底抜けに明るいコーギーの笑顔。でもその裏側には慎重さが潜んでいる。物事に対する予測の良し悪しによって思考がポジティブにもネガティブにもなる、コーギーの前向きと後ろ向きを探った。
生まれ持った性質に育て方が影響する
犬の性質は、遺伝、妊娠中の母犬の生活環境、授乳期の環境、その後の生活環境などによってつくられる。
生まれ持った傾向は、生後1ヶ月頃が一番わかりやすい。この傾向は性質の根底に残るが、飼い主さんの育て方である程度変わる。
おおらかな人と慎重な人は、いずれのタイプもバランスよく育てられるように思われる。ただし、おおらかではなく大ざっぱ、慎重ではなく神経質、という自覚がある飼い主さんは気をつけたほうがいいかもしれない。
ほどよく育てる注意については、それぞれの傾向の後述で紹介しよう。
ここまで読んで『愛犬の傾向を知りたい!』と思った方も多いのでは? 下にある程度診断できるチェックリストを作成した。
物事に対して犬がどのような予測をし、どのような反応をしたか。これによって診断できる。ただし、どんな物事に対しても100%のポジティブ思考、あるいはネガティブ思考の犬はいない。愛犬の反応が気になる物事があれば、対処してあげよう。
思考チェックリスト
次の14項目に遭遇した時の愛犬の気持ちや様子に近い答えを(A)(B)から選んでみよう。
1.散歩に出かけた時
(A)ルンルン♪
(B)しぶしぶ……
2.愛犬が好きだと思う格言は?
(A)笑う角には福来る
(B)君子危うきに近寄らず
3.リードを持った時
(A)お出かけだ~
(B)ぎゃ~連れて行かれる~
4.旅行の支度を始めた時
(A)よし、イベントだな♪
(B)変なことが起きそう
5.愛犬を天気に例えると?
(A)晴れ
(B)雨
6.知らない道を通るとき
(A)ワクワク♪
(B)ドキドキ……
7.大きいビニール袋を見たとき
(A)いいもの入ってる?
(B)得体の知らないものだ
8.聞き取れない音を聞いたときの気持ち
(A)新しいBGMだね
(B)何か起こりそうで不安
9.愛犬の性格は石橋を……?
(A)叩いて渡る
(B)避ける(近寄らない)
10.家族が夕方に「さて」と立つ
(A)散歩♪散歩♪散歩♪
(B)大変、隠れなきゃ!
11.愛犬を車に乗せるとき
(A)やったぁ♪
(B)助けてぇぇぇ
12.引き出しを開けた時
(A)何が出るかな?
(B)落っこちてきそう
13.前方から見知らぬ人が来る時
(A)かまってくれるかな?
(B)事案が発生しそう
14.段ボールを見た時
(A)オヤツの宅配だ~♪
(B)不審物だ!通報だ!
■診断結果
思考チェックリストでAが多ければ前向きタイプ、Bが多ければ後ろ向きタイプになる。性格ではなく思考の傾向として参考に。詳しくは後述を見よう!
