パワフルなコーギーは、散歩で体力や興奮を上手に発散させることが大切だ。そして、飼い主とコミュニケーションを図り、周囲に愛される犬に育てることも! コーギーが喜ぶ20の散歩術を紹介しよう。
基本編
すぐ始められる基本編の散歩術は7つ。コーギーが喜ぶことを飼い主のコントロール下でやらせてあげよう。
好きなこととはいえ、拾い食いや引っ張りをやらせたくはない。周囲の人や犬に跳びついたりするのも避けたいもの。犬の安全を守り、周囲に配慮しよう。
また、散歩や遊びなど、楽しいことを始める時に先読みさせないことも大切だ。
犬が落ち着いている時に、散歩や遊びなどの喜ぶことを始めること。決まったタイミングは避けること。
例えば夕方のチャイムが鳴ったら散歩、公園に着いたらオモチャ遊びと決めてしまうと、犬がパターンを覚えて催促するようになる。実はワガママが出やすい犬種なので、まずはしっかり習慣をつけよう。
犬が覚えれば将来的にも楽になる。
1.外の刺激
変化する外の世界に触れて好奇心を満たす
常に変化している外は感覚器が鋭い犬にとって刺激的な世界。大好きなオヤツやオモチャより周囲が気になる犬もいる。犬に任せて散策したり立ち止まったりすれば、好奇心を満たしてあげられる。
2.歩く
歩調を合わせられるのが理想だが多少の引っ張りは許容範囲
前進しているだけでもうれしそうに見えるのがコーギー。周囲に配慮できるなら多少の引っ張りは許容範囲。ツイテの状態でずっと歩かせる必要はないが、歩調を合わせられれば互いの負担が減る。
3.におい嗅ぎ
情報収集を好む犬もいるが拾い食いには要注意
優れた感覚器の嗅覚を使い、さまざまなにおいをキャッチして情報収集するのを好む犬もいる。ただし、体高が低いコーギーは、飼い主が落ちているものに気づいて止める前に口に入れてしまうことが多い。拾い食いには注意しよう。
4.休憩場所
暑い時期は休憩や水分補給をしよう
バテた時に休憩や水分補給ができる場所を見つけておくとよい。特に暑い時期は屋根や木陰のある場所を利用する。人や犬が集まっている場合は周囲への配慮を忘れずに。コーギーは体力の限界まで動き続けるタイプもいるので、飼い主が管理しよう。
5.立ち寄りスポット
過剰に催促せず相手が問題なければOK
お気に入りの公園や店などの場所、オヤツをくれる人のところへ立ち寄るのが好きな犬も。過剰に催促せず、相手が問題なければ楽しみの一つにしてもいいだろう。
6.走る
普段使いのリードでダッシュを楽しもう
コーギーは走るのが大好き。短いリード(長さ120~160cm)を使い、一緒にダッシュして楽しませよう。ロングリードを使いたい場合は応用編を見て練習を。伸縮リードは難易度が高いので控えよう。
7.ドライブ
クレートに入れて安全を確保する
車に乗るだけで大喜びするコーギーもいる。興奮して過剰に吠える場合、まずは、車内で吠えないトレーニングをしよう。ドライブ中は安全のためクレートの中で過ごす習慣をつけたい。
応用編
上で紹介した愛犬のコントロールと先読みさせないことができたら、ルールを教える応用編へステップアップしよう。
最初に練習したいのが『許可制』。犬が喜ぶことの前に、オスワリ→アイコンタクト→ごほうび→アイコンタクト→OK(許可の合図)というルールを作ろう。
例えば散歩に出かける前、におい嗅ぎの前、水分補給の前、他犬とあいさつする前、遊びの前、車に乗る前など。散歩だけでなく日常のさまざまなシーンに取り入れて。
また、練習してロングリードが使えるようになれば、発散させる手段が増える。
犬の動ける範囲が広がるので、飼い主の労力を減らして効率よく運動させることができる。
ルールづくりとロングリードの練習は良いコミュニケーションにもなる。
■最初に覚えること
許可制の教え方
1.最初に犬をオスワリさせてから、ごほうびを持った手を犬の鼻先から自分のあごの下へ移動させてアイコンタクト。
2.手に持ったごほうびの一部を犬に与えてほめる。初期はごほうびを与えるが、犬が許可制を理解したらなくし、ほめたあとに「OK」でよい。
3.ごほうびの一部を与え終わったら、犬とアイコンタクトをしたまま1の状態に戻る。
4.許可の合図を言葉をしぐさで伝える。ことばは「ok」など。しぐさは手を動かしたり足を踏み出したりすると犬に伝わりやすい。
ロングリードの使い方
1.ロングリードは長さ10mくらいがおすすめ。犬がダッシュした時にリードをつかむと手のひらを火傷する危険があるので、必ず軍手を用意する。
