食事や遊びなど、ついつい愛犬が満足する(十分目)までやってあげてしまうことって結構ある。これは犬にとっていいこと?だめなこと?
ゴハン編
■愛犬の健康を守るため心を鬼に
犬は野生時代、主に狩りをして食物を得ていた動物。次にいつ食べれるかわからないので獲物を手に入れると、胃の中に詰められるだけ詰めて十分目まで満たすことが必要だった。
時は過ぎ、現在多くの犬は1日中ごろごろしていようが、メシにありつけるという身分となったが、そうなると体の機能は変化していく。
それなのに食い溜めしようとする本能は残っているため、十分目まで食べると胃捻転や嘔吐などを起こすようになってしまったのである。これが、八分目で止めた方がよい理由だ。
八分目での止め方は、十分目まで食べさせないように量をコントロールするという方法しかない。市販のフードを与えている場合はパッケージに書いてある標準体重に対する目安量を与える。その量が八分目。
散歩編
■犬に合わせた八分目を見つける
散歩は犬にとって、なくてはならないもの。犬の体調や年齢にあわせて、距離や時間の八分目を見つけてあげ、散歩をしなくなるのは避けよう。
年をとった犬も、気分転換、筋肉の維持につながるのでひなたぼっこに行く程度の散歩をしてあげよう。
散歩の場合は、愛犬がへとへとになる前に引き上げるのが八分目でちょうどいい。犬が疲れたかの判断方法は、普段に比べてとぼとぼ歩く、あっちへ行ったりこっちへ行ったりとにおいを嗅ぎまわっている状態があげられる。そうなる前に散歩をきりあげよう。
【子犬の場合】1歳で約5kmが八分目
4ヶ月未満は社会化のために抱っこをして、いろんなものを見せる。ワクチン後は徐々に距離を増やしていき、1歳くらいで5kmを目指す。
【成犬の場合】組み合わせて八分目
犬の性格(のんびりか、アクティブか)、体調にもよるが、八分目はだいたい5km。それで満足しない場合は、家で少し遊んでカバー。
【老犬の場合】愛犬の様子を観察する
やりすぎると翌日あちこち痛むことも。老犬の場合は気持ちの八分目と、体の八分目は違う。犬の様子を見ながら、六分目くらいに落とす。
今さらながら再確認!もっと楽しく、もっと安全に柴犬の”歩く”をマニアする!
お手入れ編
■恐怖を与えないことで嫌なイメージを持たせない
お手入れが嫌いな犬の恐怖心を八分目におさえるよりも、飼い主の行動を恐怖につなげないことが大切。
例えば、足拭きは濡れたタオルの上を歩かせるなど、その犬に適した嫌がらないお手入れ方法を考えてあげよう。
遊び編
■楽しいことも腹八分目がちょうどいい
やりすぎたら次に遊ぶ時の期待感が小さくなる。特に日本犬は飽きっぽい。疲れがでる肉体的八分目よりも、飽きる前の精神的八分目で止めよう。
飽きさせないという他にも「すぐに破壊するので新しいのを買うのは大変」という経済的な理由もある。
八分目の判断基準はフィーリング。頻繁に遊んであげることで、見極められるようになる。八分目を知るためにも、愛犬との時間を大切にするべきということ。
【肉体的八分目を見極める】
十分目を超えると、パウンティングが激しくなる。ボール投げの場合は追いかけるスピードは早いが帰ってくるのが遅くなったら疲れている証拠。
【精神的八分目を見極める】
ボール投げの場合、追いかけているスピードは速いが持って帰ってくる途中、一目散ではなくよそ見をしながらになることがある。
甘がみの力は八分目?
力かげんは八分目というよりは、二分目か三分目くらい。
しかし、いくら二分目の力加減といえども、やられる方はやっぱり痛いし、成犬になってもやり続ける犬になったら、飼い主にも愛犬にもよくない。
人間では、母犬ほどうまく教えられないが方法はある。
かまれた時にタイミングよく『いたい!』と大きな声を出そう。それによって自分が嫌なことをされたのだと教えられる。
これはびっくりさせてやめさせるのが目的だが、遊んでもらっていると思って勘違いすることもあるので同時に愛犬から離れたり、ケージに入れたりすることも効果的。
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どんなものが十分目までok?
■睡眠や排泄は十分目まで
睡眠や排泄などの身体的欲求を満たす行為は十分目まで。睡眠が足りなかったらストレスもたまるし、排泄できなかったら病気にもなる。思う存分やらせてあげよう。
■愛犬の安住の地をつくってあげる
快適な生活環境作りは、十分目どころか十二分目までやってもいいくらいだ。床がすべるならマットを敷いてあげたり、ふわふわなベッドを用意してあげたりと、愛犬が暮らしやすいような環境を作ってあげよう。
上手に八分目。それが幸せの秘訣
人間の場合、楽しいことやおいしい食事を八分目で止めることは難しい。止めなきゃいけないことは重々承知しているが、甘い誘惑には勝てずに何事も十分目までやってしまう。
夜遊びや暴飲暴食など、例をあげるとキリがない。そうして不健康な生活を送っているがために、太り続けてしまう。
しかし、人間の場合はただの怠慢であり、困るのも自分自身だし、本気をだせば止めれるはずだ。
だが犬の場合は、自分自身で八分目を意識することはできない。だから、飼い主が時には鬼になって愛犬の生活を律してあげることが必要だ。
愛犬の生活を管理できるのは飼い主だけ。八分目で止めるべきことを知っておき、コントロールしてあげよう。
一方、もしかしたら愛犬も「八分目がちょうどいいのになあ」と飼い主に言いたい場面があるかもしれない。
愛犬がかわいいからといってあまりにいちゃいちゃしすぎると、嫌がられる事もあるし、分離不安になることも考えられる。
もし、24時間一緒にいる飼い主の場合は時々ひとりの時間を作ってあげよう。いくら愛し合っている者同士でも、いつも一緒にいたら疲れてしまう。時々は愛犬との距離も、時々は八分目がちょうどいいということか。
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Shi‐Ba vol.65『愛犬の健康のため よりよい生活のため 何事も腹八分で止める!』より抜粋。
※掲載されている写真はすべてイメージです。