犬びより

柴犬は緑内障になりやすい? 日本犬の“奥目”に合った正しいケアを考える!

2019/05/02

日本犬のチェームポイントのひとつである。つぶらな眼は、ちょっぴり奥まった構造であるがゆえに眼科の先生泣かせである。困ったことに緑内障になりやすい傾向にあるとか。いつでもよく見えるよう、キラキラと輝かせてあげられるよう、緑内障をはじめとする病気の知識や日頃のケアについて、知っておこう。
 

 

奥目のメリットとデメリット

ご存知の通り、日本犬の眼は顔に埋め込まれたような奥目。

この独特な眼は、パグやチワワなどの眼の出っ張った犬とくらべて角膜に傷はつきにくいものの、緑内障になりやすい傾向にある

その他、日本犬がかかりやすい病気はさまざまあるが、どれも日頃からきちんとケアをし、病気になっても早朝に発見すれば、大事に至らずに済むことがわかっている。

大切なのは正常な眼の状態を把握しておき、異常が見られたらすぐに動物病院で検査をしてもらうこと

眼の異常は「たかが充血」「たかが目やに」と軽視されがちだが、重病がひそんでいることもある。

また、ケアや点眼、病院での検査をしやすくするために、できれば子犬のうちから顔や眼の周辺を触られることに慣らしておきたい。

日常のケアとチェックの積み重ねが犬の眼の健康を守る頃につながる。

 

愛犬のこんな症状に注意

1.まぶしがるように眼を細めている

2.白目部分が充血し、赤くなって見える

3.黒目部分が白く濁っている

4.異常な目やにが出ている

1は角膜に傷がついていることが多い。

2は結膜炎、もしくはその影にアレルギーがひそんでいる。

3は白内障の可能性大。

4は、緑色の目やにの場合は細菌感染の疑いが。また、異常なねばりのある目やにの場合は、マイボーム腺(涙の油分をつくる腺)の炎症が起きているかも。大量に乾いた目やにが出るときはドライアイの危険性がある。

いずれの場合も症状がみたれたらすぐに獣医師に診断をあおぐこと。

病気の発見が遅れると治療が困難になったり、深刻な症状になってしまうこともある。

 

緑内障

緑内障になると、充血眼の痛み、頭痛、食欲減退、元気減退など進行段階によってさまざまな症状がみられ、重症になると失明にまで至ってしまうことがある。

緑内障は眼圧が上がって発症する。

日本犬の中には眼房水の通り道である隅角が狭い犬が多く報告されていて、つまりがちなので、眼圧が比較的上がりやすく、緑内障になる確率が他犬種と比べて高い。

初期症状として目立つのは充血なので、眼が赤いな、と感じたら様子を見ようとせずに、すぐに動物病院で眼圧を計ってもらおう。

充血しているだけの段階であれば、点眼薬や内服薬で眼圧の上昇を遅らせ、失明を防ぐことも可能になる。

進行してしまうと外科手術をしても、効果が期待できないこともあるので、早期発見につとめることが大切だ。

 

白内障

白内障は、水晶体が濁る病気

水晶体が白濁する、視覚障害のため、ものにぶつかりやすくなったり、ものを眼で追わなくなる、などの症状があり、進行するとブドウ膜炎を併発する場合もある。

先天性のものと後天性のものとがあり、さらに、後天性はおもに加齢による眼の老化で起こる老齢性と、遺伝的要因などで起こる若年性のものとに分かれる。

進行するにつれ、初発白内障、未熟白内障、成熟白内障と段階を踏む。

初期段階であれば、点眼薬で進行を遅らせるという治療方法もある。

進行して失明してしまうと、手術で症状を改善するしかない。

 

ドライアイや角膜腫瘍

角膜に傷がつくと、涙が出る、眼をかく、まぶしがる、などの症状がみられるようになる。

角膜の傷に炎症が起き、角膜腫瘍になる。

角膜腫瘍になると、涙が出る、まぶしがる、まぶたがけいれんするなどの症状がみられる。

犬に眼をかかせないように、エリザベスカラーをしつつ、初期の段階なら点眼薬で治療することも可能だ。

進行してしまったら、治療中コンタクトレンズを装着して治療していく方法もある。

 