2.ロングリードは足もとにたらしておくと転ぶ恐れがあるので、まとめて持った方がよい。まずは持ち手を手首にかける。
3.持ち手がある方の手の親指にリードをかける。両手を伸ばしたくらいの位置を親指にかけることを繰り返して束にまとめる。
4.10mの場合、約5回繰り返すと束ができ、犬の首輪(ハーネス)につける金具までの長さが写真と同じくらい余る。
5.その余った部分を手の甲側からを手のひらへ1周巻きつけ、握って持つ。
6.普段使いの短いリードを付けたまま、ロングリードの金具をつける、装着を確認後、短いリードをはずす。ロングリードが届く圏内に人や犬がいないことを確認したらトレーニングを開始する。
8.引っ張りっこ遊び
トレーニングと全身運動の一石二鳥
飼い主がオモチャを管理できるなら、全身運動ができる引っ張りっこ遊びがおすすめ。投げて追わせることもできる。
9.トレーニング
頭と体をバランスよく使わせよう
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ロングリードを使ってマテやオイデなどのトレーニングに挑戦しよう。短いリードよりも距離が遠くなるので難易度がアップする。
■ロングリードを使ったマテの練習
1.犬にオスワリ、マテをさせる。少しずつリードを伸ばしながらゆっくり後退して離れる。
2.犬が動かずにマテができる距離まで離れたら、ゆっくり戻る。リードは最初のように親指にかけてまとめる。
3.犬の隣に行き、ごほうびを持った手を肩に移動し、アイコンタクト。
4.ごほうびを与えてほめる。犬がマテを覚え、飼い主がロングリートのさばき方に慣れたら、遊びを始めよう。リードの圏内に人や犬がいないことをつねに確認する。
10.運動
追うことが好きならディスクやボールで遊ぶ
犬が好きならディスクやボール投げを利用して運動させてもok。追いかけて持ってくる動作は発散の手段にもなる。引っ張りっこ遊びで使うオモチャを使い、飼い主の手もとでの遊びも取り入れるコミュニケーションにもなる。
11.ドッグラン
貸切にして家族や犬友達と遊ぶ
最近はドッグラン併設の公園が増えている。時には散歩のついでに遊ばせてもいいだろう。他の利用者への配慮も忘れずに。他犬との相性が心配な場合は、家族や親しい犬友達と貸切にして遊んだ方が安心だ。
12.あいさつ
相手が問題なければあいさつや遊びを
散歩中に出会う犬や人に挨拶したがったら、まずは相手に聞いてみよう。近寄ってもよければ、許可制の手順を踏むこと。犬同士の相性がよければ遊ばせよう。
13.散策
遠足の自由時間のように過ごす
周囲に問題がなければ、ロングリードで行動範囲を広げて散策させよう。体力が衰えた老犬にもおすすめ。犬が急にダッシュしない状況であれば、ロングリードを使う練習にもなる。道路などに飛び出さない、リードが絡まらないように注意。リードの圏内にはつねに気を配る。
子犬編
子犬を迎える予定がある方やすでに迎えている方は、散歩デビューと公園デビューの方法を知っておこう。早めの準備が必要だ。
子犬を迎えたら散歩デビューの前から首輪を付け、抱っこで外出しよう。いろいろな物事に触れる社会化が大切。
飼い主からは『1歳までは良い子だった』という声をよく聞くが、1歳頃までは社会をよくわかっていない赤ちゃんや子供のような時期。だから何かあっても、吠えたり突進したりしなかっただけだ。
でもその経験は蓄積されていくので、大人の段階を上る1歳すぎ頃から問題となって目立つようになるのだろう。
対処を早く始めたほうが解決も早いので、気づいたら専門家に相談しよう。
ここでは散歩と公園デビュー、社会化の注意を紹介しよう。
14.首輪を付ける
デビュー前から慣れる練習をする
子犬を迎えたら早めに首輪を付けておこう。慣れたらリードも付け、室内で引きずらせたまま遊ばせる。散歩デビュー当日にいきなり首輪とリードを付けると、嫌がって噛んだり暴れたりすることもあるので避けること。
15.社会化
怖い体験も飼い主のフォローで撤回できる
散歩デビューの前から社会化はスタートできる。子犬にリードをつけて抱っこして一緒に外出してみよう。ごほうびを持って行き、落ち着いている時に与える。子犬が怖がる物事に遭遇した場合、「怖かったね」と大げさに心配すると、犬がいっそう怖がるようになる。むしろ「楽しかったね」と明るくフォローした方がいい。飼い主の態度も社会化成功の鍵だ。
