第8回 瓶長(かめおさ)
水瓶の付喪神(つくもがみ)。いくら汲んでも水が尽きることがなく、飲んでも飲んでも水が減らないありがたい水瓶。
【付喪神】長い年月を経ると、物にも霊が宿る。霊がついて妖怪になった物のこと。
水瓶が常に新鮮な水で満たされていたら、なんと楽でありがたいことか。そんなに大きくなくていいから、できれば愛犬の背が届くところに1つ置きたい。
瓶長はまるで、叩けばビスケットが増えていくポケットみたい。あの歌に親しんだ当時は、子供心にポケットの中がベトベトになる心配をしたっけ。それにビスケットのカスが出そうなのも気になった。
今、私は永遠に芯が出続けるシャーペンが欲しい!急いでいる時に限って芯がなくなる状況は、地味にストレスだったりする。あぁ、愛用のシャーペンが付喪神になるのを待つしかないのだろうか。
【参考】
「決定版 日本妖怪大全」水木しげる 講談社文庫
「画図百鬼夜行全画集」鳥山石燕 角川ソフィア文庫
絵と文/影山直美