前向きタイプ
【特徴】
予想外の物事に臨機応変に対応できる
おおらかで好奇心いっぱい。ストレス耐性が高く、初めてのことや予想外のことが起きても、オールマイティーに対応できる。恐怖を感じることはあっても、自力で立ち直れる強さがあることが特徴だ。石橋を叩かず渡るような猪突猛進の一面が見られる犬もいる。興奮が上手にコントロールできると暮らしやすい。
【メリット】
フレンドリーで得することが多いかも
フレンドリーなタイプが多く、人にかわいがってもらえたり犬と遊べたりする機会が多い。許容範囲が広いので、少々の物事には動じず、共に暮らしていて困ることが少ない。どのような人とも暮らしやすいタイプ。チャレンジ精神旺盛なので、ドッグスポーツにも向いている。
【デメリット】
大ざっぱに扱われてしまいそう
興奮しすぎて落ち着くまで時間がかかる傾向が見られる。何事も明るく乗り切るようなイメージを持たれ、大ざっぱに扱われがち。怖いと思っている時や苦手な物事に遭遇した時、強引に克服を迫られることも。ふとしたきっかけで苦手意識が残ったり、ネガティブ思考が顔を出したりすることもある。どんな犬も根底には慎重さが潜んでいることを覚えておきたい。
■犬のポジ思考をおおらかに育てよう
コーギーの前向きタイプについて詳しく知っておきたい。良い予測をする経験をたくさん積んできたタイプ。生まれ持った傾向に加え、飼い主さんがおおらかに育ててきたのだろう。
とはいえ、どんな犬も根底には慎重さやシャイなところがある。ネガティブな経験もどこかで必ずしている。前向きに隠れているそういった部分が、目覚めないようにしたい。
また、好奇心旺盛で積極的に見えるので、飼い主さんもいろいろなことにチャレンジさせているはず。でも段階を飛ばして高度なことを要求すると、嫌になったり怖くなったりして後ろ向きの方へ。
大ざっぱに育てると、前向きを通り越して猪突猛進や前方不注意タイプになる可能性も。ポジティブ思考がいきすぎないように、おおらかでも丁寧に育ててあげよう。
間違いだらけのボディランゲージ。愛犬のポジティブな反応はどんな行動?
後ろ向きタイプ
【特徴】
落ち着きはある反面積極性に欠ける
慎重なところがあり、新しいことにはチャレンジしたがらない傾向が見られる。その特徴がおとなしさや落ち着きに現れれば暮らしやすいが、コーギーとしては物足りなさを感じる飼い主がいるかも。ストレス耐性がやや低めで、予想外のことが起きるとパニックを起こし、何も起きていないのに一目散に逃亡するタイプもいる。
【メリット】
けがをすることは少ないかも
苦手なものが多い分、見知らぬものに近寄らないので、けがをしにくい。他の人や犬との触れ合いに消極的で愛想がない分、飼い主への愛情が強く見える。過剰に恐怖を感じることがないように対処してあげたい。
【デメリット】
入院や環境の変化がストレスに
苦手なものが多いので、一緒に出かけるときには飼い主が気を使う必要がある。また、デメリットではないが、人や犬と距離を置くので、他者との触れ合いが減る。動物病院に入院する時や、ペットシッターなどに世話をお願いする時、ストレスを感じるかも。家族構成や環境の変化にも要注意。前向きの部分を伸ばしてあげたい。
■後ろ向きタイプは、リスクマネジメントに長けているともいえるが……。
悪い予測をする経験をたくさん積んだ、あるいは良い予測をする経験をあまり積まなかったのだろう。生まれ持った後ろ向きの部分が大きいと、ネガティブに偏ってしまう傾向もある。
神経質な育て方は過保護につながり、良い経験を積む機会が減る。逆に大ざっぱに育てられると、物事に対して克服を迫られるようなことになりがち。
物事に対して『あやしい!』ではなく『何だろう?』とニュートラルな気持ちになれるように、いろいろなものに慣れる練習をしよう。
間違いだらけのボディランゲージ。愛犬のネガティブな反応はどんな行動?
まとめ
色々なものに慣れる社会化や馴化はどちらのタイプも必要だ。
前向きタイプは「大丈夫!」とぐいぐい進めがちだが、シャイな部分も持っていることを忘れずに。
後ろ向きタイプも強引に進めるのはNG。しかし、過保護にしすぎると経験を積めない。
犬の性格に合わせて丁寧に社会化を進めよう。
人気のキーワード:
#しつけ #ごはん #シニア犬 #健康管理
#性格 #散歩 #気持ち #病気 #おでかけ
#ケア #子犬 #性別
コーギースタイル Vol.37『石橋を叩けず突進、ポジティブ思考 前向き ときどき 後ろ向き』
※掲載されている写真はすべてイメージです。