人と犬は視線でコミュニケーションできるんだって! やったあああ……と思ったら、日本犬は人と目が合いにくいというウワサも。日本犬の視線をチラッと探っていこう。
犬がアイコンタクトする相手は人だけ
犬の視線の使い方はとても不思議。犬同士で見つめ合うことは威嚇を意味するため、ほとんど視線を合わせない。動物の目を見るのは、警戒しているため。
しかし、人のことはじっと見つめて、視線でコミュニケーションを図ろうとする。オヤツをねだる、人の指示を待つ、人の意図を読み取りたい。犬は人に対し、友好的な目的でアイコンタクトを使っている。
遺伝と学習によって差は出るが、これは、他の動物には見られない犬だけの特徴。人と犬の特別な絆がうかがえる。
柴犬には人と目が合いやすい顔がある
タヌキ顔の柴犬は人をよく見つめ、キツネ顔の柴犬は見つめない傾向がある。どうして顔立ちで違いが? というと、タヌキ顔とキツネ顔を好む人によって、接し方と生活環境が違うらしい。
かわいく見えるタヌキ顔は、家庭犬として人気のため、犬と密接な関係を持ちたい人と暮らし、するどい印象のキツネ顔は、猟犬のような野性味のある犬を好む人が選ぶだろう。
それぞれを比較すると、一緒に過ごす時間の長さ、アイコンタクトの習慣の有無、散歩の仕方など、いろいろな違いがあるはず。それが見つめ合う回数や時間の違いにつながっている。
また、オオカミに近い血統をもつ犬ほど、人とアイコンタクトをとらない傾向があるようだ。キツネ顔の方がオオカミに近い血統なのか……?
視線実験「振り向き」
オヤツを箱の中に入れて犬の前に置いたら、どうする? 自力で頑張るならオオカミ、視線で助けを求めたら家庭犬タイプ。
1.飼い主は犬の1m後ろへ。保存容器のふたを開けて中にオヤツを入れて犬の1.5m前へ置く。
2.保存容器の中に入れたオヤツを食べさせる。5~10回繰り返してから3へ進む。
3.保存容器の中にオヤツを入れて、犬が自力で開けられる程度に軽くふたを閉める。
4.犬は自力で保存容器のふたを開けるはず。オヤツを食べさせる。6回繰り返してから5へ進む。
5.保存容器の中にオヤツを入れてしっかりふたを閉める。ガムテープやロープで床などに固定。
6.犬を保存容器に向かわせる。自力で開けられない保存容器と格闘する犬を2分間観察する。
7.飼い主を見て「開けて」と訴えたら家庭犬向き。
目が合いにくい犬は性格も関係する?
目と目で通じ合えない犬は、性格も関係しているらしい。自立心が強い日本犬は人を見ない傾向がある。アイコンタクトの練習をしたことがない柴犬は、目が合ったとしても1秒くらいだろう。
愛犬の目を穴があくほど見つめれば、あっという間に関係改善!……というわけにもいかない。愛犬の性格によっては、むしろ悪化するかもしれないからだ。
怖がりで自信がない犬はアイコンタクトが苦手。目を合わせる行為は犬同士なら威嚇。人に対しても緊張を感じる犬もいる。特に至近距離は苦手。どうやら、ガンとばされたと思うらしい。人だっておうおうと歩くパンチパーマに会ったら目を伏せるものだ。
また、日本犬だけではなく日本人も目を合わせることが苦手な傾向がある。文化の違いもあるけれど、アイラビュー、ジュテームと暑苦しい視線を犬とバシバシぶつけ合うより、奥ゆかしい触れ合いの方がお似合い。
そう考えると、日本犬こそが日本人にぴったりの関係を築ける犬種といえそうだ。オオカミに近い野性味を楽しみつつ、家庭犬としての絆も深められるかもしれない。目と目でほどほどに通じ合う仲を目指して、今日も愛犬にチラッと視線を送ってみよう!
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Shi‐Ba vol.62『自分の気持ちを伝え、飼い主の心を読み取る場所、それは……目! もの言う視線』より
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