「その件につきましては、エー誠に申し訳ございません……」(深々と頭を下げる)。犬もこんなふうに思って、悪事を詫びてるのか。ちょっと無理があるが、その真相はいかに。
無理を承知で「謝りなさい」
極端に言えば、犬を飼うということは、犬が巻き起こすあまたのイタズラ、問題行動、人間にとっては迷惑千万な行為を家庭内に受け入れる、ということである。それを承知で(?)犬との生活を続けているのだから仕方ない。
しかし飼い主も人の子。自分が望んでいないことを愛犬が性懲りもなく続けていたら、怒りたくなるのも仕方ない。そうするとついつい大きな声が出てしまう、怖い顔で睨みつけてしまう、そして愛犬を追い込んでしまうような空気を作ってしまう。
そしてその気持ちを収めたい、いや君が収めてほしいのよ、という願望もありつつ、その結果が「謝りなさい」につながっていくようだ。飼い主と愛犬の間にある(と思われる、あると信じている)信頼関係という後押しもあって、飼い主は愛犬に強く謝罪を求めてしまうはず。
犬が謝罪する(謝罪しているような態度を取る)。犬の本心が「謝罪」でなかったとしても、飼い主がその態度を見てある程度気持ちを収めることができれば、それはそれで穏やかな結末。でも、その態度には、結構いろいろな種類とそれぞれの真意があるらしいのだ。
叱られた犬のありがちなリアクション
犬が叱られた時見せる表情や行動。これが何を意味するのかが気になるのだ。お腹を見せたり耳が垂れたり、という行動は比較的わかりやすく、愛犬と飼い主の関係が良好であることが伺える。
では、一見しおらしく見えるいくつかの行動や表情は、愛犬の反省の心と考えてもいいのだろうか。ここが悩ましいところ。愛犬によく見られる「謝罪しているかのような」行動についていくつか例を挙げてみよう。
すべてが「申し訳ない」という気持ちから出る行動ではないらしいぞ!
上目遣い!
申し訳ないと言ってるようにも見えるし、猜疑心ありありのような視線とも取れる。一応様子を伺ってるが、しつこい時は反撃してくる可能性も。
気がつくと寝る!
ベッドやハウスなどに逃げていって、寝ちゃうパターン。当事者意識がない模様。でも平和なので許せ。
様子を伺う!
部屋の隅などでじっとしている。そうなると飼い主も怒るタイミングを失う。空気を読んだ利口な手段だ。
耳がたれる!
謝罪と言うよりは嬉しかったり、おべっかだったり、あるいは怖かったり。状況をよく判断して対応を。
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おなかを見せる!
どうにでもしてくれ、のポーズだから、最強の謝罪スタイルと言ってもいい。ある意味、土下座に近いものがある。
家具の下に隠れる!
こういう場所はもう他に逃げ場がない。従って、これ以上追い詰めてはいけない。やりすぎると反撃を食らう。
犬の謝罪の注意点
犬を叱る時、飼い主の対応の仕方でむしろ逆効果になったり、また危険な状態に陥ることもある。これは必読。
1.追い詰めないこと
2.犬に責任転嫁しないこと
3.物を持って隠れた時は、手を出さないこと
1は逃げ場がなくなることで、逆襲してくる可能性があり危険。関係性も悪くなる。2は怒らなければいけない理由が、本当は愛犬ではなく自分にあるということを認識すること。3は取られたくない物を持って逃げてるのだから、犬としては死守しようとする。これも危険だ。
また、深追いは禁物。犬が狭い場所に逃げ込んだら、そっとしておくのが無難。手を出すと防衛本能が働いて反撃に出ることも。
何故そうなったかを考えたい
謝罪にも似た態度を見せる愛犬。そう見えてしまう動作をすることはあるが、ほとんどの場合は謝罪ではない。犬は自分が良くないことをしているという意識はない。
犬に反省を求めるのは難しく、そう思える態度をしたとしてもそれは勘違い。
すると謝罪はあり得ないということになる。犬はこういう態度を取っていれば大丈夫、という学習を知らず知らずのうちにしてしまっている。危機回避のための自己防衛法なのである。これではまた同じことを繰り返しかねない。
イタズラをしたとき、飼い主がくどくど言っても何の効果ない。叱る時は一発ビシッと。
また、犬が問題を起こすのは飼い主の不手際と割り切り。何故そうなったのかを考えて、再び起きないように留意するのが飼い主の務めなのだ。
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Shi‐Ba vol.77『あなたの愛犬は問題行動の数々を号泣しつつ反省するのか?緊急特集・犬の謝罪会見』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。