最近、モヤシっ子が犬にも増えてない? 今年こそマッチョな柴犬になりたい!

現代人の運動能力不足と共に21世紀を生きる柴犬に軟弱化の危機!?本来あるべき日本犬の姿を取り戻すために、今立ち上がろう!
 

 

筋肉がつくメリット・デメリットは?

柴犬のトレーニング

■メリット
まず、適度に筋肉がついた体は健康的であるといえる。病気やケガの恐れも減るだろう。若犬の頃に蓄えた筋力があれば、老犬になって衰えた時でも多少の無理は利く。愛犬を寝たきりにしないためにも大切だ。

また、適度な運動は犬のストレス解消にも役立つ。犬が動くことを楽しいと感じるようになれば、飼い主と一緒にジョギングなどのスポーツや、アウトドア、旅行などを楽しむことも可能だ。

 
■デメリット
一度つけた筋肉は、途中で運動をやめると脂肪に変わり、太ってしまう。

また、自転車やバイクの引き運動だけを続けると、体力だけがつき、スマートな頭の使い方ができなくなるという。例えばドッグカフェなどで落ち着いて待つ、といったことだ。「まだまだやれるぞ」という熱血犬になってしまい、そうすると付き合う飼い主にもかなりの負担がかかる。

飼い主のペースで運動量をコントロールしよう。

 

トレーニングを始める、その前に

■運動をしていい犬

柴犬のトレーニング

・健康な犬
・運動が楽しくできる犬

基本的に運動をさせてはいけない犬はいない。ただし、内容を考えてあげないといけない場合がある。例えば、関節の悪い犬。最近、日本犬の膝蓋骨脱臼が非常に増えているそう。ただし、疾患がある犬でも日常生活があるので、獣医師と相談しながら運動メニューを決めたい。

■運動をしたらだめな犬

・1歳未満の犬
・運動が苦手な犬
・運動をしたことのない犬

体が成長途中の子犬に過度な運動や、爆発的な興奮をさせることは骨の発達の異常、関節のトラブルなどを招く危険がある。また、散歩や体を動かすことが嫌いな犬も無理してはいけない。老犬は日常生活を急激に変化させてはいけない。運動に慣れていない場合は、日常生活の中にトレーニングを少しずつ取り入れるようにしよう。

 
■注意したい運動のリズム

運動や散歩をする場合は、スタートから徐々にペースをあげ、中間でハードな運動を取り入れ、ゆるやかにペースを落としていくのがおすすめ。最初から最後まで引き運動で走りっぱなし、というやり方は、犬の体に大変な負担をかけるので避けること。
 

<限界のシグナルを見極めよう>

運動を続けるうちに、当然ながら犬にも限界がくる。

1.肩で息をする 2.体が揺れている 3.口が開く 4.舌が横に流れる 5.その上に泡がつく 6.唇が白くなり始めたら、熱中症の一歩手前。

様子を注意深く観察すること。少しでも異常が見られたら動物病院へ。

■トレーニングに適した場所は?

・水中
水の抵抗を受けながら歩くのは、もっとも体にダメージがなく、筋肉をつけられる。ただし水を怖がらない犬であることが条件。ドッグスパなどを利用する場合は獣医と相談を。
 
・砂浜
地場としては負担が一番少なく、地面を蹴る時に力も入れやすい。砂浜をただ歩いているだけでもどんどん筋肉がついてくる。トロット(早足)やダッシュを取り入れるとより良い筋肉がつく。
 
・土や野原
柔軟な筋肉をつけるのに良い、もっとも身近な地場。適度なクッションがあるので、安全性も高い。犬同士遊ばせるのもアスファルトやコンクリートの上よりも適切。

 

まずはウォーミングアップをしよう

■足の屈伸
柴犬のトレーニング
足の屈伸は怪我などを防ぐためにも念入りに。とくに後足のひざは関節に疾患の出やすい場所なので、予防とストレッチをかねて行おう。まずは、ひざを曲げて数秒キープ、前足も同様に行おう。

■首を左右に
オヤツを持った手を鼻先へ出して、ニオイを嗅がせながら左右に誘導し、首を動かして伸ばす。
 
■首を上下に
同じくオヤツで誘導しながら首を上下にストレッチ。犬は人を見上げることが多いので首はこりやすい場所。よく伸ばしてあげること。
 
■首を回転
こちらもオヤツを持った手で、頭の周辺を回転し、首周りを全体的にストレッチ。
 

 

室内トレーニング編

1.踏み台昇降

柴犬のトレーニング

犬の肩くらいの高さの台を用意し、昇ったり降りたりを繰り返しさせよう。犬が慣れるまでは、台を挟んで犬と向かい合って座り、オヤツを犬の鼻先に近づけてから手前に引き、犬が台に足をかけるように誘導しよう。身体測定などでやった踏み台昇降を思い出してほしい。単純だが以外に筋力を使うメニューなのだ。

【初心者メニュー】踏み台昇降 5回
オモチャなどで誘導して、遊び感覚で練習しよう。

【上級者メニュー】踏み台昇降 10回
単調な動作なので、できたらほめるを繰り返し、飽きさせないように。

 
2.オスワリ&フセ

オスワリ、フセ共に何気ない動作だが、回数を重ねれば立派にスクワットに。体があたたまるのはもちろん、ナチュラルな筋肉をつけるのにも役立つ。これに「立って」も加えると、さらに効果があがる。

