大好きな友達犬に飛びついてしまって嫌がられたり、家族の帰宅に興奮して走り回ったり。何かと困る犬の興奮。その改善方法を今回は紹介しよう。
クールダウンとはなんぞや?
クールダウンとは文字通り、落ち着かせること。簡単な方法は、リードを使って興奮する対象から引き離し、見えない場所まで移動する方法。
コツは、リードを短く持ってへそ部分で固定していったん突進を止め、興奮した対象物からすみやかに離れること。また、遊んでほしくて飛びついてくる興奮の場合は、飛びつけないようにリードで引き離しながら犬を無視しよう。
根本的な改善するには、興奮してもよいことが起こらないと教える方法がある。それには「許可制」が有効だ。においを嗅ぎたい時、友達犬と遊びたい時、ボール遊びがしたい時など、愛犬が興奮し始めた場合、そのまま始めるのではなく、まず、落ち着かせる。
そして、オスワリをかけて、アイコンタクトで飼い主に意識を向けさせてから「行っていいよ」の意味を込めて、コマンド解除の号令を出す。そうすることで、興奮してもいいことが起きないが、落ち着いているとやりたいことができる、いいことが起こると学習する。
また、これができていると、興奮した愛犬をクールダウンさせたい時にも役立つ。犬と会った時、オモチャで遊んでいる途中などに興奮しすぎた場合、一度対象物から離してこれを行うと、落ち着かせることができるはず。
犬はこういった繰り返しで、好ましい行動を覚えていくの。
コーギーの興奮 ケース別改善方法
■人と会ったら嬉しくて興奮してしまう場合
人と会う前はリードをつけておく。相手の人にも触れないようにお願いする。そして、落ち着いたら可愛がってもらうことを繰り返す。そうすると、興奮してもよいことが起こらないことを理解していく。
■犬と会ったら嬉しくて興奮してしまう場合
他犬が見えたら、愛犬が興奮しない距離まで速やかに移動。そこで、オスワリ、アイコンタクトをしてごほうびを与えてほめ、他犬がいても落ち着いているといいことがあると教える。何度か繰り返して愛犬が落ち着いているなら、徐々にその犬との距離を縮める。
■飼い主が帰宅したときの興奮
愛犬がよってきても軽い挨拶程度に。着替えは愛犬が入ってこない場所で。その間に他の家族がリードをつけておく。同じ部屋に戻ってきた後も、愛犬が興奮しているようなら放っておく。リードを持っている人がアイコンタクトし、愛犬が落ち着いたら近くに。興奮したら引き離し、もう一度同じことを。
■見た目や挙動が怪しい人に吠える場合
愛犬が怪しいと思ってしまう人の特徴を把握しておき、そういう人がいたら避ける。近づかなくていいように、歩く方向を変える。改善というよりも対応方法。
■子供が大好きで会うと興奮してしまう場合
これも許可制で対応を。落ち着いていたらokを出す。近づいたり遊んでもらって興奮してしまったときも引き離す。アイコンタクトで落ち着かせ、ほめる。
■遊びの途中の興奮でオモチャを返さない場合
最初からリードをつけて遊ぶとよい、そうすると、返してくれない時も簡単にコントロールできる。また、引っ張りっこで遊ぶ時、絶対に飼い主が勝って終わるようにすると返してくれないことはなくなる。アイコンタクトして、落ち着かせてからオモチャを返してもらうとよい。
■来客やインターホンに興奮する場合
オスワリ、アイコンタクト、オヤツで吠え止むのなら、それを行う。ただ、オヤツを食べた後また吠えだすならば、改善は難しいので吠えを軽減する方法をとる。ハウスに入れたり他の部屋に入れたり、コングを与えたりなど、一番効果のある方法で。
■散歩の準備をしていると興奮する場合
散歩に行くことを察知させる行動を把握する。例えば、リードを持つと興奮する犬の場合は、散歩に行かない時もリードを持ち、そのあとトイレなどに行くといったフェイントを。それを何度も行うと「リード=散歩」とは思わなくなる。他の愛犬が散歩を察知する行動も同じように。
飼い主がコーギーにやってしまいがちなNG行動
まずは、ハウスを使うこと。問題行動を起こしたあと、嫌がっている愛犬をハウスに入れるのは愛犬にとって罰のような感覚になり、ハウスが安息の場所ではなくなってしまう。
大声をあげて静止しようとするのも、望ましくない。一度注意しただけで、言う事を聞くならまだいいが、何度も大声で注意し続けると愛犬を興奮させてしまう。落ち着いた態度で対応しよう。
また、叩くのもだめ。これを続けていると反撃する犬になる可能性があるし、家族の中で叩く人のいうことは聞くが、叩かない人には従わないようになるケースもある。
これに関連したものだが、家族の中に誰かひとり、例えばパパが厳しすぎるとパパの言うことしか聞かなくなる。これは他の家族を甘く見るようになるだけでなく、抑圧されている部分をイタズラなどで解消しようとすることがある。
もうすでに特定の怖い存在がいてその他の人のいうことを聞かない場合、まず怖がられている人が愛犬に厳しく接するのをやめる。そして、他の人との関係性を再度築くために、どんなことでも飼い主が主導の立場を取るようにする。例えば、オモチャで遊ぶ時は、愛犬の要求で始めるのではなく、その人のタイミングで始めて終了する。
他にも散歩の要求で吠えた場合も応じない、などを徹底しよう。
クールダウンでもっと魅力的なコーギーに
コーギーは興奮をしやすいが、頭の良い犬種で、学習能力は高いので過度の心配はいらない。
小さいことは気にしないため、興奮がよくないことだと気がつくのに時間がかかるかもしれないが、一度気がついたら覚えは早い。
そのためには今回紹介した方法をやり続けるしかない。飼い主の根気が必要になってくるが、飼い主次第で多くのことを覚えていく犬種だ。
また、運動不足など、基本的な生活環境を整えることも大切。犬の困った行動は様々な要因が絡まって現れるものなのだ。
今回は興奮を収める様々な方法を紹介してきた。やっぱりコーギーの魅力は、元気モリモリで盛り上がりやすい性格だろう。見ているだけでパワーをもらうことができるし、おもしろいハプニングも起こりやすい。だからこそさらに魅力的なコーギーになるために、本特集で紹介したクールダウンの数々のを試してほしいと思う。
いつも元気モリモリ、笑顔全開。でもきちんと場をわきまえている。そんなコーギーは最高にクールじゃないか。
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コーギースタイル Vol.35『元気モリモリが取り柄!! でも時々、困るんです……興奮コギさんとクールダウンの作法』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。