日本犬の歴史や体の特徴・性格を知ろう!

柴犬について知ろう

大正時代の日本犬保存活動の際に全国から集められた小型犬が、現代まで続く柴犬の基礎になった。そのため、他の日本犬とは異なり、犬種名に原産地がついていない。

かつて日本の小型犬の総称であった柴犬の名前を持つ犬たち

山陰柴犬

柴犬保存会系 柴犬

美濃柴犬

日本犬の歴史

日本に人と犬が渡ってきた頃から、現在に至るまでの歴史を振り返ってみましょう。

縄文時代以前
1万5000年前、ユーラシア大陸でオオカミ(犬の祖先)が家畜化されて犬になった。その後、世界各地へ人に連れられて移動していった。

縄文時代
約1万2000年前にユーラシア大陸から縄文人と縄文犬が渡ってきた。柴犬よりやや小さい個体が多い。番犬や猟犬として大切にされた。

弥生時代
約2300年前に朝鮮半島経由で渡来人と犬が共に移動してきた。基本的な形態は縄文犬と変わらないが、体格が大きい犬もいた。

奈良~平安時代
奈良時代に唐などから犬が持ち込まれていた記録がある。平安時代には貴族の愛玩犬が登場。市井では番犬としての役割に加えて、残飯の掃除役の野良犬もいた。

中世時代
鎌倉時代以降の遺跡から縄文犬の特徴を備えた大きい犬が発見された。安土桃山時代にはオオカミに近い顔よりも丸顔の犬が増えた。

江戸時代
徳川家光がオランダに大型犬を注文するなど欧米の犬が人気に。ダックスフンドのような短足の犬や小型の犬が初登場。犬の品種改良を行った痕跡が見られる。

近代
洋犬種の輸入によって日本の犬の雑種化が進んだ。大正時代から柴犬をはじめとした日本犬の血統を守るために保存活動が開始された。

2頭の柴犬から現代に続く血統が生まれた

近代から現代まで続く柴犬の歴史を振り返ってみましょう。明治時代の頃、明治維新によって貿易が活発になり、欧米の犬種の輸入が増えました。そのため純粋な日本犬が少なくなり、日本犬を守る保存活動が開始されます。

昭和3年には日本犬保存会が設立され、血統を管理するために犬種登録を行いました。素質が優れていた島根県出身の石号(オス)と四国地方出身のコロ号(メス)の血統から、中興の祖と呼ばれる中号(オス)が生まれ、現代まで続く柴犬の基礎になりました。現在、犬種登録を行っている団体は日本犬保存会のほか、ジャパンケネルクラブなどがあります。

容姿

頭部に合った大きさで適度な厚みがあり、やや前に傾いている耳が理想。耳の内側のラインは直線、外側のラインはやや丸みがある。耳は頭部の両端から外には出ないことが望ましい。バランスが大切である。

目はやや奥にくぼんでいる。奥目の状態。まぶたは目頭から目尻に向かって「へ」の字に近い、不等辺三角形をしている。目尻はやや上がり、目に力強さを加えている。虹彩は濃い茶褐色が理想とされている。

両側の頬から丸みを帯びたほどよい太さと厚みを持った形。口吻は太すぎず、口唇はゆるみがなく一直線に引き締まっている。成犬の歯は42本で噛み合わせは正常であること。健全な印象を感じる口元をしている。

かたくて鮮明な色の上毛(オーバーコート)と、やわらかく淡い色の下毛(アンダーコート)が生えている。剛毛と綿毛の二重被毛(ダブルコート)。春と秋に換毛期があり、下毛が抜け落ち、生え変わり、体温を調整する。

背のラインは肩甲骨のあたりから尾のつけ根まで直線になっている。骨格が理想的な犬は、歩いた時に背や腰が上下左右に揺れず、まっすぐ進む。力強く適度な太さの巻き尾、もしくは差し尾が背中に差している。

丈夫な骨格と筋肉に支えられ、胸は前に張り出すようによく発達している。肋骨は適度に張り、上から見て楕円形をしている。胸の下の位置は、体高(足元から肩までの長さ)の半分程度がよい。

