おかーさんに叱られたお兄ちゃんが、妹のオモチャを取り上げてイヤがらせ……。われら人間は、とかく幼少期より「八つ当たり」という行動とはなじみ深い動物だけど、じつは犬の世界にも「八つ当たり」があるらしい。
犬だって八つ当たりする!?
八つ当たりというのは、何かいやなことがあったりした時に、別の対象に対して当り散らすこと。これが犬にもあるのか、というのが今回の核心部分。
まずは端的にあるのか、ないのかというと、答えは「ある」。
学術的に言うと、『転嫁行動』が八つ当たりになる。これはむしゃくしゃした時に、自分よりも弱いものに対してあたるという行動。
たいがいは攻撃を仕掛ける。その対象は自分よりも弱い犬であったり、猫であったり、あるいはぬいぐるみといったものに対して行うことが多いようだ。
一方で『転位行動』というものもある。転嫁行動とは別のもので、フラストレーションを解消するような行動。
例えば、人の場合、ストレスがたまると爪を噛むという人がいるが、これは転位行動。これまでの流れと関係のない行動をすることで精神の安定をはかっている。通常は攻撃に出ることはない。
この転嫁行動を放っておくことはあまりよくない。
多頭飼いの場合は、格下の犬にずっとストレスがかかることになるし、弱い立場の人の子供に被害が加わる危険があるからだ。
ところで柴犬という犬種は、洋犬に比べると八つ当たりは少ないような気がする。
柴犬には直接相手に訴える子が多いのだろう。性格的には正直で、姑息な手段は使わない、といった気質を持っているようだ。
ちなみに、八つ当たりは飼い主にビビっているなど、シャイな犬に一般的には多い。
また、それぞれの固体差も大きいので、単純に犬種で分けて八つ当たりの多い少ないを討じることはできない。
アピール上手は八つ当たりに向かっていく?
アピール上手な犬は八つ当たりすることが多く、逆に下手な子ほど直接的に何かを訴える傾向がある。
言い換えれば、器用な子ほど何かに八つ当たりするのではないか、ということだ。いい例が、やはり柴犬。
我慢することが少なく、直接相手に何かを訴える傾向がある犬種である。まさに、「不器用ですから」を地でいっているようなものだ。
ある意味、愚直なまでに。世間ズレしていない、潔い印象さえ持ってしまう、いい意味で。
器用な犬は飼い主の顔色を見るのに長け、弱いものにストレスのはけ口を求める。
しかし、これらは一概に定義できることではなく、それぞれの犬の性格や、気質によるところが大きいので、あくまでもご参考までに。
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Shi‐Ba vol.36『日本犬だって黙っていられない時もある!?当世八つ当たり犬事情をさぐれ!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。