日本犬の飼い主は2人以上の家族が多いが、一人暮らしで日本犬を迎えている人も! 今回は1人と1匹のワンonワンな日常を紹介。
犬の世話や暮らしの注意は1人でも変わらない
一人暮らしと日本犬。猟師と猟犬の関係を表す「一銃一狗」のごとく、かっこいいイメージがある。
命あるものを迎える以上慎重に考える必要はあるが、ハードルが高いとは思わないでほしい。犬の散歩や食事などの世話は、1人でも大家族でも変わらない。
責任を持って飼えるなら一人暮らしでも十分可能だ。
日本犬なら番犬や癒し役として良きパートナーになってくれるはず。
1人で犬を飼うためのアイデア
屋根付きサークルにクレートとトイレを
屋根付きの90×60cmのサークルを用意し、成長に合わせて広げる。中は庭付き一戸建てのイメージで、クレートと遊び場とトイレを。トイレトレーはイタズラ防止のメッシュ付き、シートはワイドサイズ(60×45cm)を。生活のルールを犬が覚えるまで、少なくとも1年はサークルを使おう。
かくれんぼで分離不安を防ぐ
1人と1匹の暮らしは犬が飼い主に依存しがち。自立心が強い日本犬でも分離不安の傾向が見られることもある。飼い主の姿が見えなくても不安を感じないようにするため、「かくれんぼ」の練習を。犬にマテをさせてから飼い主が隠れて探させるゲーム。隠れる時間を少しずつ伸ばそう。
環境整備でイタズラをさせない
犬が届く場所にイタズラされたくないものを置かないように環境整備を徹底する。一人暮らしは家族がいる家庭に比べて部屋数が少ない場合が多い。間取りの都合でキッチンやベッドルームをペットゲートなどで区分けするのが難しいことも。さらに目を離す機会が増えるため注意が必要だ。
留守中は電灯をつけてエアコンで温度管理を
留守番の時間が長くなりがちだからこそ、防犯のためにも電灯をつけておくのがおすすめ。人がいるような状態になるので犬の寂しさがやわらぐかも。室内の温度調節も重要だ。特に夏はエアコンが必須。春先でもタイマーを利用して日中につけておくのもあり。犬の年齢や体調に応じて冬も活用しよう。
誰に何をされても動じない犬に育てる
日本犬の長所は飼い主に一途なところだが、他人を寄せ付けないという短所にもなりうる。出張や入院の時、他人に世話を頼めるよう接触に慣らしておくこと。集合住宅では出口まで抱っこで移動する必要もあるだろう。一発芸のかぶりものもエリザベスカラーの装着の練習になる。
水がこぼれない給水器を用意する
災害や残業、公共交通機関の遅延で帰宅が大幅に遅れた時に備え、水は多めに用意しておく。器は犬がひっくり返したり地震でこぼれたりする心配があるので、サークルなどの柵に設置できる給水器の用意を。ノズル型の給水器は犬に適していないが、飲み方を教え予備として用意するのはOK。
今日は残業になりそう……そんな時は?
1日2回、最低でもそれぞれ30分程度行けるのが望ましいが、行けなかったその分、別の日にカバーしてあげられれば、愛犬との関係性も突然悪くなることはないだろう。
オモチャが好きな犬なら足元が滑らない室内で遊んで、体力発散も◎。
また、ゴハンについては健康な犬であれば少し時間が空いてしまっても、特に問題はない。
ただ「朝、食べなかったから心配」という飼い主さんもいるはず。そんな時はタイマー式の自動給餌機を利用してみるのも手。
ただし、日本犬ははじめてのものに警戒心が強く、使い方がわからなければそこにゴハンがあることにも気づかないので、利用する際は「ここからゴハンが出る」ということを事前に教えてあげよう。
ストレスに強い日本犬を育てよう
一人暮らしは犬の留守番の時間が長くなりがちだが、自立心が強い日本犬は愛玩犬ほど苦痛にはならない場合が多い。その一方で変化にストレスを感じやすい傾向がある。
おそらく1人だと、家族のいる家庭より生活環境が変化する可能性が高い。結婚で住まいや家族構成が変わったり、飼い主の病気や入院で飼えなくなったりするかもしれない。
近年は災害も心配。いざという時に犬の世話を頼める友人や預けられるところを探しておき、犬をその人や場所に慣らしておけばストレスを低減できる。
警戒心が強い日本犬だからこそ、さまざまな体験を通じて許容範囲を広げておくことが重要だ。他人が首輪をつけたり抱っこしたりする練習を積極的に行っておきたい。
必要な準備や世話は家族の人数を問わず共通だが、一人暮らしの方は念入りに計画する必要があるだろう。
例えば物事に慣らすには生後4ヶ月程度までの社会化期が最適だが、仕事をしながらでは大変だと思ったら、子犬の時期だけ実家に戻って家族に協力を得る『里帰り育犬計画』を立てるのも一案。日本犬の飼い主さんの悩みである室内トイレができない問題も、子犬の頃に習慣をつけておけば安心。さらに犬のための時間と資金も大切。
これから日本犬を迎えようと思っている人は、シミュレーションをしておこう。しつけインストラクターに事前に相談するのもおすすめ。
責任感のある飼い主と日本犬なら、一銃一狗のような唯一無二のパートナーになれる。
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Shi‐Ba vol.107『日本犬こそ一人暮らしの最適なパートナー! ワンonワンな暮らし』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。