犬びより

イモ、クリ、カボチャの便利手帳。犬に与えても良い量や調理方法は?

2019/11/24

肉食だけど雑食性のある犬は、本来の食性である肉や魚以外にも「甘味」を好みます。だからと言って砂糖を多く含む食品を与えることが良くないことは犬の飼い主なら周知の事実。ほんのりと自然の甘味を含んだイモ、クリ、カボチャについての知識を深め、どのように与えれば良いのかを確認しておきましょう。
 

 

イモ、クリ、カボチャは犬に良い?

イモクリカボチャ

続けて読むと響きの良いイモ、クリ、カボチャ。いずれも加熱調理すると、ホクホクとした食感である点ではどれも同じに感じます。

そして、これらは「糖質」部分と「繊維質」部分で構成された「炭水化物」を多く含む食品。糖質部分はエネルギー源に、繊維質部分は排便の促進や腸内環境に影響を与えます。

ところが、食品栄養組成では、サツマイモやジャガイモは「芋類」、クリは「種実類」、カボチャは「野菜類」に分類されています。その理由は含まれる、水分、糖質、食物繊維質の量を比較するとわかります。

それぞれ多い順に並べると、水分は(1)カボチャ(2)イモ (3)クリの順。糖質は(1)クリ (2)イモ (3)カボチャの順。食物繊維は(1)クリ (2)カボチャ (3)イモの順になります。

つまり、カボチャは水分と繊維が多いため、同量あたりのエネルギーはクリやイモに対して低く、食べ過ぎると軟便や下痢を起こします。しかし、適度に食べれば減量に役立ちます。

イモは糖質が多いためエネルギー源としての働きが中心で、同量あたりではサツマイモはカボチャの3倍のエネルギーがあります。食物繊維には発酵する性質もあるため、食べる量によってはオナラや膨満感を生じることも。

クリは糖質、繊維質とも多く含むため、体に悪い影響を与えずに摂取できる量が最も少ないことがわかります。

また、食べ物を体内で利用するためには、その栄養素を消化するための消化酵素が必要ですが、犬は人と異なり、唾液中に消化酵素アミラーゼがありません。したがって、炭水化物は犬にとって必要な栄養素ですが、過剰な摂取は好ましくないことがわかります。

一方で、糖質や繊維質以外にもビタミンCやEなど抗酸化成分も含むため、それぞれの主体となる食事や体質に合わせて、上手に食生活に取り入れれば、健康的なオヤツとして利用することができます

 

与えても良い1日分の目安量

イモクリカボチャ

※生の重さです
※体重10㎏、健康で活動量が適度にある成犬が消化器に悪い影響を与えないであろう分量の予測です。
※与えた後の便が、黄色い、軟らかいなどは与えすぎの目安となるので注意しましょう。

 

イモ、クリ、カボチャの利用方法

イモ、クリ、カボチャを犬に与えて良い量は、肉、魚、卵、乳製品などのように、「エネルギー量」だけではなく、食物繊維の種類や性質を理解することが大切です。

食物繊維は「不溶性繊維」「水溶性繊維」に分類されます。不溶性繊維は、腸の蠕動運動を刺激し、排便を促進する働きがあるため、与えすぎると便が腸内を通過する時間が早くなり、軟便や下痢を生じます。水溶性食物繊維は胃内では満腹感をサポートし、発酵する性質が腸内環境の健康を助けます。

よって、不溶性繊維と水溶性繊維のバランスが大切です。

イモ、クリ、カボチャは不溶性繊維の割合が多いのが特徴で、クリが最も多く、カボチャ、イモと続きます。

イモ類は、イモの種類により繊維の構成が異なります。例えば、サツマイモは不溶性繊維の特性が強いのに対して、ジャガイモは弱いので、排便促進を促したい時には、ジャガイモは効果的ではないことになります。

 

イモ、カボチャレシピ

※与えても良い1日の目安量に合わせた作りやすい分量を紹介しています。

■ジャガイモのミートキューブ

全体で約150kcal 10個分

●材料
ジャガイモ(皮をむいた生のもの)・・100g
鶏ムネひき肉・・・・・・・・・・・・50g

 
●作り方
1.皮をむいたジャガイモを小さく切り分け、粉ふきイモを作る。
2.鶏ひき肉は熱湯で湯引き後、フライパンで水分を飛ばし肉に火を通す。
3.1に2を加えて全体によく混ぜたら、クッキングシートを利用して15㎝位の棒状に伸ばす。
4.3を包丁で10等分に切り分け、指先で四角く成型する。

 
●ワンポイント
鶏のひき肉はモモとムネで部位を分けて販売されている場合は、ムネひき肉の方が低カロリーです。このオヤツは、うっすらとバターをひいたフライパンで焼いたり、水分を加えてスープにするなど、工夫次第でいろいろな与え方ができるので便利です。

 
■サツマイモのメープルクッキー

全体で約260kcal 8本分

●材料
サツマイモ(皮付き)・・・50g
無塩バター・・・・・・・・10g
薄力粉・・・・・・・・・・30g
メープルシロップ・・・・・小さじ1/2

 
●作り方
1.サツマイモは輪切りにしてからさっと水にさらし、やわらかくなるまで蒸し煮にする。
2.1の皮の部分に包丁を入れ、細かく切ったものを器に移し、そこへバターを加えてサツマイモをつぶしながらよく混ぜる。
3.2に薄力粉を加えて全体を押すように混ぜ、生地をひとまとめにする。
4.クッキングシートの上で生地を10㎝四方に麺棒で伸ばし、10等分に切り分ける。
5.切り分けた生地の間隔をあけ、メープルシロップを指先で生地の表面に塗る。
6.5を170℃で予熱しておいたオーブンに入れ、15~17分位焼く。

