【去勢しない雄という生き方】詳しく知った上でする・しないを考えよう!

去勢ってしたほうがいいのか、しなくてもよいのか? ホントのところ未去勢ってのはどうなんだろうか。 そこのところ今回は深く考えてみたいと思う。
 

 

去勢についての調査

未去勢の犬

Q.未去勢のオスのイメージは?

●リーダー気質のある男前な性格のオス犬。強い男のイメージがあります。

●メス以外には「とりあえずメンチ切っとけ!」ってなイケイケな感じ。オスやメスにかかわらず、やたらマウンティングして順位づけにも熱心そう。

●警戒心が強くて、吠えやすい犬といった印象。攻撃的で、縄張り意識も強いのであちこちにマーキングしそうな……。

●大らかで動じない。男らしくて堂々とした感じ。肛門が大きいって印象があり、そこのところもまた「男」を感じます。

 
Q.去勢をしたオスのイメージは?

●性格がおっとりして、オス同士の喧嘩もなく、どんな犬とでも仲良くできる。穏やかで温厚な印象があります。

●食欲旺盛な感じで、太りやすい体質になりそう。また、去勢したオスは肛門が小さくなる印象もありますね。

●何歳になっても甘えん坊で、子供っぽい。体のほうもオスやメスの特徴があまり出なくて、見た目ではわかりにくい。

●去勢したほうが、病気になる危険性が少なく寿命も長くなると思う。でも、未去勢のオスより排尿の時間が長い感じもあり。

 

去勢をした理由

未去勢の犬

愛犬を去勢した飼い主さんに、その理由や時期、術後の変化などを聞いてみた。検討中の方はこちらを参考にしてみては?

●病気をしてほしくないのと、穏やかになってほしくて1歳の時に手術。術後はマーキングが減り、ゴハンに飛びつくようになったが、穏やかになったかは「?」。
(オス・1歳)

●6ヶ月になって手術。オスならではの病気になってほしくないため。マーキングも減らず行動の変化はなし。強いて言うならマウンティングはなくなったかも。
(オス・6ヶ月)

●たしか8ヶ月の頃に手術しました。マウンティングを始めたばかりの時で、ちょっと攻撃的だったけれど、術後はおっとり平和主義者になりました。
(オス・9歳)

●8ヶ月くらいの時。柴や犬を飼う知人に勧められて。特に性格も変わっていない気がするので、今では去勢しなくてもよかったのではと思っています。
(オス・7歳)

 

犬の去勢 Q&A

未去勢の犬

去勢の歴史とは、オス犬の去勢・未去勢にまつわる様々な疑問について、解説していく。
 
Q.去勢する犬が増えてきたのはいつ頃?

少なくとも1980年代の頃になると、さほど珍しいものではなくなってきた。1990年代には去勢してないオス犬のほうが少数派になった。

もっとも、これには地域による差が大きい。去勢しているオスが多数派というのは、あくまで室内飼いが多い都市部のこと。

屋外で飼っている場合が多い地方の場合だと、去勢せずに飼われている犬はかなり増えてくるはず。

 
Q.未去勢のオスと暮らす上で、飼い主が困りがちなことは何?

一番困るのがマーキング。未去勢でもやらない犬はいるが、去勢したオスに比べたらマーキングする可能性は格段に高い。

対策としてはしつけしかない。犬をよく観察して室内でマーキングしそうな時には、タイミングを見計らって大きな音を立てる。

これを幾度が繰り返せば大体の犬はやらなくなるだろう。

 
Q.オスらしい行動が出てくる年齢は?

散歩中にメスのにおいを嗅いでまわったり、マーキングしたりするのは、やはり男性ホルモンの影響によるもの。

個体差はあるが、平均的なところで生後8~10ヶ月といったところ。

他のオスに対して吠えたり威嚇するとか、マーキングやマウンティングといった行動はオスにはありがち……というだけで、それがオスだからという理由だけで片付けるのは問題がある。

 
Q.去勢手術をする場合に最も適した時期は?

去勢手術の適切な時期というのは、以前と少しずつ変わってきている。

犬の発育や前立腺癌を考えてあまり幼い時期にはやるべきではないし、高齢になると麻酔の危険性が高くなる。

手術をするなら生後8ヶ月過ぎてから4歳未満くらいの年齢というのが、時期的には一番良いだろう。

マーキングを予防するためなら生後8~9ヶ月で行うとよいだろう。

 
Q.発情期のメス犬がいる場合の、未去勢オスが取りがちな行動って?

