愛犬を抱っこしようとした時、逃げられた経験はないだろうか。触れることはおろか、腕からすり抜けてしまった人も少なくない。日本犬がツレナイ性格からなのか、飼い主の愛が届いてないのか、どちらに理由があるかわからないが、確かに抱っこに苦心している人は多い。抱っこできれば、ケガや病気をして歩けない時や、危険な場所からの避難も楽チン&簡単。愛する犬を守りたいからこそ、今回は抱っこについて学ぼう。
犬への抱っこが必要なのはこんな時
■家で抱っこ
・老犬になった時の階段の上り下りの時
・爪切りや歯磨きなどのお手入れの時
・怪我をしている時
■外で抱っこ
・動物病院の診察台に乗せる時
・車に乗せる時
・散歩の後、脚を拭きたい時
犬の抱っこを知る
Q.抱っこってする必要があるの?
A.介護などあらゆるシーンで抱っこは必要
犬は12~13歳になると、階段を上れなくなる子も増えてきている。例えば2階で寝ていた子が階段を上がれなくなると、生活そのものを変えなくてはならない。介護ケアも抱っこできるとスムーズ。
診察台や車に乗せる時、脚を拭きたい時、ケガをしている時など、さまざまなシーンで抱っこは必要だ。
Q.日本犬は抱っこが嫌いってホント?
A.触られるのも拘束も苦手
そもそも日本犬は触られるのも、拘束も嫌いな傾向がある。つまり抱っこは苦手。もちろん個体差もあるが、ラブラドールなどの友好的な犬と違い、日本犬は日本人に似て、怖がりだったり、繊細だったりする。
一歩置いて人と付き合う、ひとことでいうとシャイな性格。飼い主のことが好きでも内に秘めている。
Q.抱っこ好きはメスに多い?
A.好きというより諦めているのかも
オスの方がやんちゃで、抱っこの時暴れる。その時飼い主が手を離してしまうケースが多いもの。するとオスは「抱っこした時、暴れると離してもらえる」という学習をする。
逆にメスは抵抗が少なく、相手の反応を見て自分の行動を決める。抱っこしても暴れないのは、「抱っこしても離してもらえないんでしょ?」と学習していることが大きい。
Q.お友達(犬)の前で抱っこは恥ずかしい?
A.行動心理学的にはあまり関係ない
犬のプライドが傷つく、恥ずかしい……というのは、動物の行動心理学的にいえばありえない。
ただ飼い主が「抱っこ見られて恥ずかしいね」と思っていたら、その気持ちが犬に伝播している、ということは考えられる。もし不機嫌なように見えるのなら、それは飼い主の気持ちの表れかも。
Q.抱っこ嫌いは子犬の頃から決まっている?
A.個体差は大きいがブリーダーの影響も
ブリーダーさんの育て方も影響する。もともと洋犬に比べ抱っこが嫌いな犬のため、ブリーダーさんが小さい頃から意識して触り、手に慣れさせる育て方をしていれば、抱っこに抵抗がない子になる。
スッと抱っこをした時に、おとなしくしていたら触られ慣れている証拠。
Q.抱っこをしてはいけないときはある?
A.興奮時、パニック時は禁止!
興奮している時、パニック、ひどい恐怖を感じている時の拘束は嫌がるので抱っこをしないこと。必ず落ち着いているのを確認してから、抱っこを。興奮時はかまれる危険性もある。
またせがまれた時、すぐ抱っこするのも違う意味でNG。「せがめばすぐ抱っこしてもらえるんだ」と犬が学習してしまい、飼い主の都合で抱っこできなくなる。
Q.抱っこ嫌いを好きに変えられる?
A.抱っこできるくらいには変われる
学習次第で抱っこ好きにも嫌いにもできる。ただ抱っこ好きな子をより好きにすることは可能だが、抱っこが嫌いな子を、抱っこ好きにするのは難しい。
抱っこは「オイデ」くらいに難しい行為。しかも抱っこの時、飼い主は犬と体を密着させるので、下手をするとかまれることもある。
犬を抱っこ好きに変えるのも、飼い主さんのやり方と根気次第。
抱っこができるようになるには?
第1ステップは「触る」。手をのばして逃げるなら、不信感を取り払うところからスタート。
第2ステップは「撫でる」を目標に。
第3ステップは飼い主は犬の横で立ち膝をし、犬の下から手を入れて「おなかを撫でる」。脚は床についた状態でOK。
第4ステップは小脇で犬の体を固定し、「一気に持ち上げ、オヤツをあげ、すぐ下ろす」を繰り返す。この時両前脚の間に人差し指を入れ、脚を固定する。
これを繰り返すことで抱っこを学習する。
抱っこ好きにするには日頃の努力が必要
抱っこ嫌いの原因は、もともとの犬の性格もあるが、飼い主の学習によるところが大きい。
子犬の時かわいさのあまり抱っこをし過ぎた、酔っぱらったお父さんに抱っこを強要されたなど、犬の気持ちを省みずに行った行動が、抱っこ嫌いにさせてしまう。考えて接していれば嫌いにならずに済んだはず。
そもそも抱っこは「双方の同意」があって成り立つ行為。一方的に抱っこされたら、嫌いになるのも当然のこと。
また抱き方や下ろし方も好き嫌いを分けるポイントに。不安定な持ち方をしたら、抱っこ嫌いになる可能性がある。前脚、お尻、体をしっかり安定させて抱っこしよう。下ろす時も飼い主が姿勢を低くし、犬の後ろ脚、前脚が床にきちんとついたのを確認してから手を離すようにする。
抱っこが大丈夫な柴犬は抱っこをマメにすることで、恐怖心を払っている。だから多少不安定な姿勢の抱っこでも暴れることがないのだ。
こんなふうに日頃からスキンシップを図り、いつでも抱っこできる関係でありたいもの。
毎日のケアはもちろん、これから迎えるであろう介護生活のためにも。愛犬を気軽に抱っこできるようになるには根気が勝負だ。健闘を祈る!
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Shi‐Ba vol.48 『正しい抱っこ法、抱っこにまつわる噂、最新のカワイイ抱き方、全部まるわかり!日本犬の抱っこの常識&非常識』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。