飼い主ならば知っておきたい!夏に出会う危険な生き物~散歩道・応急処置編~

夏の危険な生き物

 

散歩道で出会う危険な生き物

飛ぶもの、這うもの、不思議な動きを見せるもの。夏の散歩道では、犬の好奇心を駆り立てるような小動物が次から次へと現れる。飼い主はどんなことに気をつければいいのだろうか。

その毒性はハブの2~3倍
マムシ
平地から山林、ヤブなどに棲み、水場近くに出現。田畑や排水溝などにいるので注意。噛まれると激しい疼痛、出血、腫脹がおき、腫脹部に筋壊死を生じる。小型なので毒液量は少ないが毒性はハブの2~3倍。

 
都市部でも大量発生

毒を持つガは多いが、チャドクガは近年都市部でも大量発生している。体中に50万本の毒針毛を持ち、親は卵にもこれを塗りつけるので、卵、幼虫、さなぎ、成虫、すべてのステージで刺される可能性がある。主な症状は皮膚の炎症。

 
2種の毒を持つ危険生物
ヤマカガシ
平地、山地の水辺や水田、湿地地帯に生息。ヤマカガシ自身が本来持つ毒の他に、餌とするヒキガエルの毒(ブフォトキシン)も体内に貯蓄。頸部皮下に毒腺を持ち、頸部を圧迫すると毒が飛び散る。かなり危険なヘビ。

 
7~10月に多く発生!
毛虫
毛虫による毛虫皮膚炎のタイプはかゆくなる「毒針毛」タイプと、トゲが刺さった所が痛くなる「毒棘(きょく)」タイプの2つ。7~10月は毛虫の発生時期でもあるので、植栽付近や街路樹の下、山に行く時には十分に気をつけよう。

 
ハチのひと刺しにご用心
ミツバチ
1匹のミツバチが持つ蜂毒は約0.1㎎。しかし何千、何万匹という集団で襲うことがあり、攻撃された場合は命に関わる可能性がある。また、ミツバチの針には返し棘があり皮膚に刺さると抜けなくなる。これがいわゆるハチのひと刺し。

 
家の中にも入ってくるよ
ムカデ
落ち葉の下、草むら、石垣の隙間が主な生息場。時には家の中に侵入してくることもある。あごに強力な毒が含まれているので、噛まれると激しい痛みに襲われたり、アナフィラキシーショックを起こすこともある。

 
寄生虫とカマに注意
カマキリ
カマキリにはハリガネ虫という寄生虫が付いていることがある(長くてうようよしているのが容易に目視できるほど)ので注意。また、犬がちょっかいを出すと鋭いカマで攻撃してくることも。目を傷つけられないように気をつけて。

 
近年何かと話題の毒グモ
セアカゴケグモ
外来種の有毒なクモ。体長は10㎜前後。ベンチの下や側溝の蓋の裏、ガードレール付近などに巣を張ることが多い。神経毒のα-ラトロトキシンを有する。噛まれると激しい痛み、腫れ、痛み、発汗、発熱などを伴う。

 
▼ハチ、カエル、ヘビによるトラブルに特にご用心

夏の危険な生き物

散歩コースはもちろん、夏の庭でも様々な小動物に遭遇する。トカゲ、セミ、芋虫、バッタ、ミミズ、コウモリ、ダンゴムシ、クモ、ゴキブリ、ハチなどなど。基本的に鳥が捕食するような小動物を犬が食べても、死に至るということはないそうだが、虫の体にもそれなりに寄生虫がいる

地域によっては人がイナゴやセミを食べることもあるが、それは調理をした上でのこと。犬の場合はほぼ生食オンリーなので、やはり食べさせないほうが無難といえよう。

草むらとは無縁と思っていても、最近では動物たちの生息地域が狭められ、住宅街の近くに危険生物が巣を持っていることも多い。整備された公園の植え込みや、サイクリングロードなど河川敷のちょっとした緑のある所などでも、夏は特に注意を払って散歩をしよう。

 

その他の危険な生物

夏の危険な生き物

爪、牙、角で攻撃されたらアウト
猪・熊・鹿・猿
熊に限らず野生動物の爪、牙、角で攻撃されると命を落とす可能性が。山に入る時には絶対にリードを放さず愛犬の安全を確保して。

