犬は吠える、それだけ。なんて感じている方はいないはず。そう、犬もブツブツ言ったり話しかけてきたりする。無口な子もいるが、よくしゃべる子もいる。では何を言っているのか。一緒に考えてみよう。
柴犬が出す9つの声
いろいろな種類、意図があると思われる犬たちの声。だいたい9つの種類に分けられるのではないか、と大別してみた。
・要求
放置するとエスカレートしていく危険性もあるので、注意が必要。
・興奮
興奮すると声が出る、というのは動物共通の生理的行動である。それが楽しい場面で出るのであればいいが、限度を超えると手がつけられなくなるので、これも要注意。
・文句、捨てゼリフ
意外とよく聞く声。「ブーブー」言ったり、口の中で「モゴモゴ」と言ってみたり。一言言わないと気がすまん、でも強く主張できないし、といったところだろうか。
・ため息
諦めの状況にある時に出ることが多い。どうも柴犬にはため息をする子が多いという説もある。「またか」「仕方ない、付き合ってやるよ」といった大人の対応とも取れる。
・警戒、唸り
低く静かに喉を「ウーッ」と鳴らす。意にそぐわないこと、物、人に対して自分の気持ちを表しているとも言える。オモチャ遊びの時にも出ることがある。
・不安、恐怖
ネガティブ要素満載の声。飼い主は犬を安心させてあげることが必要。そしてその感情が大きくならないように行動すべき。危険行動の種になりかねない声である。
・ストレス
警戒の声に近いが、それよりも多少軽い感じか。「それはちょっと嫌いだな」という気持ちが思わず声に出てしまうパターンが多いようである。
・ひとり言
誰にともなく、どこに向かうでもなく、「フウン」やら「オウン」やらよく聞きとれない声が出ていることがある。たまに一人でよく喋っている子がいる。
・遠吠え
犬の本能の残り火。現在では救急車や子どもの楽器演奏など、高音が聞こえたときにつられて声が出るということがある。
しつけ面から見た声
愛犬が変な声を出せば、それは微笑ましい光景。ついつい家族と和んでしまうこともあるだろう。その声をまた聞きたくて、つい促してしまう人もいるかもしれない。だがそれには見極めが必要だ。
仮にそれが要求吠えだったとしたら、止めさせるべき。せっかくしつけてきたのに、その声を見逃したためにコントロールできない子になってしまった、なんてことにならないように。
要求の強さと声の大きさは、基本的には比例する。その点だけはしっかりと留意すべし。
犬種別鳴き声の違い
■日本犬
日本犬はあまり変な声は出さないが、いつも文句を言ってるような子が多い。自分を律しているとも取れる。子犬時には「ヤンヤン」言う子もいるが、きちんとしつければ変な声や要求はなくなる。
■洋犬
「バンバン」「バオウバオウ」と大きな声を出すのがビーグル。それがいつまでも止まずにくどいことも……。ダックスやシュナウザー、ハスキーなどは甲高く、必死感な印象。
注意すべき2つの声
■明らかな要求を含む声
犬の声でよく聞かれるのが要求を意味するもの。「あれをくれ」「これがしたい」といった意思が込められた声は、そのまま放っておくべきではない。これは必ずエスカレートしていく。そうなると、いうことを聞かない子になる危険性がある。可愛い声を出して要求する子もいるが、これも同様。放置厳禁だ。
■唸り声はいつ爆発するか分からない
小さく低く唸る声。これにひるんでしまうと、「唸れば思いのまま」の学習が確立してしまう。引っ張りっこして遊んでいても、「はい、おしまい」で素直に従うのであれば、関係性が確立している証拠。ちょっとくらいの唸り声は無礼講だが、あくまでも飼い主主導で。
次からどうするかが重要
愛犬が今までに聞いたこともない変な声を出した。当然飼い主は「今の何?」と笑いながら愛犬を見る。突然思いもよらぬ声が聞こえれば、最初はそれも仕方がないこと。
だが、次に同じ声が聞こえた時にどう対応するかがとても重要。
その声を続けさせてもいいのか、近所迷惑ではないか、エスカレートしていかないかと、様々なシチュエーションを想定しなければならない。その上で、止めさせたほうがいいのか、続けても問題ないのかを冷静に判断すべき。
問題行動に繋がるような声と判断したら、当然ダメと言わなければならない。それを続けていけば、その声は出さなくなる。
逆にその声を出していても誰にも迷惑をかけず、危険性もないと思ったのであれば、楽しんでも構わない。要求吠えと唸り声以外はまず大丈夫。
鳴き声の良し悪しを見極めよう
犬だってしゃべりたい、文句のひとつも言いたい。そんなことを感じる。それはそうだろう、人間だってそうなんだ。だから文句やひとり言くらいだったら大目に見よう。
でも、自分の欲求を押し通そうとする声には耳を傾けてはいけない。飼い主がしっかりと管理する必要があるのだ。
その点を踏まえていれば、愛犬にいっぱいしゃべらせてあげてもいい。それが良いコミュニケーションを生み出すのであれば、お互いの距離はなおのこと縮んでいくだろう。
飼い主の見極めが、愛犬とのおしゃべりタイムをより楽しくできるはずだ。
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Shi‐Ba vol.97『「ワンワン」吠えるのとは少し違う!?その真意とは…… 声にならない声を聴けっ!!』より抜粋
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