犬びより

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いきみの最中、その心は・・・。いきむ犬、ふんばる犬の何故にお答えします!

2018/06/19

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排便時や出産時のいきみ、拒否のふんばりなど、愛犬の下半身に力が入る瞬間。犬たちはそのとき、なにを考えているのか?また、その姿を見ていると元気が出てくるような気がするのはなぜ?
 

いきみと気になるふんばりのアレ

 

 
犬の「断固拒否」の背景には不安や恐怖が存在する

散歩中や、動物病院などの嫌いな場所の前に来た時、突如愛犬が立ち止まって、動かなくなることがある。てこでも動かない、という場面に遭遇した方も多いに違いない。その原因がはっきりしていることもあれば、わからない時もある。その背景にあるものは不安と恐怖だ。柴犬はルーティーン好きな子が多いため、決まった物で遊んだり、決まったコースを散歩することで、安心感や満足感を得られる。違う散歩コースはルーティーンから外れるので、それが恐怖心や不安感となって、踏ん張り、拒否するのだ。だが、これらもトレーニングによって解消できるという。一番よくないのは無理強いすること。無理矢理引きずると、行動はどんどん悪化していってしまう。
 
確かに人よりは安産。それでも大仕事なのである

人にとって、犬は安産の象徴。人を含めた他のほ乳類の出産の中では苦しみが少ないのは事実。でも、犬自身からすれば、その一生の中ではやはり大きな仕事であり、それなりの痛みも伴うのである。犬の場合、例外を除けば横に倒れた姿勢で出産する。だから、ウンチのいきみとはまた少し様相は異なる。はじめにそわそわと落ち着きがなくなるのはウンチの時と似ている。だが、出産の場合はそこからが長い。そわそわしながら、時折声を上げる。痛みも感じているようである。そしていよいよ、という場面。案外スポーンと出てくることもあれば、なかなか出ないこともある。見た感じよりも体力を使うのである。で、いきみなのであるが、ウンチの時ほど見た目には顕著に現れないが、しかし相当な体力を要するわけであるから、犬からすればこれ以上ない「いきみどころ」である。大仕事を終えた後の、安堵に満ちた表情を見るて喜びを分かち合うなんてそうそう何度も体験できることではない。もしそのような機会を得られることがあるなら、「歓喜のいきみ」を是非とも共有して欲しい。ってちょっと大袈裟だが。
 

この下半身の違和感を何とかしたいのであります

 

どの角度から見ても「あ、これは腰から知りに重心がある」と分かるスタイルである。
 
いきみが始まった犬の目は一点集中。声をかけないで、余計な動きをしないで、という表情で集中したい。その時、犬は何を考えながらいきんでるのか。ゴハンのことか、大好きな遊びのことか、それとも気になるあの子のことなのか。人がトイレでそんなこと考えるか、多分考えてないと思う。犬だって、そうじゃないか。お尻のあたりに違和感があるから、早く出してしまいたい。今ここにある不快感から早く脱したい、と思ってるのだ。言われてみれば、我々人も同じではないだろうか。誰にも邪魔されずに、早く「スッキリしたい」のは一緒なのである。
 

出やすい姿勢というのは人も犬も一緒のはず

いきみのスタイルの基本は、どの犬も同じである。足を少し浮かせ、膝が鋭角にたたまれる。人が和式のトイレでする姿勢と似ている。この姿勢だと、直腸がまっすぐになるのでウンチが出やすくなるのだ。余談だが人の場合、洋式でするよりも和式でするほうが便秘になりにくいという。和式での姿勢のほうが膝の角度は鋭角だ。

なので、この姿勢は本能的なものではないかと思われる。

さてそれでは、異端のいきみスタイルはどう解釈するか。変な姿勢でウンチするのは、マーキングの意識もあるのではないかと考えられる。姿勢によってはニオイ袋も出す。ウンチしたい、という意識しかなければ、みんな基本の姿勢になる。やはりアピールなのだ。自己顕示なのだ。人目(犬目?)を意識しての確信犯と言ってもいい。それはそれで愛らしいが。もう一点、飼い主が頭に入れておきたいことがある。

それは、老いや病気によって基本の姿勢が取れなくなることがあるということだ。膝や腰などが悪くなってくると、今までのようにうまくしゃがめなくなることがある。従って、ウンチの姿勢が変わってきた、という時はそんなことも意識しておいたほうがいいだろう。
 

愛犬がいきむ姿を見れば我々にも力が漲ってくる

 

 
いきむ、踏ん張るといった力の入る犬の行動をゆるく並べてみた企画だったが、最後は少し真面目な話を。

愛犬がいきんでいる時に、いやな気持ちになる飼い主はおそらくいない。愛犬が踏ん張っている時に、気持ちがダウンしていく飼い主も多分いない。そう、愛犬のいきみや踏ん張りは、我々飼い主やその家族、周りにいる人たちを明るく元気にしてくれる。時には大いに勇気づけてくれたりもするのである。気持ちを集中させて、体中に力を漲らせたその姿は、一本気でけなげでもある。だからこそ、我々はそれを愛おしく思い、「この子ががんばっているのだから、私もがんばらなくちゃ」という気持ちにもなるのである。

飼い主の気持ちが高揚してしまうと、愛犬がいきみスタイルに入った時についついちょっかいを出したり応援をしたくなることがある。だが、これはできればやめておいたほうがいい。飼い主など、気のおけない人が触ってる分にはまだいいが、他人がそんなことすれば警戒して、出るものも出なくなる。人だってそうだ。トイレは落ち着いて済ませたい。

もうひとつ、いきみの時間が長い時は、便秘の他、鼠蹊ヘルニア、巨大結腸症などの病気の可能性もあるので、そのあたりも頭に入れつつ、いきみに付き合っていくこともまた飼い主の役割である。
 
Shi‐Ba vol.81『犬と飼い主、ここがまさにふんばりどころ いきむ犬』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。