前足は肩甲骨が適度に傾斜して、肘を胴に引きつけて胸の幅と同じ幅で地につく。後ろ足は大腿部がよく発達して、かかとは粘り強く踏ん張る。腰幅と同じ幅で地につく。指はどちらも握っているほうがよい。

性質


日本犬の性質は、「悍威」「良性」「素朴」という3つの言葉で表現される。悍威は気魄のこと。大事の時には気概を示す強さが必須。良性は性質のよさ。素直で優しく、かつ自立した精神を持つことを指す。素朴は自然な姿。飾り気のない質素なたたずまいである。

毛色の種類

柴犬の4つの毛色は互いに欠かせません。

毛色は頭数が多い順に、赤毛、黒毛、白毛、胡麻毛という合計4色です。赤柴、黒柴、白柴、胡麻柴とも呼ばれます。いずれも柴犬の毛色を守るために欠かせません。大正時代に日本犬の保存活動が始まった頃、赤い毛色の猟犬を中心に血統を保護したので、柴犬には赤毛が多く、8割を占めます。赤は山で最も目立たない毛色なので、猟師は赤い猟犬を好んで用いました。赤、黒、胡麻は裏白(うらじろ)と呼ばれる白い部分があります。あごから胸を通って後ろ足へ続く部分です。毛色を損ねない程度に白く抜けている状態が理想です。

子犬の頃は毛色がとても濃く、特に顔には黒い部分も多く見られます。成長するに従って濃さが抜け、本来の毛色に変わっていきます。ただし、白は子犬の頃から白く、成長と共にやや赤毛の部分が出てきます。

毛質は剛毛と綿毛の二重被毛です。かたくて鮮明な色の上毛が剛毛、やわらかく淡い色の下毛が綿毛です。剛毛は年間を通して生えている毛で、やぶのとげや紫外線などから皮膚を守り、水や雪をはじいて体温を保つ役割があります。下毛は春と秋頃の「換毛期」と呼ばれる時期に抜け落ち、時には生え変わり、衣替えをします。

剛毛の先端は鮮明な色をしていますが、根元に近づくにつれて下毛に近い淡い色になります。グラデーションのような色合いが、柴犬の毛色に深みをもたらします。

赤―奥行きがある 鉄錆色が理想

赤毛は明るく冴えた色が望ましい。にごりのない赤とも表現される色である。裏白とのコントラストが美しく見え、品位を感じさせる外貌になる。赤毛が枯れた芝と同じ色だったため、芝犬と呼ばれるようになり、やがて柴犬になった、という説もある。黒い差し毛が出ることもあるが、毛の先端から根元にかけて濃淡が見られないものが多く、好まれないこともある。柴犬の中で8割強を占める人気の毛色。

黒―冴えた色が品位を格上げする

黒毛は真っ黒ではなく、鉄錆色という褐色をやや含んだ奥行きがある色合い。黒光りするようなものは平面的に見え、素朴や野性味という観点から見て望ましくないと評価されることもある。目の上の黄褐色の部分が特徴で、形がはっきりしているほうが好まれる。「四つ目」ともいわれる。この黄褐色の部分は「タン」と呼ばれ、目の上、頬、口吻、四肢などに必ずある。赤柴に次いで人気の毛色である。

白―濃淡が混じった味わい深い色

白毛は純白のような色合いは少なく、耳や背中にうっすらと淡い赤毛が入っていることが多い。微妙な濃淡が奥行きを生んでいる味わい深い毛色。子犬の頃は純白に近いこともあるが、徐々に変化していく。白柴の中にはメラニン色素の欠乏による退色傾向が見られる犬もいるため、粘膜色素(鼻、口の中、目の縁、肛門などの色)が濃いほうが望ましい。日本人は白毛を好むため、近年は頭数が増加している。

胡麻―3色が混ざった繊細なバランス

胡麻毛は赤、白、黒の毛がほどよく混ざり合った毛色を指す。柴犬のすべての毛色が含まれ、繊細なバランスの上に成り立っている。生み出すことが難しい毛色で、柴犬の中ではわずか2.5%程度。毛質は他の毛色に比べてやや長め。しっかりした剛毛で、良質であることが多い。赤毛の多い胡麻毛は赤胡麻、黒毛が多い胡麻毛は黒胡麻とも呼ばれる。白毛が多い銀胡麻もいたが、現在では見かけることは少ない。

