくいわれる定説だが、それは外国人が日本人に抱く印象とも酷似している。感情を表に出さないのではなく、相手がシグナルを見落としているだけなのだが。外国人のオーバーアクションと比べて、日本人の感情表現は地味で目立たない。が、細やかでそこには多分の意味が含まている。それを読み解いてみれば、真意も理解できて親密につき合えるようにもなる。

日本犬もまた同じ。わかりづらいと諦めるのではなく、愛犬の表情や動作にもっと注意深く接してみよう。

Shi-ba vol.76 『表情が変わる仕組みは人と同じ・・・犬の顔筋 大・研・究!!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。