ストレスは良い刺激として与えれば充実した時間を過ごせるようになる。今回は年齢別に成犬と老犬への良いストレスの与え方を考えていきたい。
1.成犬への良いストレスの与え方
1-1 成人期
1-2 中年期
1-3 ストレスに強く新しいことへの挑戦も!
2.老犬への良いストレスの与え方
2-1 前期高齢期
2-2 後期高齢期
2-3 工夫して自信を維持させよう
成犬への良いストレスの与え方
心身がもっとも充実し、ストレスへの耐性を身につけていたい時期。さまざまなことにチャレンジしてマンネリを防ごう。
2歳前後~5歳頃
成人期
もっとも心身が充実する時期。体力があり疲れても回復が早いので、旅行やスポーツにもチャレンジできる。子犬の頃から培ってきた関係が大きく花開く。
・一発芸を教える
オスワリやマテを教えてトレーニングを終了してはもったいない。良い刺激が少なくなると老後のような生活になってしまう。コミュニケーションツールを増やす意味でも新たな一発芸を教えてみよう。
・旅行へ行く
社会化が適切にできているなら、行動の幅をどんどん広げよう。家族で遠出したり旅行に行ったりしてもよい。キャリーバッグでどこへでも出かけられるチワワのアドバンテージを生かそう!
・運動量の確保
もっとも活発に動く時期なので、室内の遊びだけでは運動量の確保はますます難しくなる。引き続き散歩を習慣にしよう。成犬はイタズラが減る時期だが、もし逆に増えた場合、運動量が足りずストレスを感じて発散している可能性大。
6歳前後~8歳頃
中年期
これまでの刺激や学習からさまざまなことを予測できるようになっているので、悪いストレスが少ない時期。マンネリになりがちなので新たな変化を。
・心身に余裕ができる
物事を『まぁいいか』と受け止める余裕ができ、ストレスの影響が少ない。家族の一員として頼もしい存在になっているかも!
・マンネリ防止
成人期から旅行などの非日常を繰り返し経験していると、環境の変化に強くなる。知育オモチャを取り入れたり散歩コースを変えたりして、マンネリにならないように工夫を。
2歳前後から成犬になる。特に5歳頃までの「成人期」は気力と体力が充実し、飼い主さんとの日常生活がうまく回り始める時期だ。 社会化を継続していれば嫌なストレスを受けても解消できる強さを備えるはず。怖い思いをしても心身に影響が少なく乗り越えられる。もし不安定な様子が見られたら、しつけの教室などに通って苦手なことに少しずつ慣れさせよう。 6歳頃から「中年期」に入り、行動に落ち着きが見られるようになる。 体力や持久力はやや落ちてくるが、飼い主さんとあうんの呼吸ができる時期。成熟期とも言える。 ややマンネリ化することもあるので、いろいろなことにチャレンジを続けて楽しもう。 マンネリを予防して、ストレスを感じる暇がないくらい、楽しく過ごそう! 良好な刺激は心地よい疲労につながり寝ている時間の長い老犬の睡眠の質を高める。刺激から遠ざけずQOLの維持に役立てよう。 9歳前後~12歳頃 緩やかに衰えていく時期なので無理は禁物だが、成犬の頃から楽しんでいることは犬の様子を見ながら続けてOK。適度なストレスは脳トレにも。 ・過保護にしない ・触れ合う ・ノーズワーク(宝探し) ・同居犬と楽しむ ・自主性を大切にする ・洋服を利用する 強いストレスは体調を崩してしまうので、生活環境に注意する。五感を使わせたり屋外へ出たりする良い刺激を取り入れ、QOLの維持につなげよう。 ・正解を積ませる ・安全な生活環境を整える ・不自由さを解消する 衰えが見え始めるのが「老犬」の時期。 とはいえ9歳頃から始まる「前期高齢期」はまだまだ元気。体力は落ちてもできなくなることは少ない。 しかし、飼い主さんは長生きしてほしいと願うあまり、この頃から過保護が加速する傾向が見られる。 無理をさせないことは大切だが、良い刺激を遮断しないように、若い頃から続けている楽しみはやらせてあげよう。 特に社会的な交流は大切なので、友人に遊びに来てもらい、家族以外の人と触れ合うことも良い方法だ。