放っておくと手遅れに!? 犬の体から出る音で病気がわかるってホント?(2)

音でわかる犬の病気
  

 

おなかの音

犬のお腹から「グルグルグル……」「ゴロゴロゴロ……」「グーグー」といった音が聞こえる原因は、腸のぜん動にある。腸が速く動いていて、ガスを含んでいる場合は、お腹から音がすることが多い。

腸内に含むガスの量、食べたものの内容、腸内を何が通過しているのかで、お腹の鳴り方は異なってきます。普段は全く音がしないのに、今回に限って音が鳴っていたり、食欲がなくて元気がない場合は注意。腸内に異物が詰まっていたり、ゆっくりと通過していることで、お腹が鳴っている可能性がある。

また、食欲が落ちてお腹が痛そうな様子の時は、自律神経が興奮して、腸が速く動いているケースも考えられます。腸がグリグリと動いている時は、気持ちが悪くて食欲が落ちやすく、自律神経系発作が治まると、元気になって食欲が回復する

また、単純にお腹が空いていてお腹が鳴っているケースもあったり、食後に腸のぜん動が亢進して音が出ている場合もある。

特にダックスは誤食をしやすい犬種なので注意したい。誤食をしている瞬間を見ていたなら、すぐに動物病院へ連れて行くことができるが、飼い主の目を盗んで誤食をしていることがあるかもしれない。そんな時は、お腹の音や食欲の有無が判断基準となる。

異物を誤食して、ゆっくりと腸を通過していたり、異物が詰まりかけている時は、腸の動きが悪くなってグリグリ音が出ることがある。普段、お腹が鳴ることがないのに、お腹がグルグル鳴っている、食欲が落ちていて、呼んでも来なかったり元気がない様子であれば、誤食の可能性もあるため、動物病院に連れて行き検査をしてもらったほうがいい。

次にうんちの状態も確認しておく。お腹がグルグルと鳴っていても、しっかり食欲があって、うんちの状態が正常であれば、単に腸が速く動いているだけで、そんなに心配はない。

このように心配無用なケースもあるが、もしも異物を誤食していたら開腹手術の恐れもあるので、お腹の音が鳴っていて、食欲や元気がないようだったら早めに動物病院へ連れて行こう。

たかがお腹の音くらいで……と油断せずに、愛犬の体の声にしっかりと耳を傾けるようにしたい。

 

排泄時に鳴く・唸る

音でわかる犬の病気

うんちをする時、犬が「ウーッ」と唸る。そんな時は、単純にいきんでいるケースもあるが、うんちが出にくくて唸っていることもある。

うんちが大きい、太い、硬い場合は、相当強くいきまないと排便できない。そのために、排便時に唸ることがある。

便秘でうんちが出にくい場合もあれば、肛門が開きづらい犬もいる。この肛門括約筋が細いケースは、腸内に太いうんちができてしまうと、出そうと思ってもなかなか出せません。何度も強くいきんでようやく出ることもあれば、出せなくて途中で疲れて休んでしまう。そのため、何度も排便行動を繰り返すが、なかなかうんちが出ない。

この場合は、まずは食事内容を、うんちが硬くならないフードに切り替える。それから、うんちを柔らかくする薬を使う。それでも上手くうんちが出せない場合は、肛門を切開する手術を行うことがある。

また、おしっこをする際に「ギャン!」と悲鳴を上げる場合も注意が必要だ。ペニスや陰部に傷があり、おしっこがしみて鳴く場合と、尿路結石があって石が尿道を通過した時の痛みで鳴いている可能性が考えられる。

このように、排泄時に唸ったり鳴いたりすることがあれば、獣医師に相談をして原因を探り、早めに治療を行うようにしたい。

 
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オナラ

音でわかる犬の病気

犬と生活していると、突然出る「プッ」というオナラの音にびっくりすることも。単にオナラが出ているだけでは、病気のサインであるとは言えないが、オナラの回数が多い時は食生活を見直してみよう

