日本人は、相手の顔色を読んで自分の出方を判断する傾向が強いけど、日本犬はどうなんだろう。赤や青に変化する顔色は、犬にとって行動を進めていいか、止まるべきか判断する信号だったりして……。
人の顔色と犬の行動パターン
【怒】
人間:プヒーッとなんだか蒸気機関車風
主に怒り、コーフンした時。大体この時は、頭にカッカ血が上って、物事を冷静に考えられない。つまり平常心ではない状態。
犬の行動:荒々しくなるか無関係気質に
同調し、怒ってコーフンしがちになり、攻撃的になることもある。人間の怒りを恐れるあまり委縮してしまい、関わりを避けるようになることも……。気持ちをおちつかせよう。
【喜】
人間:普通~嬉しい時の顔色はまずこれ
朗らかに笑っているあったかいイメージ。平常心を保っている時、喜びにあふれている時の顔色。取り立てて問題がなければ、普段はこの状態に近いはず。
犬の行動:笑う姿に犬も安心
人間が笑顔であることは、マイナスな事柄があっても物事を前向きにとらえられている状態。また精神が安定していることの表れでもある。犬の気持ちも安定する傾向にある。
【悲】
人間:テンション低めでノリもイマイチ
憂鬱の表現をブルーというように、悲しみや不安、危険を感じた時、血の気が引いて具合が悪いという時。『怒』と対極で、テンションは低い。
犬の行動:犬の気持ちもしょんぼり
暗い人のそばにいると気分が落ち込んでしまうように、犬もテンションが低くなってしまう傾向が。気持ちも不安定で、心配性の犬になってしまうことも……。前向きに「進め」が願望か。
顔色が犬の気持ちと行動を左右する
機嫌が悪いと声や動作が荒々しくなるように、人間の感情は顔色だけでなく、声のトーンや所作に出るはず。犬は顔色というより、それらの変化を敏感に察知し、状況を判断している。
楽観的な性格のレトリーバーや、パグ、フレンチ・ブルドッグなどの鼻ペチャ犬に対し、周囲の空気を読み、繊細な部分を合わせ持つ日本犬は、飼い主の感情の変化、つまり顔色には敏感な犬種。
さて人間の顔色=感情は、犬にどのような影響を与えるのだろうか。ニコニコしていれば犬も明るくなるが、マイナスの感情は少し問題。常に顔を赤くして怒っている飼い主と一緒なら犬も怒りっぽくなるし、不安や悲観に暮れて顔を青くしていれば、犬もテンションが低くなる。
同調だけではなく、逆もある。怒りや悲しみで顔色が変わる飼い主を恐れるあまり、犬は『飼い主と自分は関係ない』と、必要以上の接触を避け、距離を置いてしまうことがある。それではまるで他人。一緒に暮らす意味がなくなってしまう。
マイナスな感情の過剰な同調か、無関係のような薄っぺらな間柄か。どちらに陥ってもあまりうれしいことではない。これは飼い主との接触時間が長い室内飼いの犬ほど、その傾向が強く出てしまう。
顔色の変化がしつけにも影響する
日常の中で、飼い主が顔色を変えてしまう原因は多々ある。顔を真っ赤にした怒鳴り合いのケンカもそれなりにあるだろう。しかし、親のケンカが子供によくないといわれることと同様に、犬にも悪影響がある。
実際に問題行動のある犬は、家族間のケンカが多いこともよくある。
また、もうひとつ問題なのが、犬のしつけがうまくいかないことを犬のせいにして怒るパターン。顔を真っ赤にして大声で命令をかけては、犬は委縮するばかり。
ニコニコと接し、正しい誘導をすれば、きちんとマスターしてくれるようになる。飼い主側の心の安定があれば、犬のしつけも比較的スムーズにいくはず。
つまり、犬の行動も飼い主次第で良くも悪くもなるのだ。ひょっとしたら、犬にとって特別な存在である飼い主の顔、そして顔色はこちらが思っている以上に見えているのかもしれない。
笑顔いっぱいの家族になろう
人の顔色ばかり見ていちゃダメ。自分は自分、とマイペースに生きていくのがカッコイイ。
でも一緒にいる人が、お天気のように顔色がコロコロ変わる人だと、困ってしまう。その感情の影響を受ける側は、いい気分がしないはずだ。それは犬も同じこと。
感情がコロコロ変わる飼い主の元で育った犬は、性格が不安定な傾向にある。
犬は、飼い主の影響を受けやすいもの。もし犬の気持ちが落ち着かないなら、怒りや悲しみを不用意にぶつけていないか、自身の行為を見直してみよう。
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Shi‐Ba vol.57『怒喜悲、飼い主の顔色信号はお見通し!犬だって空気くらい読めるんです!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。