犬びより

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愛犬を失う悲しみ。誰にでも訪れるペットロスを克服するために(2)

2018/11/06

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前回の記事(愛犬を失う悲しみ。誰にでも訪れるペットロスを克服するために(1))では愛犬の医療に対する後悔について話した。ここでは医療面以外に生じる後悔について触れておきたい。

 

不慮の事故や老衰の場合

主に不慮の事故や老衰で愛犬を亡くした場合、ともに飼い主は自責の念を感じることが多い。事故で愛犬を亡くした場合、その事故が起きた背景には飼い主の過失があることも少なくない。自分がきちんと管理すべきだったのに、それができなかったという思いで自分を責めることになる。あるいは、漠然とした罪の意識を感じるということもある。

老衰の場合は、亡くなるまでの介護の内容で、自責の念の大きさに差が出てくる。まず、最後まで自分はきちんと愛犬の介護をできていたか、という思い。この時、しっかりと介護ができていた飼い主のほうが自責の念を強く感じるという傾向がある。

例えば、介護生活の中で一度でも「手を抜こうかな」と頭をよぎってしまい、しかし実際は手抜きすることなく最後まで介護をまっとうしたのに、愛犬が亡くなった後に「あの時手を抜こうと思ってしまった」ということで、自分を苦しめてしまうこともある。

飼い主の性格や生活環境によってもこれらの感情は異なってくるが、いずれも愛犬が存命中に何かを思ったり、できなかったりということが、自責の念や後悔につながっているということは共通している。

ということは、生きている時の行動や考え方次第で、ペットロスの悲しみの大きさは変わってくるといえるのではないだろうか。

まずは、愛犬が生きている間に、悔いなく最期を迎えるためにはどうすればいいのかを考えておくべき。若いうちから、死というものを考えておくこと。そして生きているうちから、後悔がないようにひとつひとつ積み上げていくことが大切。しかし、だからといって、無理して暮らす必要はない。

自分たちのライフスタイルに合わせて、やれるべきことはきちんとしてあげる。その認識をしっかりと持っていれば、亡くなった後の後悔は少なくなるのである。

 

周囲の理解、家族の理解、共感してもらうこと

後悔の他にもペットロスの悲しみを長引かせてしまう要素がある。それが周囲の理解の有無だ。

自分の周りに亡くなった愛犬のことについて話をできる人がいるかいないか、悲しい気持ちを理解してくれる人がいるかどうかということも、悲しみの深さに大きく影響する。

家族の中で愛犬の死に対して感じ方に温度差がある場合は、悲しんでいる家族の悲しみは深くなってしまうことがある。家族みんなで死を悲しんで泣いているほうが、区切りをつけやすい。

一人暮らしの場合は、外で愛犬の死を理解してもらえないことで、よりペットロスの悲しみが深くなってしまうことも多い。

犬を飼っていない人の理解を深めることが重要になってくるわけだが、これはなかなか難しいことである。それでも、愛犬を亡くした人に対してどのような言葉をかけたらよいのか、知っておく必要はある。愛犬の死について率直に話したり、質問したりする方がいい。その上でその人に共感し、感じたことを素直に言い表してあげることが大切。

お決まりのお悔やみや、他のケースと比較すること、叱る、説教する、元気づけるといったことはあまり助けにはならない。飼い主が悲しみに浸ることを否定することは厳禁だ。新しく犬を飼うことを勧めることも、他人がすべきことではない。

 

悲しみから立ち直るためできることはあるか

愛犬を亡くせば、必ずやってくる悲しみ。その悲しみを乗り越え、克服するためにできることはあるのだろうか。特別な方法ではないが、気持ちの整理をつけるために役立つと思われていることはいくつかある。

まずはお葬式やお通夜をすること。そして、樹木や記念碑を作るなど記念になることをしたり、愛犬の写真を入れたロケットを身につけるという方法もある。葬式などは大げさに行う必要はない。近しい人たちが線香をあげるだけでも十分である。

そして、共に生きた時間を確認、整理するために写真を整理してアルバムを作ったり、日記や手紙などを書くという方法も効果がある。作ったり、整理している間は泣いてしまうことも多く、辛い作業だとは思う。しかし、それらの作業を最期まで終えると、次のステップに進むことができ、すっきりした気持ちになるという人も多い。

大事なことは、自分のできる範囲のことをするということ。

新しい犬を飼えば、ペットロスの悲しみは軽減されるという話をよく聞くが、迎え入れるタイミングがとても重要。愛犬が亡くなったという悲しみから立ち直ってから迎え入れないと悲劇が起こることもある。

前の犬の死の悲しみから立ち直れていなければ、新しい犬を迎え入れても可愛がる気持ちにはなれず、前の犬との生活を余計に思い出してしまうのだ。だからペットロスの悲しみのまっただ中にいる時には、まだ迎え入れないほうがいいだろう。

 
最後に、繰り返しになるがペットロスは誰にでも必ず訪れる。愛犬を失って悲しいという感情は、ごく当たり前のことなのである。

だから、その悲しみから正当なプロセスを経て立ち直っていくのであれば、問題はなにもない。悲しみを増長させる要因が存在することが問題なのである。

それらの要因をなるべく少なくするためにも、愛犬が生きている間に悔いなく生活することこそが、もっとも大切なことなのである。

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愛犬を失う悲しみ。誰にでも訪れるペットロスを克服するために(1)
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Shi‐Ba vol.52『ペットロスを克服するために 愛犬を失う悲しみ』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。