近年、史上空前のネコブーム。確かにYouTubeとか見ればネコ動画が目立っている。再生回数もスゴイことになってるし。書店も猫の写真集だらけ。猫グッズ売行き好調で、テレビCMもネコばっかり。なんと、その経済効果を資産すれば2兆3162億円とか。雲行きが怪しくなってきた日本経済には、よいことだとは思う。「ネコノミクス」という言葉もできたくらいだ。
しかし、ネコのヤツらをこれ以上調子づかせちゃいけない。柴犬として阻止せねば。なんたって、犬は有史以来人間の一番の友達。ペット飼育頭数で第一位の座をずっと維持しつづけてきたのもその証。ペット界の絶対的王者なのだ。
だがなんと犬と猫の飼育頭数の差は急速に縮まり、去年はついに猫が犬を上回った。
よし、本気だしますよ。全力で叩き潰す! しかし、噛みついてシメるのも大人気ない。それにヤツらすぐにネコパンチ連発してくるしなぁ。やっぱ憲法第九条は守って平和的に穏便に、そして、少し姑息に勝負!ネコに勝る犬の魅力。いろいろ良いトコ見せてあげましょう!
ネコのココが好き!1
芸術的な姿
柴犬の立ち耳や巻尾も、よくよく見ればアートしてる。 ネコが芸術的? ふっ、鼻で笑っちゃうぜ。よっしゃ、しょっぱなから本気だしていきまっせぇええ!!
ぷりぷりな尻
柴犬のぷりぷりとお尻ふりながら歩く姿。飼い主さんはもちろん、道ゆく人々からも「カワイイ」って評価高いっすよ。そう「カワイイ」はいまや世界の共通語。クールジャパンの代名詞でもある。つまり、柴犬のぷりケツこそが、いま世界が注目する日本の現代アートを象徴するものってこと。ネコのヤツもこれは真似できない。
絶妙なシッポの角度
ネコは尻尾を優雅に動かして感情を表現する。それと較べて、犬がぶんぶん尻尾を振る姿は大雑把で情緒がないって? 何を言う!! ネコに負けず劣らず優美な曲線ではないか。時と場合によって微妙に角度を変えながら、何かを伝えようとしていて、見飽きない。
コロコロ変わる表情
ネコの無表情なとこが神秘的? けっ、それって演劇の世界では大根役者っすよ。やっぱり名優ってのは表情豊かに、喜怒哀楽を表現できないとね。嬉しい時にはアホみたいにウヘウヘと、それで飼い主も笑顔になる。見栄張なネコには、こんな具合に感情全開にふるまうのは無理だろうなぁ。役者としての素質は犬の完勝ですね。にやり。
ぷにぷにな顔の肉
顔や首の肉がユルユルなのは、敵に噛まれても致命傷を避けるため。なんだけど……家庭犬には無用の長物? いえ、そんなことはない。たるんだ顔の肉を弄って遊ぶ飼い主さんは多い。ふにふにしてると気持ち良くて幸せな気分になるとか。陶磁器も触って楽しむものだっていいますから、犬の顔もまた触って楽しむ芸術なのでしょう。たぶん。
よく動く耳
立ち耳は、日本犬の象徴。また、これをレーダーみたいに全方位に動かすことで、他の犬よりも素早く鋭く周辺状況を察知できるのだ。でも、飼い主からするとこのよく動く耳が面白いようで、観賞用としても楽しんでもらっている。まあ、一部のネコたちも似たようなことやるようだが……負けない。今日も気合入れて動かてします。
ぷにぷにな顔の肉2
ぽっちゃり体型の柴犬にとって、後ろを振り向くだけでも肉が邪魔して、く…苦しい。とはいえ、この顔周りのシワ、芸術的な曲線を描き首周りを包み込んでいる。この曲線美は猫の曲線美にも負けない芸術なのだ。
ダリもピカソも猫派だって。ネコが偉そうな理由って…
ダリとかピカソとか画家のみなさんにもネコ派は多いようで。なんだかなぁ。芸術家にネコ好きが多いから、ネコも芸術的……それって短絡的過ぎやしないかい?