シッポ

巻き尾は太く力強く、伸ばせば後ろのかかと付近の長さが理想です。犬は走る時に、尾を舵のように動かしてバランスをとっています。巻き尾も巻いた状態からほどけて舵の役割を果たし、軽やかに方向転換。バランスをとりながら疾走します。

日本犬保存会の犬種標準では、柴犬の尾は「巻き尾」もしくは「差し尾」が望ましいとされています。巻き尾は背中でくるりと巻いた尾、差し尾はぐっと伸びた尾をさします。柴犬は巻き尾が多く見られます。

イラストで見る柴犬の尾の種類

大きく分けて巻き尾と差し尾の2種類。尾の形状によってさらに細かく8種類に分類される。

巻き尾(標準)

自然な形で最も理想的な巻き方。力強い印象の尾。よく動くため表現力も豊かである。

巻き尾(二重)


巻き方が強すぎて渦巻き状になっているので動きや表現力にやや難がある。

巻き尾(太鼓尾)


腰の真上で強く巻き込んだ太鼓のような尾。二重のものと同じく表現力にやや難がある。

茶筅尾


極端に短い尾。後ろ足のかかとまでの長さがない。現在ではほとんど見られない形状。

半差し尾


差し尾と巻き尾の中間で、「叩き尾」とも呼ばれる。巻き尾の一種といわれることもある。

並差し尾


力強く前方に向かって差している尾。差し尾 の中で最も多く見られる代表的な形状である。

太刀尾


日本刀のように見え、力強さがある尾。勇ましい印象があり、差し尾の中でも好まれる。

薙刀尾


太刀尾がやや後方に傾いて薙刀のようになっている。珍しい形状の希少な尾である。

オスとメスの顔つきの違い

オス

精気にあふれた 強さと品位がある
オスの顔には力があり、その中に品位が必要とされている。前傾した耳や目尻が上がった目がよいとされている理由は、力強さを表現するため。精気にあふれた凛々しい目の奥底には優しい光が宿る。重厚な頭部と太い口吻もオスらしさの現れだ。

メス

優しい雰囲気と芯の強さを表す
メスの顔には品位があり、その中に力が必要とされている。優しくやわらかな印象と芯の強さを両立させることが理想。オスよりやや小振りな頭部と口吻が上品に見せる。曲線と直線のバランスがとれた目つきもメスらしさを表現している。

子犬の1日の過ごし方

子犬のかわいさって、ものすごい破壊力!生活における各シーンでどんな注意が必要かまとめています。

ゴハン

生後2ヶ月頃は1日に3~5回に分ける
生後6~7週で離乳が始まり、一般的に家庭に迎えられるのは生後2ヶ月過ぎから。
この頃は1日に3~5回に分けて、少量ずつ与える。ゴハンを食べない時間が長いと低血糖を起こしやすくなるので注意しよう。

トイレ

起きた直後、食後、遊んだ後がトイレタイム
ゴハンの回数が多いのと同様、月齢が小さければ排泄も頻繁に行う。起きた直後、食後、体を動かした後や遊んでいる最中に排泄をすることが多いもの。トイレトレーニングも兼ね、排泄物での健康状態も観察しながら排泄物を片付けよう。

睡眠

子犬の睡眠はとても大切なので起こさないで
生後2ヶ月頃はかわいくてつい起こしてかまいたくなるかもしれませんが、寝ている時には起こさず、そっとしておくことが大切。また遊びながら寝てしまうこともあるので、そんな時はハウスに戻してあげよう。

遊び

眠りから覚めたら遊びの時間
子犬が眠りから覚めて、活発に動いている時は、オモチャなどで一緒に遊んであげよう。また、子犬にとっては部屋の中を歩き回るのも好奇心の満たされる遊びのひとつ。危険な物を取り除いた状態で探索させてあげて。

紹介した内容はこちらの本で読めます!

はじめての柴犬の暮らし方
Shi-Ba編集部・編
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※Shi-Ba vol.126「#お役立ちシーバ 出張版」より抜粋

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