日常のケア・チェック方法

1.まずはタッチでリラックス
いきなり眼の周りにふれたりすると、犬の恐怖心をあおってしまうこともある。まずは犬がリラックスできるように体をマッサージしてあげよう。犬が楽しい気分になれるよう、やさしく声をかけたり、好きなオヤツをあげてもよい。

 
2.蒸しタオルで顔全体を拭く
蒸しタオルを用意し、体をやさしく拭いてあげよう。最初は眼をピンポイントに狙うのではなく、顔を気持ちよくマッサージするような感覚で。ついでに口の周りや耳の汚れを拭いてあげてもいいだろう。

 
3.眼の周りをていねいにふく
犬がリラックスしてきたら、眼の周りを拭いてあげよう。目やにがついていたらきちんととること。ためてしまうと、眼には衛生的に良くない。また、とる前に目やにの色や量、質感もチェックしておこう。

 
4.ついでに眼のチェックもしておこう
蒸しタオルでのケアが終わったら、ついでに眼のチェックもしよう。とくに充血の症状が見えやすい眼球の上部の結膜の部分は、軽くまぶたを引き上げて念入りに見ておきたい。

 
※やってはいけないコト
眼のケアや健康チェックでは、いきなり顔の前から近寄って眼の周りを触るのはタブー。眼の周りはただでさえ敏感な部分ということに加えて、犬は真正面や上から向かってこられることに恐怖心や警戒心をいだきやすいからだ。

 

点眼薬の差しかた

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いきなり前から点眼薬を差すと、犬の恐怖心や警戒心をあおる。また、防腐剤入りの点眼薬を開封後1ヶ月以上経ってから使ったり、人間のあまりの目薬をむやみに差すのは危険。また、複数の目薬を連続で差すと混ざったりあふれるおそれがあるので5分以上あけて。

 

慣れない犬の場合、点眼薬は、犬の顔を固定して後ろから差してあげるのが正解。これなら点眼薬が近づいてくるのがダイレクトに犬の視界に入らないので、恐怖心をいだかせにくい。マズルコントロールができなければ、オヤツやオモチャで前方に気をひいてもよい。

 
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春から夏にかけての注意点

春から夏への季節の変わり目は、気候の変化によって生い茂る草木も変わるため、これまではとくに眼のトラブルがみられなくても、植物に対するアレルギーが急に出てくる犬もいる。

眼にあらわれるアレルギー症状は、充血やかゆみ、異常な目やになど、犬によってさまざまだ。

ひどいようなら、動物病院で症状にあった治療をしてもらうとよい。

また、夏休みの時期に多いのが、旅行先などいつもと違う環境でハプニングを起こし、目に傷をつけてしまうケースだ。

例えば土を掘って眼にほこりが入ったり、海辺で砂が入ったりして、異物感がうっとうしくてこすってしまったり、知らない犬とけんかして、傷をつくってしまう危険性は、普段の生活よりもぐっと高くなる。

こうした危険のないように遊ばせるのが眼のためにベターなのは間違いないが、100%危険を回避するのはなかなかむずかしい。

いずれにせよ異常がみられたら、様子をみようとせずに、すぐに動物病院で診てもらうようにしよう。

先にもふれたとおり、眼の症状はほうっておくと深刻な状況になってしまいやすいからだ。

またとくに異常がなくても、散歩やレジャーの後はできれば水をひたした脱脂綿をしぼって眼を洗浄したり、人工涙液などを差してケアをしてあげ、常に眼の清潔を保ってあげると安心だ。

 

日頃から眼の周りを触っておこう

日本犬の眼球は他犬種とくらべて奥まった位置にあり、また正確的にあちこちを触られることが苦手な犬が多いため、眼のケアや健康チェクはしにくいといえる。

なるべくなら子犬の頃から顔周辺、目の周りなどを触られることに慣らしてあげておくと良いだろう。

そうしておくことで、自宅のケアはもちろん、動物病院での各種治療、眼検査や点眼などもしやすくなる。

眼の様子はできるだけ毎日観察して、正常な状態を知っておくことが大切だ。

それを把握したうえで、いつもと違った様子がみられたらすぐに動物病院で診てもらおう。

 
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Shi‐Ba vol.17『柴犬は緑内障になりやすい犬種? 日本犬の“奥目”に合った正しいケアを考える!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。
 

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