まあ、ネコもYouTubeとかで色々とやってくれてるけど。芸術的っつーか、ただ体がやわらかいだけじゃない? やわらかくて芸術的っていうのなら、タコとかクラゲとかのほーがよっぽど芸術的じゃねぇか、けっ!!けっ!! しかし、体のやわらかさはねぇ、確かに犬には真似できない。無理。
でも、体がやわらかくてアクロバティックな体勢がとれれば、それで芸術的といえるのか? 新体操とかフィギュアスケートを例に考えてみよう。飛んだり跳ねたり回ったりするのとは別枠で「芸術点」ってのが、ちゃんとある。
よし、犬は純粋に芸術性で勝負だ。だけどまあ「芸術性」ってのは胡散臭いよなぁ。ぶっちゃけ、評価する人の個人的な好みとか贔屓目とか、その場の雰囲気みたいなのが、かなり反映されるだけに。ネコブームでネコな世の雰囲気の中では、犬には不利かも。アウェイ感いっぱいでやりにくそうだけど、とにかく頑張ってみます。はい。
ネコのココが好き!2
ツンデレな性格
柴犬はツンとデレを巧妙に使い分ける
ネコには「ツン」があっても「デレ」はほとんどない。飼い主をガン無視したり、ふんぞりかえっていたり威張りくさっている。飼い主の顔色を24時間年中無休でうかがいながら、命令を待つ忠犬からすれば、ムカつく態度だ。もしも、ネコのヤツがブログとかフェイスブックとかやっていたら文句を投稿してやります。絶対。まあ、柴犬の場合は、他の忠犬の皆さんから比べると、「お前もネコっぽいぞ」とか、グサっとくる指摘をされることもあるが。
たしかに、洋犬の皆さんから比べるとテンション低いし、飼い主が調子にノってる時とかは、正直、ついていけない時もある。ごめんなさい、時々、ネコみたいに無視したこと……あるわ。いゃ、けっこうしてるかも。いゃいゃ、ネコのふり見て我がふり直せですね。反省。
でもね、言わせてもらえば、たしかに柴犬も「ツン」はする。しかし、ネコみたいに「ツン」ばっかりではないのだ。「ツン」のあとに必ず「デレ」る。えっ、オヤツや散歩につられて愛想を振りまいているんじゃないかって? まあ、否定はしないが、考えてみてほしい。ネコがオヤツ欲しさにデレるだろうか? ヤツら貰って当然ってな感じでしょ。飼い主さんに「ありがとう」とか、言うわけない。
そこが我々とネコの違うところ。確かに打算はある。オヤツを見せられただけで、手のひら返したような態度になったりもするが、そこもまた、可愛いところじゃないか。ツンとデレの使い分け。言葉を変えればメリハリが聞いてるとか、変化にとんでるってこと。ってなわけで、柴犬のツンデレな態度は飼い主さんをけして飽きさせません。損はさせまへん、勉強しまっせ。
ネコのココが好き!3
自由なところ
人間社会で生きるには、何かと自由を制約される。それだから人は、自由気ままに生きてる感じなネコに憧れるのだろうか? でも、犬にだってできますとも。自由な生き様、見せてあげましょ。
散歩中の小休止
疲れたのか、それとも、ただそういった気分になったのか? 散歩中にいきなり立ち止まって小休止することが多々あり。飼い主には何の相談もなく、自由にやっている。
野生にかえる
ハトを見れば目を爛々と輝かせ、セミの抜け殻探して木の根っ子を集中捜索。散歩中の公園では野生の本能全開って感じで、好奇心の向くまま自由で好き勝手に行動してる。
いまどきのネコ程度には自由を満喫してる、かな!?
ネコの自由なところが、好き? お言葉だが、ヤツらを放し飼いにして好き勝手させてるのは人間でしょ。犬たちだってリードに繋がれてなきゃ、けっこー自由。たまに隙みて逃走した時とか、かなり自由に飼い主おちょくりながら逃げまわっている。でも、オヤツには弱いのよねん。美味しいモノをちらつかされたら、すぐに自首して繋がれる。生活のために自由を売る。サラリーマンのとーちゃんと同じですかねぇ。
しかし、リードに繋がれていたって、微妙に自由求めて反乱してます。散歩に連れて行ってもらってるのに「行かない」って踏ん張ってみたりしてね。そう、自由は与えられるもんじゃなくて勝ちとるモノですから。でも、最近はネコのヤツらも完全室内飼いで、飼猫やってる限りは好き勝手に外をウロつけない。昔ほどには犬猫の自由さには差もないような……。
ここで一言、猫もモノ申す!
猫おいて出かけすぎじゃっ!?
猫が家の外に出るのは、こっそり脱走した時だけ。それに比べて、犬は毎日朝夕散歩に連れて行ってもらって、週末とかは車で遠出…。
猫よりいいもの食べすぎっ!
すごく気になるんだけど。犬ゴハンの方がおいしそうだよね。種類もいっぱいあるし。
犬にだけお金かけすぎっ!?
飼い主たちって、犬にばっかりお金かけ過ぎてない!?すぐ破壊しちゃうのにオモチャいっぱい買い与えて、服もいろいろと買ってるし。
Shi‐Ba的結論
考えてみれば柴犬って他の犬種に比べると、かなり猫っぽい感じ。ネコブームの中でも「ネコっぽい犬」として、それなり人気は維持できるんじゃないかな、と。
この先どんなにネコ人気が上昇しようが、生ぬる~く見守っていこう。なんか恩恵にあずかれるかもしれないし。ぐふ。
関連記事:猫人気に全力でシット!柴犬の名誉にかけて1番人気を奪還する!(2)
Shi‐Ba vol.89『ざけんなよネコブーム 柴犬の名誉にかけて……本誌が全力でシットします!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。