 
タヌキ以上に獰猛。攻撃に注意
アライグマ
あるアニメの影響でペットとして日本に持ち込まれたアライグマだが、回虫、狂犬病、レプトスピラ症などの人畜共通感染症のキャリア動物であるだけでなく、凶暴なので犬を襲うこともある。見かけても絶対に近づかないで。

 
かゆみの激しい疥癬をもたらす
タヌキ
ヒゼンダニによるかゆみの激しい皮膚病が疥癬。近年、住宅街にも姿を現し、犬小屋に住み着いたり、外犬のドッグフードを食べたりしているタヌキ。彼らは感染力が強い疥癬に侵されていることが多い。もちろん犬にうつる。

 
都心などでも油断は禁物
子育て中の猫
野良猫などは都心部のビルの谷間で子育てをしている場合があり、散歩中に親猫にうっかり出会うと、子猫を守るために攻撃してくることがある。全身はもちろん、目を爪でやられるなど、人も犬も傷だらけになることが!

 
エキノコックスという寄生虫を保有
キタキツネ
北の地方などキタキツネがいる地域に犬連れで旅行に訪れる際は、人がエキノコックスに感染しないことはもちろん、事前に愛犬に駆虫薬を投与したり、持参したり、帰宅後もしばらく投与するなどしておくと安心。

 
ノミやダニが寄生。家の中にも進入
コウモリ
日本で多く見られるのはアブラコウモリという体長5cmほどの種類。ノミやダニを保有し、家の雨戸の戸袋や屋根裏に生息することも多いのでイエコウモリとも言われる。乾燥した糞が室内に散って感染症を起こすこともある。

 
さまざまな病気の宝庫
ネズミ
ネズミに寄生しているダニなどの寄生虫から感染する病気はたくさんある。ツツガムシ病、刺咬症など。また、レプストスプラ菌やサルモネラ菌を保有しているので、接触により何が起こってもおかしくない危険生物だ。

 

オススメの応急処置グッズ

最近では突然住宅街に猪、熊、鹿、猿などが出没することも。万が一トラブルにあっても、目の前の愛犬を救うべく冷静な判断と行動が取れる飼い主でいたい。

汚れた傷口を水で洗い流す
飲料として、また傷口の洗浄用としても、きれいな水は必須アイテム。川の水で傷口を濡らすようなことは絶対にしないで。

 
ガム&布テープも止血に○
肉球などが切れて出血した場合は、傷口を塞ぐようにテープを巻く。余裕があればガーゼやハンカチを傷口に当てておくとなおよし。

 
ラップは素晴らしい止血グッズ
足などを負傷して出血してしまっている場合には、ラップが大活躍する。伸縮性もあり、ぴっちりと患部を覆うことができる。

 
近場の散歩中でも携帯は必須
動物病院の連絡先を登録した携帯は犬連れ時の必須アイテム。遠出する際はその近くの動物病院の連絡先も調べて登録しよう。

 
結びやすい三角巾は何かと重宝
傷の範囲が広く、出血が多い時には、患部を三角巾で保護すると良い。端が結びやすいので、慌てている時にも扱いやすい。

 
長さがある包帯でしっかり固定
耳やシッポをケガした場合、先端部は少し動くだけでも再出血しやすいもの。頭や体と一緒に包帯で巻いて固定すると良い。

 

落ちて衰弱&死んでいる鳥には近づかないで

海、山、川、散歩コース、挙げ句の果ては家の中に侵入してくるムカデに至るまで、夏は実に危険生物に満ち溢れている。冬は冬眠している生き物も、夏はその活動が活発になる。

また、上記で紹介した他にも、地面に落ちて弱っている鳥やその死骸などにも犬を近づけないでほしい。中毒や何かの病気に感染していることも考えられる。

危険生物や熱中症対策など、飼い主としては大忙しだが、どうか今夏も無事に乗り切っていただきたい。
 
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Shi‐Ba vol.90『飼い主ならば知っておきたい! 夏に出会う危険な生き物』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。
 

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