しないに限るけど、もしものために知っておこう!犬が喧嘩する理由、止め方

柴犬が喧嘩っぱやいと言われているそうだが、何も好き好んで喧嘩を追及しているわけじゃない。彼らには彼らの事情がある。喧嘩の理由、喧嘩の止め方などを知っておこう。
 

 

犬はなぜ喧嘩するのか

犬が喧嘩をする理由

性別で喧嘩の多い組み合わせを統計的に考えれば、未去勢のオス犬同士、以下、去勢済みのオス、不妊前のメス、不妊済みのメスの順だが、個体差などにより全部に当てはまるとは言い切れない。では実際、どういうタイプなのだろうか?

散歩で出会う犬にすぐ喧嘩を売ってしまう犬には、臆病で怖がり、そして、社会性に欠けているというのが原因である。子犬のときにきちんと犬社会のルールを学んでいなければ、他の犬と出会ったときにどうすればいいか分からない、そのため、緊張や不安から相手を威嚇してしまうのである。

また、出会った片方の犬が社会性を持っていたとしても、もう一方の犬がいかにも緊張した態度であれば警戒するのは当然のこと。そこで吠えたり、威嚇することから喧嘩は始まってしまう。さらに犬の喧嘩には飼い主が影響すると言うことも忘れてはいけない。向こうから来た犬に「うちの犬は吠えるんじゃないか」と緊張すれば、飼い主の不安が愛犬にも伝わってしまい、より愛犬の緊張が伝わってしまうのだ。

無用な喧嘩を避けるために、飼い主は愛犬の性質をよく理解しておきたいものである。

 

日本犬が喧嘩を売られやすい理由

日本犬が喧嘩を売られやすい理由

【姿勢のよさが誤解される】
柴犬を散歩させていると、他の犬からよく吠えられることがある。それは柴犬の容姿が影響している。怖がりの犬が柴犬の姿を見かけると、喧嘩を売っているぞと誤解して先制攻撃を受けるのだ。姿勢の良さが誤解を招くとはなんとも複雑。

【耳】
ピンと立った三角形の耳はたれ耳の犬種に比べて、喧嘩を売っているものだと誤解を受けやすい。

【尾】
本来の巻き尾なのに、遠くから見れば威嚇で尾を立てているように勘違いされやすいのである。

【胸】
胸をぐっと張っての直立姿勢というのも威嚇と誤解されやすい。老犬は姿勢が丸くなっているので襲われないのだ。

 

喧嘩学1.柴犬が喧嘩する理由

犬が喧嘩する理由

・仲良しなはずが、ある時喧嘩
何かの取り合いなど必ずきっかけがあるはず。どんなにお互いの犬が仲良く見えても、遊びがエスカレートして喧嘩になることは起こりうる。公園なら木の枝の取り合いなど、必ずきっかけがある。

 
・ご飯にまつわる喧嘩
食べ物に対し執着する価値が同じ犬同士だと喧嘩になりやすい。同居犬の場合、充分に食事を与えていればあまり食事の取り合いで喧嘩になるということはない。ただし、食欲旺盛な犬が他の犬の食事を欲しがれば、自分のものを取られまいとして喧嘩になる。おやつに対して執着する価値が同じ犬同士も取り合いで喧嘩になることも…。

 
・遊びがいつのまにか喧嘩
はしゃぎすぎてしつこいと片方がたしなめることも。成犬と子犬の組み合わせが多く見られるパターン。はしゃぎすぎてしつこい子犬をいい加減にしろよ!と年上犬がたしなめる。落ち着きなさいよ、というカーミングシグナルを相手に送っているのに、気づいてもらえないと、攻撃されるのではないかと、先制攻撃を仕掛ける場合もある。

 
・多頭飼いでの喧嘩
飼い主の行動が喧嘩になることが多い。同じ犬で飼われている場合、犬の中には群れ意識があるので、ランクがきちんと決まっているときには飼い主がそれを乱してはいけない。多頭飼いでの喧嘩には飼い主を巡っての争いが多い。自分の行動が犬たちを争わせているのではないか、よく考えておきたいものである。

 
・すれ違い際にいきなり喧嘩
恐怖心や社会性の不足飼い主の態度にも影響する。散歩の際に向こうから来た犬に喧嘩を売ってしまうのは、恐怖心や社会性の不足からくることが多い。また、自分の犬が吠えてしまうのではないかという飼い主の不安や緊張が伝わって、より愛犬の緊張を助長してしまうことも。飼い主の態度次第で防げる場合が多いのだ。

