犬にもポジティブ、ネガティブというように思考パターンに個体差がある。それはどうやって作られるのだろうか?
アナタの犬はポジティブ?ネガティブ?
ポジティブさんの特徴
□普段から笑ったような表情が多い
□散歩中などに飼い主さんをよく見る
□自発的に好ましい行動をとる
□遊ぶことが上手い
□好奇心旺盛で警戒心がない
小さいことは気にしない、おおらかな性格。何か行動を起こすとよいことが起きると思っている活発的な犬。
ネガティブさんの特徴
□見知らぬものを見ると怖がる
□知らない人や犬に攻撃的な性格
□他人からもらったフードを食べない
□自発的な行動をあまりしない
怖がりで消極的な性格。よくびくびくしている。何か行動を起こしても、よいことがないと思っている消極的な犬が多い。ネガティブだとしても心配することはない。犬の思考パターンを利用したしつけ方法で、ポジティブに近づけることができる。
オペラント条件付けで犬をポジティブに!
オペラント条件付けとは「ある行動をした結果、自分にとってよいことが生じると、以後、その行動に対して積極的になる。逆に、よくない行動が生じると、その行動に対して消極的になる現象」のこと。アメとムチのようなものだ。ある条件下で、犬が自発的に行動したことをほめる。
例えば、散歩中に飼い主さんの目を見たらオヤツをあげるなど、よい刺激を与えると、その行動は強化され、次第に繰り返すようになる。
反対に叱るなどの罰を与えると、この行動は弱化され、行わなくなっていく。
以下に、オペラント条件付けの4つのパターンを書き出した。その中の正の強化は繰り返すと、思考パターンを前向きに変えられるのだという。
一般的にシャイと言われる柴犬も、こういった育て方をすると外交的になるという効果もある。よくほめられていると、他者への警戒心を持たなくもなり、ポジティブな思考パターンになってゆくはずだ。
オペラント条件付けのパターン
1.ほめてのばそう正の強化
これは犬がある行動をとった時に、ごほうびを与えることで、その行動の頻度を増加させてゆく方法。例えば、オスワリと号令をかけて、犬が座った状態でオヤツなどのごほうびをあげると、その行動をとることが多くなるのだ。撫でる、オモチャで遊ぶのもごほうび。ほめてのばす方法。
2.罰で教える負の強化
ある行動をすることで、恐怖や苦痛から逃れられるということを犬に理解させる方法。オスワリをかけて犬が座らなかった時に、リードを上に引っ張り、座ったら引っ張りを緩める。首の苦痛を座ることで回避できると教える。嫌なこと避けさせることで、好ましい行動を教える方法。
3.正の罰あるいは正の弱化
犬が望ましくない行動をした時、嫌な刺激を与えることでその行動を減少させる方法。例えば、来客に犬が飛びついた時、犬が嫌がる音を鳴らし、飛びついたらこの音が鳴ると覚えさせる。他にも、問題行動を起こしたら水を霧吹きで顔に吹きかけたり、犬にとって嫌なことを起こす。
4.負の罰、あるいは負の弱化
望ましくない行動をした時にはごほうびがもらえないことを犬に教えて、その行動を減少させる。来客に愛犬が飛びつこうとした時に、ごほうびを与えずに無視することで、飛びつく行動を減らす。あるいは、要求吠えをしても無視し続ける。しかし、根負けして相手にすると悪化することも。
思考パターンの作られ方
年齢や時期によっても犬の思考パターンは若干の変化を見せる。人間の思考が年齢によって変わってゆくのと同じ。
生後4ヶ月くらいまでは何にでも好奇心旺盛。いわゆる社会化期である。この時期に、楽しみながら様々なことを経験した犬は、ポジティブで好奇心旺盛な犬になるケースが多い。5ヶ月から警戒心が強くなる。
6~8ヶ月ごろになると性格が一変し、反抗期を迎え問題行動が多くなってしまう場合もある。それまでよく叱られていたり抑圧されて育つと、この時期の問題行動が酷くなる。
そして、2~3歳ごろから、好奇心が弱まり始め、落ち着き始める。これは人間で言うと30歳くらい。我々人間も、30歳にもなると行動が落ち着き始める。それと同じだ。
また、性格を作る大きな要素として、遺伝子があげられる。生まれつき好奇心旺盛で明るい犬、怖がりだったり警戒心が強い犬がいる。脳で分泌されることで興奮したりやる気が出てくるドーパミン、安定させるセロトニンなどの分泌は、思考パターンに大きく影響する。これらが分泌しやすい個体かどうかは、遺伝子が強く関係しているのだ。
でも、それらは、育て方で大きく変わる。「氏より育ち」ということわざが人間社会にもあるが、犬も同じだ。遺伝子は思考パターンの範囲を決めるものと考えよう。
例えば、生まれつき怖がりな犬の場合でも、環境や経験によって、ポジティブな性格に近づけることはできる。
先天的にポジティブな犬は、より簡単にさらにポジティブになる。だから、飼い主さんは愛犬の思考パターンを「生まれつき」という言葉で片付けてはならない。
社会化期にいろいろな経験をさせているか、普段から飼い主さんが愛犬と過ごす時間を十分にとっているか、その時に嫌がることをしていないか? そういった積み重ねが、思考パターンを作るのだ。
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