食事内容や量、食器、食べるときのシチュエーションなど、食事にまつわる素朴な疑問を解決しよう。
犬の食について
■味覚は人間並み!
犬は味覚を人と同様に感じることができ、嗅覚と合わせて食べ物を判断する。トッピングやオヤツなどで濃い味を覚えると、その後も濃い味のものを求めるようになり、処方食への切り替えなどが難しくなるので注意が必要。
■食道は太く柔軟だが詰まりやすい箇所も
犬は肉食系雑食動物なので、咀嚼はせず、丸呑みで食べる。胃散が強く、食道が太く柔らかなので大きな肉の塊も一口で食べることが可能。ただし第一ろっ骨、心臓の上、胃の入り口付近の食道部は細く、詰まる可能性がある。
■犬の満腹中枢
犬にも満腹中枢があり、胃のふくらみと時間によって満腹感が得られる。日頃食べられるだけ食べていると、満腹中枢にスイッチが入るまでに時間がかかるようになり、逆に少ない量だけ食べていると、早くスイッチが入るようになる。食事で大切なのは、犬が満腹になることよりも、栄養バランスや量を考えて適正体重に導くこと。運動量とのかねあいも考えて、適量を守ろう。
犬の食事Q&A
Q.ライフステージ別の食事回数と量の目安は?
→イメージより少なめが犬の健康にはいい
フードの1回量は、犬の頭の大きさ(生後3ヶ月なら60~100g程度)が目安+体型も考慮する。生後3ヶ月までは1日4回(朝昼晩と寝る前)、3~6ヶ月で1日3回、6~11ヶ月で1日2回、1歳~で1日1~2回。
Q.食べ物の最適な温度はある?
→温かい、冷たい、常温もOK
常温を含めいろいろな温度があってOK。脂っぽいものは常温以上で芳醇になるので、食欲がない時は40℃くらいに温めても。 ただし50℃以上はたんぱくが変性し、熱すぎるので注意。暑い時は冷たいものを与えてもOK。
Q.犬に与えてはいけない食材は?
→ぶどうや観葉植物も体調を崩す原因に!
中毒を起こすたまねぎやチョコの他、ぶどうも体質によっては腎不全に。観葉植物も嘔吐、下痢、けいれんを引き起こすものがある。味の濃いものは腎臓や心臓に負担。ナッツやアボガドなども大量に食べないこと。
Q.柴犬に多い、食事のトラブルは?
→中途半端なサイズの肉が詰まりやすい!
犬が容易に飲み込める肉のサイズは約2センチ角。大きな肉は歯でちぎるが、カレー肉や誕生日のお祝い肉を、5センチ以上の中途半端なサイズで与えると、飲み込めてしまうために食道に詰まるケースがある。
Q.理想的な食事のスタイルと器は?
→地べたに安定した食器を置くこと
食器は直接床や地べたに置く。首や背骨が痛む犬は、台に乗せると楽に食べられる(台は犬のひじよりも高めに)。食器は深さ4~5センチで、素材は何でもいいが、重めで安定感があると食べやすくこぼれにくい。
犬の食事チェックは健康にも役立つ!?
犬の食生活にもさまざまな背景があることがわかった。では食べ方を見ることで、医学的にもわかることがあるのだろうか。
きれいに食べていた犬が急にがっつくようになったら、クッシング症候群の疑いがある。また時々吐く、徐々に食べるスピードが落ちる、食後にお腹を痛がる場合は、膵炎や胃炎、初期胃がんや胃炎の疑いも。
よく食べていた犬が食欲低下した場合、フードを変えたかどうかもチェックの目安になるようだ。変えていた場合、単に新しいフードが嫌いなら元のフードに戻し、それでも食べないなら受診を。フードのメーカー側で内容を変更している場合もあるので、それを調べ、変わっていないのに食べないなら、やはり受診するといい。フードを食べなくてもオヤツを喜んで食べるなら体調の心配はない。
一般の家庭犬は、適正量よりも食事量が多い傾向にある。適正量を計ると、いつもの量より少なく『これではかわいそう』と言う飼い主は多い。運動量が多いなら多めにあげていいが、1日30分×2回程度の運動量なら、食事の適正量を守ることが、健康を保つために大切。食べること以外の楽しみを見つけてあげよう。特に7歳以降は肥満が原因で病気になりやすいので注意。
また、犬が食事する時は孤独が一番。落ち着いて食べられるので、ストレスがなく、消化も良くなるはずだ。
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Shi‐Ba vol.82『風味、鮮度、タイミング……食へのこだわり捨てません!? 日本犬が愛す 孤独なグルメ』より抜粋
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