例えば、普段と違う食事を与えたり、誤食をして腸の動きが悪くなってオナラが出ているのかもしれない。下痢の前兆だったり、消化不良を起こしているケースもある。

まずは食事の内容や量を確認して、いつもと違うところがないかチェックしたい。

オナラの回数が多くてニオイも臭くなり、下痢や便秘などの症状が出始めていたら、獣医師に相談をしてみよう。

ちなみに、オナラの音が大きいのはガスの量の問題なので、それほど気にしなくてもOK。

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心臓の音

音でわかる犬の病気

音に異変が表れる病気として代表的なのは心臓病である。とはいっても、健康な状態であれば、普通に生活している中で心臓の音が耳に聞こえることはない。

もしも犬の近くに行った際に、心臓の音がはっきりと聞き取れるほどであれば、かなり心臓が悪くなっている証拠だという。

通常、犬の心臓の音を聞くには、聴診器が用いられる。愛犬の心臓の音を聞きたいと思ったら、市販されている聴診器を使うか、もしくは犬の心臓の位置にピタッと耳をくっつけることで、鼓動を聞くことができる。

できれば聴診器で、日頃から愛犬の心臓の音を聞いておくといいだろう。正常時の心臓の音は雑音が入っていなくて、一定のリズムできれいな音をしている。不整脈があると『ザッザッ』と雑音が入っていたり、拍動がとぎれとぎれになることがある。正常時と明らかに違う音をしていたり、リズムが異なっていたら、心不全の疑いも。

犬によって、「ドキドキドキ……」「ドッドッド……」「ドキンドキン……」など、心臓の音やリズムにはさまざまなパターンがある。愛犬の正常な心臓の音を知るためには、まずはかかりつけの獣医師に尋ねてみよう。

正常だった場合は、帰宅後に聴診器で心臓の音を聞いてみる。そして、正常時の心臓の音を覚えておき、日頃から心臓の音を聞く習慣を身につけましょう。正常時は『ドクドク』という音だったのが『ダックダック』と鼓動が速くなったり、『ドクッ・ドクドク・ドクッ』と聞こえるようになったり、今までと音やリズムが明らかに変わってきたら、心臓の病気が疑われる。

いつもと違う心臓の音がしたら、心臓に異常が出ているサインかもしれない。心臓の病気には心臓奇形不整脈心不全などいろんな種類があるが、特に多いのが加齢性の心不全僧帽弁閉鎖不全症であるという。

心臓病が疑われる場合はレントゲン、血液検査、心電図検査、血圧検査、超音波検査などを行って病態を把握し、適切な治療を行っていく。

心臓病の早期発見のためにも、日頃から心臓の音を知っておくと安心だ。最近はリーズナブルな聴診器も多く販売されているので、ひとつ持っておくと◎。

 

音の病気に関するQ&A

音でわかる犬の病気

Q.犬が花粉症にかかると人間のようにクシャミが出る?
犬が花粉症にかかっても、クシャミが出るケースは少ない。犬の花粉症の症状として多いのは、全身のかゆみ。皮膚が赤くなったり、体をしきりにかくようになる。ただし、ごく稀にクシャミが出る犬もいる。

 
Q.吠え声がいつもよりかすれていたら病気のサイン?
犬が吠えた時の声がかすれていたら、声帯に何か問題があるのかもしれない。吠え声の間に「パフッ」と変な音が挟まる場合も、何か異変がある可能性がある。一度、獣医師に相談してみるのがおすすめ。

 
Q.体が痛いと犬は吠えて訴える?
体が痛いと「キャン!」と鳴いて痛がることはあるが、痛みが強すぎると逆に黙ってしまうこともある。ただの要求吠えの可能性もあり、「吠える=痛い」というわけではないので、普段の行動と見比べて判断しよう。

 
Q.聴診器を当てることで発見できる病気について教えて
聴診器で発見できる代表的な病気は心臓病。また、肺炎にかかると肺に水分を多く含んでくるため、肺に聴診器を当てると「プチプチッ」というような捻髪音が聞こえる。お腹に聴診器を当てれば、腸の音から異変に気づくこともある。
 
放っておくと手遅れに!? 犬の体から出る音で病気がわかるってホント?(1)
 
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監修:野矢雅彦先生
 
ダックススタイル vol.29『犬の体から出る音なんて、こんなもの……と思っていると手遅れになるかも!? 音で病気がわかるってホント?』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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