【初心者メニュー】オスワリ&フセ 5セット
はじめのうちは手にごほうびをもって誘導してもかまわない。

【上級者メニュー】オスワリ&フセ+立って10セット
指示をうまく守れたら、その都度ほめてごほうびを与えよう。
 
関連記事: コーギーを飼うなら教えておきたいマストコマンド。基本のオスワリ・フセ編
 
3.ジャンプ

手作りのハードルを豪快にジャンプ!最初はハードルの高さを低くして、ごほうびで誘いながらまたぐところから始めて慣れさせてあげよう。ハードルは犬がぶつかっても安全な素材で作ろう。

【初心者メニュー】ジャンプ 5回
助走なしで跳べるくらいの高さで始めよう。

【上級者メニュー】ジャンプ 10回
廊下などのスペースがあれば、助走つきジャンプをさせよう。その際、床にはじゅうたん等のすべり止めを用意しよう。

 
4.モッテコイ

柴犬のトレーニング

【初心者メニュー】モッテコイ 5回
犬がぶつかって怪我をしないよう、障害物が少ない場所で行おう。

【上級者メニュー】モッテコイ 10回+引っ張りっこ10回
ひも付きボールのひもを持ったまま動かして負わせるなど、いろんな運動を考えてみよう。

 
5.引っ張りっこ

コットンでできたロープ状オモチャなど、犬がくわえるところ、人が持つところが安定しているものを使おう。ただし、犬は四股を踏ん張ってぐいぐい引っ張る。ただし、犬がオモチャをくえている時に『ダセ』をしっかり守れることが非常に重要な遊び。まずは「ダセ」を教えよう。

【初心者メニュー】引っ張りっこ&ダセ5回
ほどほどに体があたたまる程度にしよう。

【上級者メニュー】引っ張りっこ&ダセ10回
時間が経つにつれ、犬が興奮して首を振り回すことも。周りに障害物を置かないように注意。

 

屋外トレーニング編

1.ハードル

柴犬のトレーニング

室内編でのジャンプの応用。写真のように砂の上でやると、より効果が高まる上、関節にも負担がかからない。はじめのうちはごほうびで誘導してもよい。写真のハードルは園芸用の竿を利用したもの。足が当たったら竿が落ちるように工夫しておこう。地面が砂なら竿が落ちても音がせず、犬が驚くことも少ない。

【初心者メニュー】ハードル4回
慣れさせることからはじめ、目標の高さをクリアしたら、しっかりほめよう。

【上級者メニュー】ハードル 8回
慣れてきたら助走つきでバーを跳ばせよう。集中力が切れないように工夫を。

 
2.坂を斜めに上り下り

下からゆっくり斜めに上がると、後ろ足の筋肉がかなり鍛えられる。下りるときにも斜面なら前足も鍛えられる。いずれもダッシュで生かせないように注意。慣れてきた若犬なら時々ダッシュを入れてもよいが、基本的にはゆっくりと。

【初心者メニュー】上り下り5回
高低差の少ないゆるやかな坂から始めよう。土の上ならなおよい。

【上級者メニュー】上り下り7回+ダッシュ2回
急斜面を選んで上り、ダッシュも取り入れた走りこみもがんばろう。

 
3.穴掘り

柴犬のトレーニング

土や砂の中にオヤツを埋め、犬に掘り返させて鍛えよう。掘る前足だけでなく、踏ん張る後ろ足にも筋力アップ。ナチュラルな筋肉をつけるのにもよい。掘るのは犬の本能なので、ストレス発散にも役立つ!?

【初心者メニュー】穴堀り 10cm
本能を利用した比較的簡単なトレーニング。

【上級者メニュー】穴堀り30cm
深くなったら犬の目や鼻に砂が入らないように注意。

 
4.砂浜ダッシュ

ロングリードをつけたりして、勢いよく走らせよう。全身を動かす有酸素運動はハード、バランス、どちらにも効果的。

【初心者メニュー】ダッシュ 5m
併走する場合でもロングリードがおすすめ。

【上級者メニュー】ダッシュ 15m
犬の瞬発力を甘く見ず、気合を入れて付き合おう。

 

クールダウンで心身共にリラックス

■耳周り
柴犬のマッサージ
いろいろなツボが集中しているマッサージポイント。やさしく指圧するようにしてあげよう。

■首周り
首や胸は犬が気持ちいいと感じることが多い。嫌がらなければ重点的に。

■肩、腕
ずっと体を支えているところ。ストレッチも行いながらもみほぐして。

■頭
柴犬のマッサージ
クシでとかすように指で。指の腹が皮膚に当たるように。血液やリンパの流れを良くする効果が期待できる。

■全身
頭の応用で背中にそって全身もとかして。マッサージ中にけいれんする箇所は特に重点的に。

関連記事: 隣のお宅のモミモミテクニックを盗め!~犬のマッサージ天国!~
 

最後に

体と精神を健康にしておけば、後から体力はいくらでもつけられる。

まずは健康的な日常生活を送ることが、マッチョへの第一歩。

もうひとつ。

子犬のころに大きくなった肥満細胞は、成犬になってダイエットをしても意味がない。

子犬のころからバランスのとれた食事と、適度な運動を心がけることを忘れずに。

 
関連記事: 柴犬の筋肉を学ぶ~知っておきたい7つの役割から病気まで~
 
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Shi‐Ba vol.26『最近、モヤシっ子が犬にも増えていませんか? 今年こそマッチョな柴犬になりたい!』より抜粋
※掲載されている写真はすべてイメージです。

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