ここでは、“犬の歯は人間の歯とは違う”ということを頭にいれつつ、犬の歯並びについて一から考えてみよう。これを知らないと、愛犬に辛い思いをさせることになるかもしれないぞ!
犬にとって良い歯並びとは?
歯並び・噛み合わせは、上の歯が下の歯全体を外側から覆うように被さっているのが正常とされている。
さらに各歯の噛み合わせも、これから説明するような状態が正常だとされている。
まず、切り歯。この歯は、上の歯が下の歯にやや被さっているのがいい状態。出っ歯でもなく、受け口でもないという状態だ。
犬歯は、下の犬歯が上の犬歯と第3切り歯のあいだに収まるのが良い状態。
前臼歯に関しては、上アゴの第1~3前臼歯と下アゴの第1~4臼歯の先端同士が当たることなく、互い違いに噛み合わさるのがいい噛み合せとなる。ちょうど、歯車が噛みあっているような状態だ。
上顎第4前臼歯と下顎第1後臼歯の別名である裂肉歯は、ハサミの刃と刃が重なるように噛み合わさる。機能的にも、肉や皮をチョキチョキ切るような働きがある。
最近では、アゴの小さな犬種(シーズーやパグなど)に限っては受け口になっていても、その犬の特徴ということで、ある程度は正常と見なしている。
歯並びが悪いと病気を引き起こす原因にもなる
悪い歯並びといっても、さまざまな状態がある。
その中でも代表的なのが、歯の本数が多い「過剰歯」や、逆に本数が少ない「欠歯」。
噛み合せが悪くなることで歯周病を悪化させることもある。
また、乳歯が抜けずに残ってしまう「乳歯遺残」なども、歯が密着しすぎて歯垢がたまりやすくなり、炎症を起こす原因になる。
この他、噛み合せが逆になってしまう「交叉咬合」、いわゆる“出っ歯”の「オーバーバイト」、受け口状態の「アンダーバイト」、上アゴと下アゴの中心線がずれている「ライバイト」など、様々な状態がある。
これらの状態は、うまく噛み合わさって、不自由がなく、他の歯や粘膜に外傷を与えなければそのままでもいいが、歯と歯が当たって歯が欠けたり、歯がアゴに刺さったりといった状態になっていたら、すぐに治療が必要だ。
歯周病が原因で、肝臓や腎臓、心臓の病気になる恐れもある。くれぐれも歯周病をあなどらないように。
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悪い歯並びは矯正したほうがいい?
装置を使って歯並びを変えるのではなく、削ったり抜いたりする矯正もある。
かっこ悪いから矯正しよう、というのではなく、病気予防のために行うのがほとんどのようだ。
生活に支障がなければ矯正は行わなくてもよい場合もある。
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Shi‐Ba vol.22『悪い歯並びは万病のもと!? 犬の歯並び大研究!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。