脳トレにもなり、認知症の予防にもつながるだろう。 また、身体や五感が衰えるので、生活環境を整えることも必要。 床で滑ったり段差を踏み外したりした時に、不安を抱えやすくなるかもしれない。成犬なら『おっと、危ない』で軽く済むが、老犬は自分でも衰えを感じているので、不安を抱えると自信をなくしてしまい、ガクンと老けこんでしまうこともある。 早い犬では中年期からその傾向が見られるので、若い頃から安全な環境を作っておくといい。 チワワをはじめ小型犬は長生きなので、「後期高齢期」は13歳以降としている。 年寄りの冷や水にならないように良い刺激を調整しながら、散歩や外出は続けよう。歩くのがつらそうな場合は、支えたりバギーに乗せたりしてもいいだろう。 チワワは多頭飼育をしているご家庭も多いと思うが、若い犬と一緒の行動だと急かすようになってしまうのでは? 自分のペースで刺激を感じられるように、老犬との一対一の時間を作ってあげよう。 その一方、飼い主さんと同居犬が楽しんでいる様子を老犬に見せると、『自分も!』と張り切ってくることもある。 老犬だからと寝かせておくだけでは、質の良い睡眠もとれない。過保護にしすぎないように良い刺激を与えよう。 新しいことを覚えるのは難しくなるが、『この動作をすると良いことがある』と教えておいたことを無理なく続けること。 例えば飼い主さんの顔を見るだけでも十分。犬のやりがいや満足感につながる。 犬のQOLを優先した暮らしを考えたい。
▼ストレスに強く新しいことへの挑戦も!
関連記事:マンネリが愛犬との関係を悪化させてる?柴犬の生活習慣見直し改善策!老犬への良いストレスの与え方
前期高齢期
体調を心配するあまり、外出を控えては逆に退屈で悪いストレスに。良い刺激がなければ疲れることもなく、良質な睡眠をとれない。犬のペースで歩かせよう。
犬は社会的交流が必要な動物。あまり動けなくなったとしても、声をかけたり身体を撫でたりして触れ合いの時間をもとう。五感の衰えにより不安が強まるので、犬の様子に変化があったら適切にフォローしてあげたい。
優れた嗅覚を生かして「ノーズワーク(宝探し)」を楽しもう。タオルの下にオヤツやオモチャを隠せば夢中になって探すはず。夢中になった後は心地よく眠れる。
多頭暮らしが多いチワワならではの刺激が同居犬との関係。同居犬が飼い主さんと遊んだり、トレーニングを楽しむ様子を見て「自分もやりたい!」とがんばる犬も。
犬が自主的にやろうとしたこと(同居犬との遊びや庭へ出ることなど)を止めず、無理のない範囲でやらせてあげよう。自信やQOLの維持につながる。
高齢になると体温調節がしづらくなり、気温の変化が悪いストレスに。エアコンや洋服で調節しよう。若い頃から洋服を着られるように教えておくことも大切だ。
13歳頃~
後期高齢期
2つのオモチャのどちらかにオヤツを隠して正解を当てさせるゲームもおすすめ。難易度を調整して正解できるようにすること。成功体験の積み重ねで犬が自信を維持できるようにしよう。慣れてきたら、オモチャの数を増やそう。
犬が自力でできることは、手伝うよりも安全な環境を整えよう。例えば、つまずかないように段差をカバーする。犬は自分のペースで移動できるので、ケガだけでなく、失敗による自信の喪失も防げる。
不調があった場合、動物病院の診断で症状はわかっても犬の不自由さは行動を観察しなければわからない。例えば少し暗いところで動作が遅くなるなら明るくするなど、犬の様子を見てフォローしよう。
▼工夫して自信を維持させよう
関連記事:年代別でみる!チワワへの良いストレスの与え方~子犬編~
人気のキーワード:
#しつけ #ごはん #シニア犬 #健康管理
#性格 #散歩 #気持ち #病気 #おでかけ
#ケア #子犬 #性別
チワワスタイル vol.27『年代別 良いストレスの与え方』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。