犬はオスでもメスでもにおいを嗅いでまわるが、においに執着することは少ない。

しかし、発情期のメス犬のにおいを感知した時の未去勢オスは、背中の毛を立てて興奮し、異常な執着を見せて長い時間しつこくその場所のにおいを嗅ぎまわし、さらには、においを辿って発情したメスを探そうという行動も起こす。

 
Q.去勢したほうがいい犬、しないほうがいい犬は?

停留睾丸の犬は睾丸の腫瘍になりやすいのでその予防のため、前立腺肥大や会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫、睾丸腫瘍など性ホルモンが関係している病気は治療のため去勢した方が良いかもしれない。

自然派、雄らしさを求めている、子供が欲しい、麻酔の危険性を回避したいなどを考えられている方は去勢しなくてよいだろう。

 
Q.子犬の睾丸がおりてくる時期はいつ頃なのでしょうか?

普通は生後3~4日で睾丸が下りてくるが、10~14日くらいの間は体の中に出たり入ったりしているので、睾丸の確認が難しいかもしれない。

また、個体差もあって15日以上かかる場合もあるので、生後4ヶ月を過ぎても睾丸が下りてこなければ、動物病院で診察してもらったほうがよい。

 
Q.去勢手術をすることのメリットとデメリットについて教えて

未去勢は毛吹きが良いとか、オスらしい逞しさとかが維持される可能性が高い。これはメリットだろう。

また、去勢は気性の荒い犬をおとなしくさせるメリットがある……というのは、昔の考え。それはしつけでやるべきもの。

それよりも未去勢の状態だと患いやすい病気を予防すること。それが最大のメリット。

 
Q.去勢手術をすると性格、行動、体型などは変化する?

一般的には体型が小さくなり、毛並みはメスのように細かく柔らかい感じに。声もカン高くなると言われている。また、犬によっては太ることもある。

行動では、足を上げずにオシッコをする犬もいる。

性格については、気荒な犬が穏やかな犬が穏やかになることもある。

しかし、時期が遅いとあまり期待はできない。

 
Q.成犬になってからの去勢は、犬が落ち込む?

子犬も成犬も関係ない。無理やりに麻酔して手術されるわけなのでストレスはある。一時的に落ち込むことはあるだろう。術部が痛くて動く気がしないとかいう理由もある。

でも、それが術後1週間以上長引くようだと、何か問題が起きている可能性が高いので病院で診てもらったほうがいい。

 
Q.去勢手術というのは、手術のなかでは簡単だと聞いたけど……

手術手技としては簡単。だからこそ、失敗は許されないと、逆に獣医師は注意深くなる。

去勢は病気ではなく、基本的にはあえてやる必要はない手術。

健康な犬に麻酔をかけてメスを入れるわけなので、絶対に後遺症をのこしてはならないし、元気な状態に戻さなくてはならないというもっとも難しい手術。

 
Q.去勢手術の方法、時間、術後の注意などあれば教えて

入院するかしないかは個々の病院によって方針も違うが、基本的には日帰りの手術になる。

手術は毛刈りや麻酔をかける時間まで含めても40分から1時間といったところだろう。

術後は患部を濡らさないこと。患部をしつこく舐める犬では傷口が開かぬよう、しばらくはエリザベスカラーを付けたほうが無難。

 

この問題に関しては……正解は存在せず

未去勢の犬

たしかに、去勢しないことによる病気のリスクというのはある。しかし、去勢手術だってリスクがゼロというわけではない。全身麻酔にはリスクが付き物。

その他にも飼い主さんが、去勢をしたくない理由があって迷っているのなら、無理して手術する必要もないだろう。

そのかわり、未去勢でいくのであれば、まめに動物病院で健康診断を受け病気に注意してあげるべきだ。

つまり、去勢も未去勢どちらもリスクはあるし、それぞれにメリットとデメリットはある。完璧な正解というのは存在しないということだ。それだけに、これは悩ましい問題ではある。

それぞれの家の事情とか、飼い主の考えとか好みで去勢か未去勢か決めるしかない。すべては飼い主の判断にかかってくる。

人と一緒に暮らす限りは、犬にも人の都合に合わせてもらわねば。と、ここは割り切って。そして、人の都合で犬の行末を選んでしまった限りは、最後まで責任をもってかわいがってやろう。

答えがあるとすれば、まあ、これしかないとは思う。きっと。

 
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Shi‐Ba vol.102『去勢について詳しく知った上でする・しないを考えよう!未去勢のオス!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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