16.散歩デビュー
見通しがよく人や犬がいないところを狙う
最初は刺激が少なく、見通しが良く開けている広場がベスト。子犬にとって強すぎる刺激(他犬やオートバイなど)を犬より先に見つけられ、遠い段階で回避できる人や犬が少ない10~14時の時間帯がおすすめ。住宅街は見通しが悪く、思いがけない物事に遭遇する可能性があるので、最初は避けた方が無難だ。
17.公園デビュー
散歩の時と同じく人や犬がいない時間帯を
散歩に続いて公園デビューも正しい方法で成功させよう。
1.散歩デビューの時に歩いて慣れたアスファルトに近い感触の場所(コンクリートなど)に下ろす。
2.最初に下ろした場所の近くでオスワリとアイコンタクト。
3.できたらほめて、「OK」の合図で自由にさせる。子犬の時から「許可制」を教えればすぐに覚える。初めての場所では、におい嗅ぎばかりになりがち。時には呼びかけて飼い主の存在を意識させよう。
4.犬が周辺を歩き始めたら飼い主も一緒にプラプラする。引っ張ったら止まる、を繰り返す。
老犬編
コーギーにも高齢化の時代が到来。年を重ねても散歩の楽しみを見つけてあげたい。
体力が落ちたり様子が変わったりしたことに気づいたら、動物病院を受診すること。老化ではなく病気の可能性もあるかもしれない。
問題なければ犬に負担をかけないように、散歩中は数回休憩しよう。コーギーは年をとっても興奮しやすい傾向がある。やる気が先行して、激しい動作で身体を痛めてしまう危険もあるだろう。飼い主が危険を予測してフォローすることも大切。
体調に合わせて上手に発散させることが老犬の散歩術のポイント。
また、頭を使わせる運動を取り入れるといい。身体に負担をかけず心地よく疲れてくれるはずだ。
いつまでも若々しくいてほしいが、老いと付き合うことも大切だ。
18.ピクニック
もし遠出が難しくなっても、近所の公園へピクニックに出かけるだけでも気分転換になる。弁当やレジャーシートを用意して出かけよう。弁当をシートに置く場合、犬がつまみ食いしないように気をつけること。
19.傾斜登り
ゆるやかな坂道や土手を登らせるのも適度に負荷のかかる運動になる。2人がロングリードを使って上と下でオイデをすれば効率がよい。傾斜が急なところは直線ではなくジグザグに登らせるとより身体に優しい。
20.かくれんぼ
1人がごほうびを持って隠れ、犬を呼んだらかくれんぼのスタート。隠れ場所を遠くしたりわかりにくくしたりすると難易度が上がる。短いリードでもできる遊びだ。
ありがち困った解決方法
1.吠える、噛む、引っ張る場合は先に発散を
散歩に出かける前に吠える、ドアから一歩出たらダッシュ、ひたすら引っ張り続けるといった行動は、すべて興奮しすぎていることが原因。この状態でクールダウンさせるよりも、散歩の前に室内、庭、家の前などの滑らない場所である程度発散させた方が落ち着きやすい。引っ張りっこ遊びなどを利用しよう。
2.リードを噛んだら進まないこと
外に出てしばらくはリードを噛む犬もいる。リードを短く持って止まり、進まないのがベストの対処法。少し噛んですぐに落ち着くなら、許容範囲かもしれない。
3.やる気に体力がついていかずバテる
コーギーは食いしん坊が多いせいか、肥満気味の犬もいる。やる気はあるのにすぐにバテるなら、ダイエットをした方がいいかもしれない。病気や関節の問題も考えられるので、念のため動物病院で健康診断も受けること。動きたくても動けないのはストレスになるので対処しよう。
コーギーの散歩 まとめ
コーギーは細かいことを気にしないおおらかなタイプが多いので、楽しく動いたり遊んだりできれば散歩は飽きないはず。
時にはサプライズでイベントもいい。ドッグカフェ、ドッグラン、旅行に行くといった大きな変化がある方が楽しい。
そのためには、周囲への配慮や安全の確保が必要になるのでトレーニングをがんばろう。犬とのコミュニケーションにもなる。
飼い主の工夫や努力でコーギーとの散歩はどんどん楽しくなる。愛犬の好みや年齢に応じて、オリジナルの散歩術を作ってみよう。
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※掲載されている写真はすべてイメージです。
コーギースタイル vol.39『テーマは「発散!」体力と興奮を上手にコントロールしよう コーギーが喜ぶ20の散歩術』より抜粋