 
・挨拶しようとしたら喧嘩
自分の犬や相手の状態によって喧嘩になることも。未去勢のオス同士の犬の場合だと、犬は最初から喧嘩を売ろうと思っていることも。また、相手が柔軟な対応をしてくれたら自分も恐くなかったのにと、恐怖のあまり攻撃的な行動に出てしまうことも。すれ違いの喧嘩と同じく、飼い主から影響というものも原因として考えられる。

 

喧嘩学2.決着がつく瞬間

犬の喧嘩の決着

犬同士の喧嘩は負けを認めたら目をそらす。喧嘩の瞬間というのは、お互いが正面を向き合っての真剣勝負だ。犬の喧嘩の勝ち負けは先に目をそらしたほうが負け。目をそらすというのは戦意喪失を意味している。こいつには勝てないと思った時にボディ・ランゲージで負けを認めたことを示す。優位だから上に行くのではなく弱いものが下に行くことで順列ができていると考えられている。また、同居犬同士でしっかりした群れができていれば、お互いを傷つけあうまで決着をつける喧嘩は起こりにくい。

 

喧嘩学3.じゃれと喧嘩の見分け方

■犬の表情と体の動きに注目

じゃれと喧嘩の見分け方

本気の喧嘩の場合、果たして犬はどこを攻撃することが多いのだろうか。攻撃場所は犬によって違うが、耳、鼻、アキレス腱。睾丸、首など。

そして、仲良くじゃれあって遊んでいたのに急に犬の動きが止まった、振っていた尾が止まった、など体に硬直が起こるのが喧嘩への主なターニングポイントだ。これらの硬直は一瞬のことであれば、長い場合もある。

また、体と同様、じゃれあっていたときには口をあけていたのに、口が閉じる、白目をむいてしまうなどパニックに近い表情へ変化が起こる。遊んでいるときの声はウーッ、ウーッと比較的短い声であるが、もうこれ以上限界と言うときにはウーッが長くなる。そんな威圧的な声を発しているときには長い硬直も起こりやすい。

だが、うなり声を出さずに突然喧嘩へ発展することもあるので、犬の表情と体の動きを良く見ておくことが、じゃれから喧嘩の見極めに役立つのだ。自分の犬のことだけ見ていても、相手の犬が飛び掛ってくることもある。必ず自分の犬だけではなく、相手の犬の様子も見ておくことが重要。

 

喧嘩学4.喧嘩の止め方

○水をぶっかける
噛み付いてはなれないときに一気に水をかけるのは有効。だが、いつもそばに水があるとは限らない。

 
×棒を振り回す
棒を振り回して犬を追い払おうとすれば、人間が襲われる危険が。夢中で喧嘩している犬には棒が危ないと気づく余裕はないはず。

 
×首輪をつかんで引き離す
がうがうと噛み合っている犬の首輪は触らないこと。首元に来た人間の手を「何だ!と」振り返り様に犬が噛み付くことがある。

 
×2匹の間に人間が張る
これは一番危険なこと。間に入った人間が大怪我をする可能性がある。

 
△リードを引く
ただし、鼻の先端での喧嘩にはこの方法は有効。かみ合っているときはリードを離して止めるべき。

 
×どちらかを抱き上げる
人間が2人いて、片方が抱き上げて、もう片方が別の犬を押さえられればいいが、1人だけの場合は抱き上げる際にかまれることがある。喧嘩で興奮しているときに無理矢理引き離そうと、下手に手を出すと人間が噛まれることがあるので用心することが必要だ。

 
 

犬の本能を理解し正しい認識を持つこと

犬の本能を理解せず、ノーリードで飼ったり、きちんと再訓練しないと飼い主の犬が繰り返すことがある。愛犬や自分が大怪我をしないためには犬同士の喧嘩を未然に防ぐことが大切。

いつ、どこで、他の犬と喧嘩に発展する可能性があるかもしれないということを、飼い主はきちんと認識しておきたいものだ。

 
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Shi-Ba vol.13 『しないに限りますが、いざって時のためにも、知っておきましょ、喧嘩学 柴犬喧嘩道』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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