愛犬の噛みたい欲求を解消!嚙むオモチャで上手に遊ぶには?

 
噛むことの意識を「オモチャ」に向けて、噛みたい欲求を上手に解消したり、やる気スイッチを押してあげよう!
 

 

噛みオモチャで上手に遊ぶ!

遊ぶ前に

くわえてから放す練習を
オモチャをくわえたら放さない、となると犬優位の遊び方になってしまう。他のオモチャや好きなオヤツを使って、取り替える練習をしておこう。

家具を片付けて部屋を整える
遊ぶ前には、大きな家具などをどけて広い空間を作ろう。人と犬両方の思わぬ怪我を防ぐとともに、ダイナミックな遊びを楽しむことができる。

 
嚙みたい犬には……
噛んじゃダメ! から
ここで遊ぼう! にする

飼い主にとって「噛んでほしくない」と思うものを噛んでいる時は、犬が暇を持て余している時が多い。

噛み出したら、散歩に連れ出すなどフラストレーションを解消してあげるか、家具などにいたずらされないように「カミカミ遊びができる楽しい場所」を作ってあげるのが一番だ。

1.オモチャをしっかりと見せて、興味をもたせよう。犬は基本的に動くものが好きなので、獲物に見立ててちらつかせたり、転がしたりするのがコツ。

2.興味を持って食いついたら、しばらく遊ばせてあげよう。幸せホルモンであるドーパミンが出て「もっと遊びたい!」とやる気が出てくる。

ポイント!
遊び方が少し複雑で、オヤツが出てくるなどの変化がある知育玩具がおすすめ。飽きずに長い時間遊んでいられる。

3.遊びは短時間で切り上げて、ケージやクレートなど、飼い主が「ここにいてほしい」と思う場所にオモチャを入れて誘導する。

4.楽しい思い出は場所と結びついて記憶されるので、気に行ったオモチャは「いてほしい場所」で与えよう。その場所=噛んで良い場所になっていく。

 
噛むことに無関心な犬には……
カミカミ遊びに
興味を持たせてあげよう

噛むことに関心を持たない犬は、オモチャを使ってどう遊んで良いのかわかっていない場合もある。遊びの幅を広げてあげることは、犬のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を上げることにもつながる。まずは、実演で遊び方を見せてあげるところから始めてみて!

1.その犬が関心を持ちそうなオモチャを選んで、実際にくわえてみるなど、遊び方を実演! 飼い主の行動には興味を持つので、思い切りトライ!

2.犬が興味を示したら、オモチャを大きく動かしたり、速く動かしたりと犬の目線が動くように振ってみよう。

3.犬がくわえたら引っ張りっこをするなど、楽しく遊んであげよう。できたらほめてあげることも忘れずに。楽しい遊びとしてインプットされるはず。

ポイント!
はじめは硬めのオヤツで「噛む」ことに慣らしてからオモチャに挑戦するのもアリ。噛む本能が芽生えてくる場合も。

重要ポイント

一度にたくさんのオモチャを出さない
オモチャが多いと目移りするだけでなく、すぐに飽きてしまう。1つずつ与えて遊ばせよう。

放置せず、飼い主の目の前で遊ばせよう
オモチャを飲み込むなど危険な行為がないか、目の届くところで遊ばせて観察しよう。

オモチャを振り回し始めたら休憩しよう
首を振る「シェイキング」は興奮した時に出る行動。オモチャを取りあげて、一旦落ち着かせよう。

 

犬の本能と日本犬

犬には狩りをしたい、敵から身を守りたい、子孫を残したいなどさまざまな本能が備わっているが、犬が人間と共に暮らしていけるようになったのは、そうした本能を抑制しつつ、人とも上手くコミュニケーションをとれるようになったから。

日本犬は他の犬種と比べても、野生の本能が色濃く残っている犬種だが、しつけなどを通して人間と上手く暮らしていく術を身につけてきているはず。

最近は犬の本能を発現させるためのトレーニングを取り入れる人もいるが、犬によってはこれまでしてきたこととの整合性がつかずに、混乱する恐れもある。

挑戦する場合は自己流ではなく、しっかりとした専門家の元で行った方が良いだろう。

 

まとめ

噛む楽しみを与えつつ、
家庭犬としてのしつけをしっかり行おう

これまで、噛むことのメリットや、噛みたい欲求を満たしてあげる方法などを紹介してきたが、大事なことは、こうした手法を用いながら、家庭犬として良い性質になるように育てていくこと

噛むことのメリットがあるからと言って、いつでも自由に噛ませておくのはデメリットも伴う。

きちんと抑制するべき場面を教えてあげたり、人への噛みつきがあるようなら、それが不安から来るものなのか、欲求から来ているのかなど理由を分析した上で、そういった行動が出ない環境づくりをしてあげる必要がある。

特に子犬の場合、噛んで興奮し出すと、抑えが効かなくなるという特徴がある。オモチャを守る行動が出たり、攻撃的になるようなら、他のオモチャやオヤツを与えて一旦オモチャを下げるなど、感情のコントロールができるように誘導する必要があるだろう。

反対に「噛まない」という犬がいたとしても、無理に噛ませる必要はない。

やわらかい布オモチャのタグ部分だけが好きで、舐めたりガジガジ噛むという犬もいる。これは早期に離乳したため、お乳を飲む疑似体験を楽しんでいるという説がある。その犬にとっては、これも気持ちよく過ごす手段なのだろう。

なんとも奥が深い「噛む」行動。愛犬の個性に合わせて選択肢を増やしたり、遊びを見守りつつ、噛むことと上手に付き合う方法を互いに探っていきたいものだ。
 
悪いことばかりでもない犬たちの噛む行動。愛犬に合う噛みオモチャの選び方
【遊び相手別・年齢別による工夫】日本犬にとって意義ある遊び方をしよう!

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Shi‐Ba vol.108『実は悪いことばかりでもない犬たちの行動 正しい噛むライフしてますか?』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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