 
●ワンポイント
メープルシロップの甘い香り、サツマイモの自然な甘さやバターの風味で嗜好性の高いオヤツです。冷凍保存や持ち運びもできるので、お出かけやトレーニング時にも便利なオヤツです。

 
■カボチャミルクスープ

イモクリカボチャ

全体で約60kcal

●材料 
カボチャ(皮をむいた生のもの)・・・30g
ジャガイモ(皮をむいた生のもの)・・15g
パルメザンチーズ・・・・・・・・・少々
牛乳・・・・・・・・・・・・・・・30cc

 
●作り方
1.カボチャはワタと皮を取り除く。ジャガイモは皮をむいて小さく刻んだら、やわらかく蒸し煮にする。
2.1をスプーンでつぶしたら、そこに牛乳とぬるま湯20cc(分量外)を入れてよく混ぜる。
3.2を器に盛り、表面にパルメザンチーズをふりかける。好みで飾りに茹でたカボチャの皮を骨型に切ったものをのせる。

 
●ワンポイント
栄養バランスに優れ、消化にもいいスープです。冬は水分が不足しやすいので、少し温めて水分補給と栄養補給を兼ねたオヤツとしてあげるのもオススメです。食物繊維も加わり、腹持ちが良いので、たくさん食べたいけど太りやすいワンちゃんにぴったりです。

 

調理法に関する疑問

イモクリカボチャ

皮付きのままあげてもいいの? 茹で汁はあげないほうがいいの? 実際にあげる時に出てくる疑問をズバッと解決!

Q.クリは消化に良くないの?

クリは種実類です。殻や渋皮を取り除いても実は硬く、また繊維量が多いので消化に良い食べ物ではありません。少量を与える場合も、よくつぶしてあげたほうが便中にそのまま出てくるようなことがないでしょう。

 
Q.茹で汁は飲んでもいいの?

茹で汁には、カリウム、リン、残留農薬など、体内に取り込みたくない成分も溶け出ているため、必ず捨ててください。

 
Q.皮はあげてもいいの?

クリは殻、渋皮とも除去しましょう。イモの種類や何を主食にしているか、また与える目的にもよりますが、皮の部分に不溶性繊維が多く含まれるため、一般的には皮を取り除いてあげたほうが良いと思います。特に犬はでんぷんの消化が得意ではない上に、飲み込む食性でもあるので、できるだけ消化に影響のないようにしてあげましょう。

 

Q.市販の焼き芋をあげる際の注意点は?

市販のサツマイモは、イモの種類により糖度が非常に高いものがあります。その方が香りも味もおいしいのですが、「繊維+糖質=発酵」が軟便や下痢を起こすことがあるので、与えた翌日の排便状態をチェックしながら、与えられる量を調整しましょう。

 

Q.市販のイモやカボチャの粉を使ってもOK?

ジャガイモやカボチャの粉を使用することも可能です。ただし、気を付けたいのは使用量です。粉状になっていると食物繊維が粉砕され、かさが少なく見えるので、分量を多く使用しがちです。その結果、繊維量が過剰になっていることがあるので、その辺りを注意して使用しましょう。

イモクリカボチャ

 
Q.茹でるのは電子レンジでもOK?

例えば、サツマイモはシュウ酸が多く、ジャガイモは残留農薬が多いというように、それぞれ食品には栄養面以外に考慮すべき点があります。電子レンジでの調理では栄養の損失は防げますが、不要な成分の除去ができません。また、でんぷんはゆっくりと加熱調理することで消化が良くなるので、臨機応変に使い分けるといいでしょう。

 
Q.栄養が逃げない調理法は?

イモやクリは皮や殻ごと調理するのが一般的なので栄養素の損失は少ないです。また、皮をむいたら通常は水に溶けてしまう水溶性の栄養素も、でんぷんに包まれているので損失が少ないのが特徴です。しかしこれらの食品は栄養素の損失よりも消化性を重視したほうが犬にとっては有益だと思います。

 
Q.調理後の保存法は?

生の状態で与えても良い分量を、加熱調理後にもう一度計量して重さの変化を確認します。温かいうちにペースト状につぶして板状に広げ、ラップで包んで1日分ごとの使用量がわかるように筋を入れ、密封容器などに入れて冷凍保存しておくと、オヤツや食事で必要量がすぐに利用できて便利です。

 
Q.山芋やサトイモはあげてもOK?

山芋もサトイモもぬめり成分に消化酵素が含まれているため、ヘルシーなオヤツになりそうな印象があります。これらに含まれるぬめり成分には消化促進などの薬効があります。一方で不溶性のシュウ酸塩(シュウ酸カルシウム)が含まれるので、シュウ酸カルシウム結晶または尿石がある、またはなりやすい犬の場合は与えない方が良いでしょう。

 
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Shi‐Ba vol.105『なんでもクソ真面目&マニアックに大研究シリーズ ホクホクしていて、うまいぜ♪ イモ、クリ、カボチャの便利手帳』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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