愛犬のリラックスポーズが辛そう!心から脱力できる本当に『楽な姿勢』って?

どんなに凛々しい犬だって、くつろぎたい時はある。でも、不思議な角度で折れ曲がって寝ていたり、だらっとした座り方でぼーっとしていたりすると「それ、本当にくつろげている?」と疑問になることも。犬のくつろぎ姿勢の真実はいかに!?
 

 

犬にとって正しい姿勢は存在しない

犬のリラックスポーズ

犬の飼い主なら一度や二度、愛犬の寝姿やくつろぎ姿を疑問に思ったことがあるはず。実は犬に“正しい楽な姿勢”というものはない。普段何気なくしている体勢ならば、その犬にとって楽な姿勢だと思われる。

人間の正座のような“正しい姿勢”は犬には存在しない。オスワリでは前足をそろえ、後ろ足をきちっと曲げる形が一般的だが、後ろ足を崩した“お姉さん座り”や、重心を後ろに傾けた“ドスコイ座り”をする犬も多い。

正座が苦手な人がいるように、きちんとした座り方を窮屈に感じる犬もいるのかもしれない。これは人間と同じように、犬にも関節の固い、やわらかいの個体差がある。また股関節の形にも個体差がある。足を崩した方が楽な犬もいるのだろう。

トレーニングやしつけの段階で足をそろえたオスワリを学習させれば、犬もその形を覚えていくらしい。

寝相にしても同様。犬が寝ているならば、それは本人にとって安定している姿勢のはず。犬は本能的に痛い姿勢や自分が動けなくなる姿勢は取らない。いざという時に動けなくなって命に関わってしまうからだ。

 

犬の姿勢Q&A

犬のリラックスポーズ

Q.変な座り方を直す必要はある?
足を横に開いたオネエ座りや、重心を後ろにかけたドスコイ座りは、その犬が楽だからこそ取っている姿勢だといえる。最初は揃えていた足を徐々に崩す犬もいる。立つ時にすっと立てる、歩き方に問題がないならば、どんな座り方をしていても問題はなく、特に直す必要はない。ただし、今まで足をそろえたオスワリをしていたのにしなくなった場合は、少し注意した方がいいかもしれない。

 
Q.危険なオスワリの姿勢はある?
前述のように座り方よりも、立つ時と歩き方に注目。立つ時にためらいがある、立ちたがらない場合はどこかに痛みがあるのかも。歩く際に妙にお尻を振っている、内股・がに股になっている場合も関節や筋肉に問題がある可能性がある。また、健康な犬は歩く時に背中のラインが地面と平行になるが、腰高に見えるならば後ろ足に何らかの不具合が出ているかもしれない。いつもと違う動きは要注意。
 

Q.フセの時に後ろ足を開いているけど大丈夫?
後ろ足をまっすぐ伸ばしたり、カエルのように開いたりしてフセをする子もいる。この時、よく見ると下半身は少し浮き上がっていて、べったりとくっついてはいないはず。それならば問題はない。本人が楽な姿勢なのだろう。通常のフセよりもリラックスしている証拠ともいえる。下半身がべったりくっついている、すくっと機敏に立ち上がれない時は、何らかの異常があるかもしれない。
 

Q.ヘソ天で寝るのは苦しくないの?
四つ足の犬は心臓が下を向いている。仰向けになると多少なりとも心臓の位置は動く。だからこそ呼吸器や内臓に問題がある犬は、自分から絶対にヘソ天にならない。その体勢が苦しいとわかっているからだ。さらにひどくなるとフセすらもできなくなり、オスワリでウトウトしている犬もいます。裏を返せばヘソ天で寝ているならば、仰向けになっても正しく心臓が支えられている証拠。健康な証といえる。

 
Q.人間同様、腰や首が凝ることはある?
犬には野生時代の名残として、どんなに熟睡しているように見えても、人間に比べると眠りは格段に浅い。だから自分が不自然な体勢を取ったり、周囲に違和感を感じると、危険を察知してすぐに起きてしまう。そのため、よほど激しい運動でもしない限り、肩や腰が凝ったり足がしびれたりすることはない。もし、凝りやしびれのような仕草が見られたら病気を疑おう。

 
Q.性別や年齢によって姿勢に違いは出る?
性別の差はない。子犬期は一番体が柔軟なので姿勢にこだわりはないはず。4、5歳でその犬の好きな姿勢、楽な姿勢が固定されてくる。この時の姿勢を覚えておこう。7歳以上になると柔軟性や骨の粘りが減り、関節が弱くなってくる。4、5歳時と違う体勢を頻繁にするようになったら、健康診断を受けてみよう。老化だけでなく、何らかの病気やケガ、痛みが隠されている可能性もある。

 

本人が満足しているならそれが楽な姿勢

犬のリラックスポーズ

人間ではよく、長時間猫背であったり、あぐらをかき続けていたりすると骨や筋肉が歪むといったデメリットを聞く。犬も楽な姿勢をとり続けることで生じる弊害があるのだろうか?

もともと犬の関節、筋肉、骨の可動域などは、人間よりもよほど柔軟にできている。一定の姿勢を長くとり続けたからといって、痛みや不具合などのデメリットが生じることない。

姿勢程度で不具合が出てしまっては野生の中では生き残れない。だから犬の体はとても柔軟で、様々な姿勢に耐えられる作りになっているのだ。

また、生きるために犬は不具合をカバーする力にも長けている。ほんの少しの関節や筋肉のずれは、本能的にカバーしてしまうので、人間が見てもわからないことが多い。レントゲンを撮ってもわからないことも。怪我などで1本の後ろ足を50%切断したとしても、傍目から見ると普通に歩いているように見えるそう。それほど犬のカバー力は優れているのだ。

しかし、年齢が進みカバーしきれなくなった時に、歩き方など目に見える変化が現れてくることもある。また例えば、痛みのある箇所をカバーするために楽な姿勢をとり続けて運動量が減ってしまい、さらに筋肉が落ちて痛みが出る場合も。

こういった愛犬の変化に対して“年を取ったから”で済ませず、早めに対処するためにも、定期的な健康診断を受けるのがベストになる。

 

犬の数だけ楽な姿勢がある!

結論からいえば、犬のくつろぐ姿、楽な姿勢に決まったポーズはない。

犬の本能からして痛い姿勢やキツイ姿勢は取らないため、どんなに不思議な格好でも犬が落ち着いているならば、その子にとって〝楽な姿勢〟といえる

飼い主は安心して、愛犬のくつろぎ姿を楽しんでOKなのだ。ただし、今までしなかった姿勢をするようになったら異変がないか注意しよう。

 
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Shi‐Ba vol.97『愛犬のリラックスポーズが辛そうに見えたこと、ありませんか? 本当にラクな姿勢ってどんな?』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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