我が家の犬の体験から見えたコト 食べ物を替える前にチェックしてみて!

食べない→肉や魚のトッピング→それでも食べない→市販の缶詰片っ端からトッピング→下痢→体重減少……(涙)。
我が家の失敗体験を元に、いつものフードを食べなくなった時、トッピングしたり食べ物を替える前にまずはやってみてほしいことを挙げてみた。ご参考までに。

[我が家の失敗体験談]
ふやかしたドライフードが気に入らなかったまる子様

何度も書いて恐縮だが、2022年春にまる子が前庭疾患になった際、もちろん数日は食べることができず点滴。その後、流動食を経てドライフードをふやかしたものに移行した。
たまに固いままのフードを数粒食べることもあり「へぇ〜」と思うこともあったが、15歳以上で病後ということもあり「ドライフードをスープでふやかしてあげよう」という固定観念に飼い主は囚われていた。

その後、前庭疾患の大きな後遺症もなく日々を過ごしたが食は進まず、ふやかしスープ飯に肉や魚のトッピング、という若い頃なら「即時完食おかわり希望!」の豪華なゴハンにまる子は顔を背け、一時期体重は減り続けた。
飼い主も心身共に疲れ果て、ある日気まぐれで買ったカボチャとササミのスープ状のパウチをドライフードの上にかけてそのままあげたら、あっという間に完食。

結論としてまる子はふやかしたフードではなく、カリカリを食べたかったのだ、ということが判明。実際には噛まずに丸呑みする状態だが、シニアだから●●がダメ、という先入観を持つのは考え直したほうがいいのかも、と思った一件だった。

口の中の変化

舌の機能が衰える

写真ではその状態をうまく撮れないのだが、ゴハンを食べる時にまる子の場合、今までのように舌を上手に動かせず口の左側に舌が出て軽く舌を噛む状態。食べこぼしも多く、自分で器から食べるのが難しい。
舌の機能が確実に衰えているのだと思う。口の中に何らかの変化が生じて、犬が食べづらさを感じていることもあるので注意してあげよう。

食べる行為自体がシニア犬にとっては重労働

ひと口食べて倒れ込むように寝てしまったり、壁に寄りかかりながら食べたり。食べる時の様子を見ていると、今まで何気なくやっていた「ゴハンをくわえ口の中に入れ、飲み込む」ことを生きるために懸命に行っているという印象を受ける。
その時の様子を見つつ1回のゴハンの時間を短くして何度もあげたり、食べられそうなら一気にあげるなど、犬のペースに合わせることが大切だと痛感。

噛むつもりないけど

陶器やステンレスの器に歯が当たるのを嫌がるのでシリコンのケーキ型にフードを入れ、フードが器の中で滑って逃げないようにした。
手からあげると1回の量が口の中にたくさん入るが、噛まれて流血するので厚手のゴム手袋をはめ、シリコンの器も交互に使ってあげている。シニア犬は全身の力を振り絞って食べるので、力配分がわからずすごい力で食いついてくる。噛まれてもOKな対策を。

食べる場所、位置が嫌! ?

食べる時の高さはかなり重要

水飲み場はいくつか試して、ある形で落ち着いた。でも御食事処ではゴハンを勢いよく食べるので、器を固定してもひっくり返されること数回。結局、まる子にとって一番食べやすい飼い主の手を器にし、その都度高さを微調整することに。

うるさい場所での食事はごめんだよ

まる子の場合はテレビの音が大きかったり、猫がドスドス歩き回る場所が苦手。作業をしてない時の台所は狭さも含めて落ち着くのか、お腹が空くと自ら台所に入り、ウロウロして食べたいアピールをする。食べる場所が落ち着けるかどうかも重要なポイント。

滑ってしっかり踏ん張れない場所は辛い

シニアになると自分の足で立ちながら食べるのも、本当にしんどそう。足腰の衰えも日々変化する。我が家はまる子の様子を見ながら、市販の台所用マット→100円ショップのゴム製マット→タイルカーペットに移行。次の段階では足の間にはさんで体を支えようと思う。

気分が上がらない

フードの大きさや固さを変えてみる

まる子はかたいフードが好みだったが、シニアになって柔らかいフードを好む犬もいるだろう。フード自体を変える前に、砕いて小さくしてみたり、少しふやかしたり、手から一粒ずつあげる、など同じフードで違った雰囲気を味わえる演出をしてみるのもオススメ。

自分のペースでわがままに食べたい!?

我が家の場合は飼い主が仕事で留守にする日の朝に限って食べ渋る。ひと口食べてリビングを回遊し、またひと口。朝ゴハンに1時間かけることはザラだ。逆に飼い主の在宅時は5分で完食ということも。犬のペースに飼い主がどれだけ付き合うのか試されてる!?

まる子はほめるとかなりよく食べる♪

夫に比べ私がゴハンをあげるほうがまる子はよく食べる。多分その理由は私がゴハンの時にずっとほめるから。「たくさん食べてえらいね~。かっこいいな~。ニャンコに勝ったね!」など。一見、無表情に黙々と食べるまる子だが、内心はほくそ笑んでいる模様。

まとめ
ここで取り上げた以外にも食べムラの原因はたくさん考えられる。高齢ゆえに何かの病気が進行しているかもしれないし、今夏のような暑さから夏バテで食欲がない、引っ越しや家具の配置換えなど急激な環境の変化によるストレスで食欲が落ちたなど。飼い主としては「いつものおいしいもの食べたい病」だと思える時は今までの対処をしつつ、何か様子が違う? と感じれば獣医師と相談し犬の胃腸に負担をかけない食欲増進法を実行したいもの。

Photos:Mari Kusumoto

Shi-Ba Vol.129「我が家の体験から見えたコト 食べ物を替える前にチェックしてみて!」より抜粋

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